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益村のエッセイ マスッセイ#3「図書館とエアガン」

皆さんは、図書館で後頭部にエアガンを突きつけれた事はあるだろうか?

それも母に。


中学の頃は、僕の人生で一番暗く、淀んでいた。

前に書いたシャンデリアが爆発した時の話は中2の終わりくらいの話で、

中1の頃から中2の中盤までマジで終わっていたなという自負がある。

学校に全く行ってなかった。
全く新しい環境に馴染めなかった。
いじめられてたとかでも全くなく、ただ、家にいる方が楽だった。

学校で全く喋れなかった。
春先はあいうえお順で席が決まっているが、ま行の奴らが1軍のとにかく喋る奴で、そんな彼らの喋らない僕へのおイジりとかも、本当に嫌だった。


学校にも行かず、家でパソコンを開いて、ニコニコ動画と2ch。当時のインターネットはそういう奴らの掃き溜めだったと思う。

24歳となぜか嘘をついてBBS(ネット掲示板)に常駐していたが、もうその年を越したと思うと感慨深いやら、ゲボ吐きそうやら悲喜こもごもだ。

学校に行くふりをして、通学路を途中まで歩いてUターン。鍵っ子だったので、家の鍵を開けてかなり早めに帰宅。そこからおうちタイムをエンジョイするというルーティンだ。

鍵がない日もあった。

そんな日ももちろん家を出て、しばらくしてUターン。

家の物置に入り、そこで朝から夕方まで過ごしていた。国語の教科書をとにかく読んで過ごした。
舞台は北海道。激烈に寒く、雪に囲まれた日もある。
そんな日は、空き缶におしっこを入れて暖を取るという謎サバイバルをして凌いでいた。

飯も水もないというのに、タフな少年である。

この不登校への執念は、ゆたぼんも裸足で逃げ出すことだろう。

学校に行かなさ過ぎて保健委員を解任されてるのは僕くらいだ。春先にみんなの尿検査を回収したのが最後の仕事だった。

学校にはいかない。
家か物置で、ゆっくりと過ごす。
そんな毎日を過ごせればいいと思っていた。

その平穏は、他でもない母に破壊されることになる。


母の、息子を学校に行かせるという執念も、並外れたものであった。


登校詐欺をかまし、家の鍵をカチャリ。
家で悠々自適に過ごしていると何故かオカンが家に帰ってきて家に侵入している。
何故!?玄関の鍵は閉めたはずなのに!

オカンは愚息の行動を見抜き、家を出る前に家のどこかの窓を少しだけ開けており、そこから僕の楽園に侵入していたのだ。

無事、確保され、学校に連行された。

そうやって、僕の登校詐欺をバイオレンスに打開していくのがオカンのやり方だった。

いつからか、家にいることをやめて、図書館で過ごすことが多くなった。

オカンからしたら「ヤツはどこにいった!?」といった感じだろう。

その頃、僕は毎日図書館で悠々自適に読書していた。



ある日の事だった。

いつものように平日朝から読書をキメていた。この図書館はなぜか雑誌のコーナーにファミ通が置いてあって、読書といってもそれがメインコンテンツだった。ファミ通の読者コーナーの大喜利のページが、僕にとって初めて大喜利に触れた場だったことを覚えている。

それは置いといて、ファミ通で最新ゲームの情報をチェケラしていた。バイオハザードの新作が出るんだ~とかページをめくっていると、


カチャッ


突然、

後頭部に、硬いものが当たった。


後頭部越しに分かった。

これは銃口である。穴があると。

今僕がファミ通で見ているバイオハザードのページに載っている武器だと。


振り返ると、オカンだった。

オカンが、弟のエアガンを僕の後頭部に突きつけていたのである。

「観念しろ。」

と言っていたので、

観念した。

オカンは学校かばんを持っていて、中には教科書。それを渡され、今度は背中に銃を突きつけられながら、図書館を後にした。

司書たちは、一体何をしていたのだろうか?

オカンが全員片付けたのだろうか?

エアガンを持った中年女性が、中学1年生を連行しているというのに。

この日が学校に行かされた。

3時間目の途中からだった。クラスメイトたちは驚いただろう、久々の益村の顔が、涙と鼻水でぐっしゃぐしゃだったのだから。

さっきまで、銃を突きつけられてたのだから仕方ない。


ということで僕は、図書館でエアガンを突きつけられた事がある。

なぜエアガンだったのだろう。もし僕が抵抗した場合、ゼロ距離で脳天にBB弾をぶちこまれていたのだろうか?

あやうく、図書館でヘッドショットされるところだった。


こういうバイオレンスな措置が続いて、この件があってからも僕とオカンの戦いは担任の先生も参戦しヒートアップして、なんやかんや復学することになる。その話はまた機会があれば。

学校に行かなさすぎて、担任の先生に普通に殴られたし。

とりあえず、今お騒がせの「ゆたぼん」にもエアガンを突きつけてくれる人の存在が必要なんじゃないかと…この話を回想しながら思ったりもしたり、しなかったりな感じの27歳の春だ。


ちなみに高校は3年間皆勤賞で、賞状とクオカードもらってます。

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おわりです。

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