
日本近代文学館「生誕120年 住井すゑ、95年の軌跡―金輪際いつぽんきりの曼珠沙華―」
先日、日本近代文学館の「生誕120年 住井すゑ、95年の軌跡―金輪際いつぽんきりの曼珠沙華―」へ行ってきました。
https://www.bungakukan.or.jp/cat-exhibition/13909/


学生の頃に「橋のない川」を読み、このような陰湿な差別が何故に続くのかと考えさせられたのですが、今回の特別展の開催情報を見てから、そう言えば私は住井さんについて「橋のない川」以外の事をあまりよく知らないと気付き、今回足を運んでみました。
様々な展示を見ていると、ずっと活力がみなぎっている人だったというのが伝わってきます。原稿も展示されているのですが、その走る文字の力強さ、書きたいものが溢れているという気持ちが激しく伝わってきます。
そして「橋のない川(第八部)」と書かれた所で時を止めた原稿用紙。その後ろの空白の部分にどういう世界が広がるはずだったのかと思いをはせました。
それを想像するためにいま一度「橋のない川」を読まなくてはと、さっそく図書館で借りてきました。
そう言えば最近は手書き原稿がほとんどないと思うので、これからの時代はこうした企画展を開催する際、生原稿の展示と言うのは無くなってしまうという事でしょうか。作家が言葉を生み出す際に苦心したり気持ちがのっていたりというのが段々と伝わりづらくなるかもしれません。
展示された作品や写真、そして牛久にある抱樸舎での勉強会の様子などからも、エネルギーを放出し続けるその力強さを感じる事ができます。
日本近代文学館の展示は11月26日までなので、落ち着いたら牛久にある「住井すゑ文学館」に行ってみたいと思っていたところ
未発表の草稿が見つかったとのニュースが昨日出ていて、さらに行ってみたいという気持ちが強くなりました。