見出し画像

【旅する胃袋】インドでポルボルンはガネーシャも大好きなラドゥになった(知らんけど)

これ、ラドゥによう似てるなあ。

かもめさんが教えてくれたスペインのお菓子ポルボルン。

薄力粉にアーモンドプードル、そして一瞬引いてしまったラードの量。でも、沖縄の銘菓『ちんすこう』もラード使うし、出来上がりの感じもよう似てるなあ。そういえば、あれとよう似てるやん。

画像1


インドのお菓子 ラドゥ


ヒンドゥー教でお供えものとして使われるお菓子で、ラドゥだけでもいろんな種類がある。こちらは『ベサンラドゥ』。ベサン粉(ひよこ豆の粉)と大量のギー(バターの水分を飛ばした油)、砂糖が材料だ。

ギーに砂糖。

初めてラドゥを見て作り方を教わった時、「それ、混ぜたら危険レベルやん」とコメントした。だが、危険なものは、ほぼ間違いなく美味しい。ドキドキしながら食べたラドゥは、美味しかった。そりゃ、美味しいはずやわ。なんせ、神様の大好物なんやから。

画像3

ヒンドゥー教の神様、ガネーシャ。コテコテの関西弁を喋るガネーシャが主役の小説があった。このガネーシャ様の大好物が、ラドゥなのだ。お皿に乗せられた大量のラドゥ。そりゃ、あのお腹になるわなあと納得した。

さらに、こんなラドゥもある。

画像2

ココナッツファインを使った『ココナッツラドゥ』。

ひねりがなくてすいません。ひねりはないけど、ギーに匹敵する材料を使う。

コンデンスミルク

いちごのシーズンになると夫が絶対買うてくる、危険物である。
同じく、危険なのだがこれまた美味しい。

ラドゥはそもそも『お供物』なので、日持ちするよう大量に砂糖や甘味を使っているそうだ。レシピも色々あり、お店や家庭によっても違う。日本人の口に合うように甘さを控えめにしたり、コンデンスミルクを使わないレシピもたくさんあるが、せっかく『旅する胃袋』に乗っかるんやし、ここはインドの料理家さんのレシピを参考に作った。

ベサンラドゥの作り方

まずは、ベサン粉をフライパンで10分ほど炒る。

画像4

ダマは潰しながら手を動かし続けて炒る。

ベサン粉がさらっとなり、香ばしい香りがしてきたら、ギーを入れる。

画像5

ギーとベサン粉が一つにまとまるように良く混ぜて、あんこやジャムを作るように、ここでも手を動かし続けること約10分。

もったりしてきたら、火から下ろして砂糖を入れる。今回私は甜菜糖を使用。粉糖使った方が仕上がりと食べた時の口当たりが滑らかだが、「ちょっとでも身体に良さそうなものを」と悪あがきで甜菜糖を使った。

砂糖と同じく、カシューナッツを砕いたもの、カルダモンパウダーを入れる。

画像7

粗熱を取って冷ます。手で触れるくらいまで冷めたら、丸める。ぎゅっ、ぎゅっと固く握ってから丸めると、きれいにできる。最後にカシューナッツを乗せて完成。

画像6

ベサン粉を使っているからだろうか、きな粉を使った和菓子を食べているような味がする。ガネーシャでなくても、2つくらいは軽くいける。夫と息子は一気に2個ずつ食べていた。原材料を知っている私は、1つでストップしておいた。

詳しくはこちらのレシピをどうぞご参考に。

ココナッツラドゥの作り方


フライパンにココナッツファインを入れて弱火にかけ少し炒る。そこへコンデンスミルクを入れる。

画像8

カルダモンパウダーも入れて、弱火にかけてひたすら混ぜる。ひとまとまりになってきたら火から下ろして、刻んだドライフルーツを入れて混ぜる。この日はドライラズベリーを入れた。

画像9

完全に冷めたら丸めて、ココナッツファインをまんべんなくまぶす。

画像10

フライもん作る時、パン粉をまぶす感じ。まんべんなくまぶせたら完成。

画像11

さすがコンデンスミルク。濃厚な甘味で食感はねっとり。ラズベリーの酸味がこの甘味によく合う。ベサンラドゥは日本の味に近い感じやったけど、ココナッツラドゥは日本から遠く離れて、よりインドに近い味だ。

こちらのレシピに倣って作りました。


日本の台所で、脳内は自由にインドとスペインを行き来していた


我が家の台所で、ラドゥを作りながらぼんやりと考えた。

国や宗教、民族が違っても、それぞれよう似たお菓子を作ってきたんやなあ。
似てるけど、違うところもまた、いろいろあるよなあ。


スペインではアーモンドから使った粉、インドではココナッツやひよこ豆から作った粉。使う油もラードにギーと、その土地や宗教によって材料も違ってくる。

インドのラドゥはオーブンで焼かないのがポルボロンと大きく違うところ。
昔は今よりもっともっと、台所用品自体も国や地域によってずいぶん違っていたのだろう。

ポルボロンはクリスマスのお菓子だが、ラドゥは神様へのお供えもの。そもそもヒンドゥ教にはクリスマスないやんね。それでも、それぞれの宗教で、自分が信じる神様へ「ありがとうございます」という『感謝の想い』そのものは、ポルボロンの国でも、ラドゥの国でも、変わらないのかもしれない。

我が家の台所でインドのお菓子を作りながら、脳内はスペインとインドを自由に行ったりきたりしていた。

画像12

脳内だけでなく、身体も自由に行き来できるようになったら。
インドに行きラドゥを食べて、スペインでポルボロンを食べてみたいな。
それぞれの国の台所で、どんなふうにそれぞれのお菓子を作られているのか、そんな光景も見てみたい。まだまだ先かもしれないが、その日はきっとやってくるはずだ。

かもめさん、その時はどうぞよろしく。

美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。