リバイバル
最近、昔の友人知人と急にやり取りする機会があり、彼らを通じてまた別の友人知人の近況を知ったり、とそういうことが立て続けに起こっている。
そのおかげなのか、何十年も思い出さなかった些細な出来事まで急に頭に浮かび上がって来た。ずっと脳の引出し奥深くに仕舞いこまれて埃をかぶったままだった記憶が、久しぶりに耳にする懐かしい名前などに刺激されて、急にむくむくと起き上がってきたようだ。止まることなく山のように溢れ出てきて、収拾がつかないぐらいになっている。
良くそんなこと覚えていたな、というぐらい本当に些細な、だからどうなったというオチも何もないような出来事。自分でも何が起こったのかわからないぐらい、すごく不思議な感覚である。
今も大学時代に通学中によく聞いた音楽を聞きながら書いている。高校時代、さらには中学時代に流行っていた音楽などを聞きたくなって、YouTubeでわざわざ探し出して聞いてみたりもした。
これまでずっと、当時自分の中の流行りが過ぎて以来は一度も聞きたいと思ったこともなかったのに。不思議だ。
そうするともう芋づる式に、昔の本や、昔のテレビ番組、昔食べていたお菓子にまで思いを馳せるようになって、こんなものも買ってしまった。
サツマイモのチップスである。筆者はスウェーデンにいるので当然スウェーデンの商品なのだが、これを見たとたん小さなころに食べた「おさつスナック」や「おさつどきっ」を思い出してすぐに手に取ってしまったのである。
ごくたまに食べたくなってポテトチップスの類を買う事はあるが、今のように頭の中が20年ぐらい前のことでいっぱいになっていなければこの商品が目につくことは無かったと思う。
写真のように、こちらで一般に言うサツマイモは中身がオレンジなので、チップスもオレンジ色。少しイメージとは違うが、懐かしい記憶と共に味わって食べた。小さい頃におやつを買ってくれた母親の、当時の若かった顔を思い出した。
この自分の中で予期せず起きている記憶をなぞる作業やリバイバル現象は、ファッションの流行が10年に一度とかのサイクルで回って来るようなものなのか。300年ぶりに2つの惑星が大接近、次これが観測できるのは300年後なんていう天体ショーのようなものなのか。なんて言ってしまうと話が大きくなり過ぎか。
何か意味があるとしたら、今までお世話になってきた人や、いろいろな機会に感謝しなさいよ、というサインなのかもしれない。
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