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日記

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2019年7月の記事一覧

日記⑤(2019.07.16)

日記⑤(2019.07.16)

昼過ぎの目覚めに、ぼくはうんざりする。もっと遅くたってよかったのに、と。
精いっぱい光を取り込んだ部屋で、ひとつ大きな欠伸をした。

今日はやろうと思っていたことがある。それは手紙を書くことだった。
二通のうちひとつはもうすでに――眠れなかった明け方をつかって――書き上げていた。だからあともうひとつだった。
こっちは初めて出す相手だった。親交はずっと前からあったけれど、会ったのは数ヶ月ぶりな上にま

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ぼくから見えるもの

ぼくから見えるもの

現実という言葉は、基本的に夢や理想の対として用いられるから、暗いイメージを帯びる。

「もうすこしな、現実を見るというかな、」
ぼくは愕然する。現実は見るものではなくてただ在るものだと考えていたから。そこにはぼくがいる現実と両親の見る現実に差異があったのだ。それはとても悲しいこと。

ぼくが小説家を志していることが察されていることは、別にもうよかった。むしろ自分から言わなければいけないのよりはずっ

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朝を明かす

朝を明かす

明日なんてなくなってしまえばいいのに。ぼくたちは強制的に朝を迎えさせられる。それは祈りでも叫びでもなく、ただ自然の事象として。
慣れてしまうということは、有り難さを見失うということ。それがおそろしくておぞましくて、また眠れない夜を明かす。
無数にあるなかでぼくの生活なんて無為に等しいだろう。それどころか人間の営みなんて。矮小さではなくて無限を感じるから、ぼくは戦慄する。たかだか八十年だか百年だかを

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