
音をデザインする。誰かを、Happyにするデザインの話
こんにちは! 私、音楽を聴くのは大好きなんですが、実は音痴です。しかも夫がオーストリア・ウィーンに赴任しているという環境にいながら、ウィーンフィルハーモニーのコンサートに集中して最後まで聴ける自信はありません(笑)。あでも、ウィーン少年合唱団の歌声をYouTubeで見てうっとりすることはあるので、少しは音を楽しめる感覚があるのかなと思っています。
という程度の「音」感度の極めて低めと自覚している私です。音符と音階と楽器と演奏と曲を作ることもDesingだと思うのですが、今日はそこはちょっとだけ隅に置いといて…「音×Design」で誰かをHappyにするDesignの話をしてみたいと思います。
音をデザインするってどういうこと?音楽とは違うアプローチ。サウンドデザイン
「音をデザインする」と聞いて、まず音楽や効果音を思い浮かべる人も多いかもしれません。でも、音のデザインはそれだけではありません。
例えば、サウンドデザイナーのスズキユウリさんは、空間に喜びを与える音を作る「聴景デザイン」という分野を提唱しています(参考:AXIS)。これって、例えばカフェで流れるBGMや、街中で聞こえるさりげない環境音が、その場にいる人たちの心地よさを生むように考えられている、そんなイメージです。と語っています。
UIサウンドデザインが作る小さな幸せ
UIサウンドというとなじみがない言葉かもしれませんが、耳にはしている音かと思います。例えば…スマートフォンや家電の操作音、普段あまり気にしていないかもしれません。でも、この音が絶妙だと、「使いやすい!」と思えるものです。これが「UIサウンドデザイン」の力。
たとえば、デンツーラボが提案する「UIサウンドデザインのススメ」では、操作音がどれだけユーザーの体験を左右するかを教えてくれます(参考:Dentsu Lab Tokyo)。静かな環境でも耳障りじゃない通知音、ボタンを押したときの小気味よい音、こうした音が私たちの日常にちょっとした心地よさを加えてくれているんですね。
【参考】
UIサウンドデザインのススメ
https://uisound-ux.jp/
企業開発者編
https://uisound-ux.jp/chapter2
サウンドデザイナー編
https://uisound-ux.jp/chapter3
サウンドデザイン テクニカルノウハウ
貼り付け元 https://uisound-ux.jp/chapter4
Smart UI Sounds
貼り付け元 https://uisound-ux.jp/chapter5
UIサウンドデザイン事始め
貼り付け元 https://note.com/dentsulabtokyo/n/na15808e060a4
音が作る新たな体験
音は、私たちが共有できる体験を生み出すこともできます。
例えば、スタジアムの興奮を「振動」に変えて聴覚障害のある人たちに伝えるプロジェクトが注目されています(参考:IDEAS FOR GOOD)。音そのものではなく、その振動を肌で感じることで、一緒に盛り上がることができるんです。
さらには、スタジアムの騒音を電力に変える技術を高校生が開発したなんてニュースも。音をエネルギーに変えるなんて発想、すごいですよね!
光、音、香り、手触りで導く教室:視覚障がいの子どもたちのためのインドの学校建築
視覚障がいの子どもたちが安心して通える環境を作るために、インドに設計されたユニークな学校が話題です。この学校は、目が見えない生徒たちに寄り添う工夫が随所に凝らされています。
校舎には、光、音、香り、手触りを活用した案内システムが導入されています。たとえば、廊下には異なる手触りの床材が用いられ、手すりや壁に触れるだけで教室や施設の場所を認識できる仕組みが施されています。また、空間の香りや音響設計により、自然と方向感覚をつかむことが可能になっています。
この学校の建築は、視覚以外の感覚を最大限に活用するデザインの可能性を示しており、教育環境の多様性を広げる一例となっています。視覚に頼らない建築がどのように人々を包み込むか、インドのこの試みは世界中の教育・建築関係者にとって大きなヒントになりそうです。
(出典:IDEAS FOR GOOD 「教室へ導くのは、光と音と香りと手触り。目の見えない生徒に寄り添うインドの学校建築」
音の課題を解決するDesign
雨音が静かな傘
丸安毛糸が開発した「音が静かな傘」は、雨音の煩わしさを解消する画期的な製品です。この製品のきっかけとなったのは、視覚障碍者の方からの相談でした。雨の日に外出すると、雨音がうるさくて周囲の情報音が聞き取りにくくなり、不便を感じることが多いという悩みを傘屋さんに伝えたのが始まりです。特殊な素材と構造により、雨粒が傘の表面に当たる音を和らげる工夫が施されており、静かで快適な使用感を実現しました。この傘は、視覚障碍者の方々をはじめ、音に敏感な人や静かな環境を好む人々にとって、新たな価値を提供しています。
製品音の課題を把握する新しいアプローチ(SoundOne)
SoundOneが提案する「製品音の課題把握」は、自社の発信情報によると、製品開発において音の特性を詳細に分析する手法です。音を数値化・視覚化する技術を駆使し、製品が発する音をユーザー体験の一部として捉えることで、従来の「音を抑える」アプローチから「音の魅力を引き出す」方向へとシフトしています。この新しい視点は、製品価値を向上させるだけでなく、製造現場とユーザーの双方にメリットをもたらすものとされています。
本物より本物っぽい効果音
【単独インタビュー】『Cloud クラウド』黒沢清監督が念願の銃アクション映画で実践した技術
誰かをHappyにする音の力
音は、単なる聞こえるものではなく、私たちの心や空間に影響を与えるものです。朝の目覚まし音から始まる1日も、鳥のさえずりを聞きながらのひとときも、音が私たちの日常に寄り添っています。
そして、その音をちょっと工夫するだけで、誰かの心がふっと軽くなったり、笑顔になったりする。そんなデザインがもっと増えていったら素敵だなと思いませんか?
次に耳にする音に、どんな工夫やアイデアが込められているのか。そんな視点で、身の回りの音を楽しんでみてくださいね!
さあ、今日も素敵な音に包まれた1日を。どこかで聞こえる音が、あなたにとってHappyなデザインになっていますように!
私の場合は、今朝は目覚まし時計の音から始まり、今は子どもたちのベッドでの会話から「ママ―、眠いー。のになれなーい」というベッドの中の幸せな愚痴からの寝息で更けていっております。
これはこれでHappy Soundのようです。おやすみなさい。