述懐(詩)
いいかい 呪いなんてものは
言葉にしてしまえばできるものだ
言霊って本当に存在するんだよ
君はどんな言葉で人を呪う?
誰にだって不満があって
誰にだって欠点がある
この世は不平等だからこそ
美しいって僕は思うけど
大概の人間はどうも
不平等であることが嫌で
だからこそ他者を恨んで
挙げ句の果てには殺めてしまう
完璧な人間は存在しないはずだが
誰もが自分を完璧にしたいと願い
つまるところ誰かを陥れようとして
自分が濁った泥水に足を突っ込んでしまう
それでも気に食わない人間がいれば
酷い言葉を浴びせ続けて
恨んで妬んで本気で呪ってしまう
いかにも 人間らしい性質だね
自分が正しいと信じることに執着して
他者を傷つけてしまう可能性を見失う
今日もあくせく雑言をアイデアみたいに
思いついては嫌なやつに投げつける
誰も得をしない歪んだ世界に転がった
汚くてトゲトゲした言葉たちを
僕は砕いて砕いて踏み潰すけど
次から次へと呪いの言葉は降り注ぐ
他所は他所 うちはうち
いい言葉だね
しかしその言葉はもう
意味を持たないかもね