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一月の雨(詩)





久しぶりの冷雨だが 胸は躍らない
晴れてほしいわけでもないが 
黒ずむ街は喪服みたいで好きじゃない
痛ましいニュースをSNSで見る
果たして神はいるのか? と思う
いてほしいと願う そして祈る
私はクリスチャンではないが
神はいるべきだって考えているし
祈ることに意味があるって思う
日常的な鈍痛を ありきたりな痒さを
少しでも洗いさってくれるのならば
それでいい その方がいい
あけましておめでとうと言わないのは
単に自分が喪中だからって理由もあるが
果たして明けてしまったことが本当に
めでたいことなのかわからない自分がいる
この世は変遷し続ける だから桜も咲く
しかし一方で 望まない悲劇もある
燃ゆる家 灰色に満ちる空 
それを眺める私は 今年も春を待つ
だが昔みたいに期待はしない 
期待ほど傷つく前のめりな感情はないから
一月の雨は思ったよりもずっと冷たい
風邪を引かぬように 私は温かいお茶を飲む




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