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カラーボックス、壊れる(詩)




例えば 生きんのが面倒になったとき
電信柱に擬態したりするけど
つまらん猫たちの戯れを見るだけで
気持ちがふっと軽くなるんだよ

今年も終わりだねって誰かが呟き
僕はチキンを食べなかったことに気づく
流行なんて作られた紛い物だって
言い切ったほうが楽だったりするよ

年末の大掃除でカラーボックスを捨てる
もう壊れてしまったからいらないんだ
これはとても不思議な話だけど
どうして僕らは年末に大掃除をするんだろう

死ぬことすら面倒になったとき
怪鳥になってみたりするけど
啄むものが悪魔崇拝者なら
きっとチキンよりも美味いだろうよ

来年はどんな年? って誰かが問い
僕はスネークと出会わなかったことに気づく
来年こそは愛が地球を救うと信じて
しかし 争いが消えることはない

人間だからね

年末の大掃除でカラーボックスを捨てる
もう壊れてしまったからいらないんだ
これはどうも納得できない話だけど
どうして僕らは傷つけ合ってしまうんだろう

年末の大掃除でカラーボックスを捨てる
もう戻ることのない世界を漂うんだ
僕はずっと彷徨い続けるだろうけど
こうして年末に大掃除ができることに感謝して

生きようかね

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