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執筆作業に重要なアウトプットの3つのコツ 〜ストーリーテリングという手法〜

アウトプットは難しい。でも、コツはある。

インプットの大切さ、そしてアウトプットの難しさの話をしてきましたが、アイデアを練っている最中に最も大事なことは、「これを書きたい」という強い気持ちです。

本を出版するまでの全体の流れの中でお話したように、出版までの道のりは非常に長く、遠いものに思われることでしょう。

インプットからアウトプットまでの作業がようやく終わったとしても、これから企画書を書いて出版社に持ち込むというアピールの活動が待っています。

そして無事に企画が通って出版という話になったときには、執筆の作業に苦しむ方もいると思います。

この段階に辿り着くまでに、心が折れてしまう方も非常に多くいらっしゃいます。

だからこそ、「これを書きたい」という気持ちを強く持って欲しいです。

そのモチベーションを最後まで保つことができなければ、「書き切る」ということはできないからです。

そして「完了する」ということがないまま書き散らかしたモノには、何の価値もありません。

ただただ、途中で諦めてしまった悲しい夢の残骸として、ゴミ箱に捨てられるだけです。

そしてそんな難しく思えるアウトプットにも、実は幾つかのコツがあります。一番のコツはこれです。

「読者に何を感じてもらい、どうなって欲しいのか。そして、それはどのように書けばうまく伝わるのか。」
これを意識することが、アウトプットの最大のコツであることには間違いありません。媒体の向こう側にいる「誰か」を意識することです。

マーケティングやセールスを経験されているビジネスマンの方は、こういった他者目線の意識はつよいかもしれませんね。

インプットの世界では、作業は完全に自分中心で行われていました。そしてそれが正解です。

しかしながらアウトプットになると、今度は「自分以外の誰か」を自分の世界に引き込む必要があると思います。

ここで大事なのは、「最初からうまくいくと思わないこと」です。

思考を文章化することは、思いの外難しいことです。

さらにこれから、出版化という高みを目指しての作業ともなれば、非常にレベルの高い話に感じると思います。

それを文章もろくに書いたことがない一般人の我々が簡単にできるなど、土台おかしい話です。

出版の世界を舐めた発言と言われてしまってもおかしくありません。

実際、今「先生」や「作家先生」などと呼ばれている方々も、数多くの失敗を乗り越えてきています。多くの失敗作の上に、ひとつの作品が成り立っているといっても過言ではないでしょう。

なので安心して、思いのままにアウトプットして、失敗を重ねてください。

「うまくいかないなあ」という悔しさをかみしめながら、失敗を重ねるごとにコツが掴めるようになっていきます。

さて、それではここからはもう少し具体的に「ここを意識しておいてほしい」という、3つの「ノウハウ」をお伝えします。

①難しい言葉を、簡単な言葉に変える。

「頭がいい人は、人のものを教えるときに難しい言葉を使わない」と言います。

また、「頭がいい人は、人に勉強を教えるのもうまい」なんて言葉を聞いたことはありませんか?

これは文章や企画を行うときも同じです。

「人に見せる」ということを意識したときには、難しい言葉をあえて簡単な言葉に言い換える、もしくは専門用語をわかりやすく嚙み砕く、ということが必要とされます。

回りくどい文章で書かれた本のほうが、一見役に立ちそうに見えることがあるかもしれません。

でもそんなテクニックは、実際にはそこまで必要ではありません。

むしろ「どれだけわかりやすい文章が書けるか」ということのほうが重要です。

「難しいことを、難しく書く」ことに、何も意味はありません。

「本」は情報の伝達、多くの人に自分の伝えたいことを伝えるためのツールです。

「説明する」「伝える」ということを念頭においてアウトプットしていけば、これはそこまで難しいことではないでしょう。


②自分の体験から生まれたことをリアルに書く

あなたの「書きたいテーマ」は何でしょうか。

例えばそのテーマにまつわる「失敗談・おもしろ話・具体的なエピソード」などはありませんか?

もしあるなら、それを積極的にアウトプットの事項に盛り込んでいきましょう。

机上の空論ばかりでは、読者は飽きてしまいます。どこか感情移入できるような経験談があればベストです。

本の世界は「あなた(読者)」と「私(著者)」で構成されています。

「あなた(読書)」をいかに惹きつけ、納得させられるかで本の評価が決まるのです。

親近感を持たせられるようなエピソードをひとつでも入れることができれば、読者はあなたの言いたいことを心から理解し、あなたの主張にぐっと惹きつけられるでしょう。

また、仮定の話ばかりではなく、現実に著者が体験・失敗したエピソードが語られると、説得力が増すというメリットもあります。

実際、IBMのような営業が強い外資系の企業では「ストーリーテリング」というスキルを取り入れています。

これは、相手が感情移入しやすいように、物事を説明するスキルになりますが、非常に有用なスキルだと感じます。

しっかり身につけることをお勧めします。


③具体的な例(数字・図表)を出す

教科書を思い出してみてください。理科でも社会でも数学でも構いません。

ところどころの情報が図形化されていたり、要所要所に写真が入っていたりしています。

数字・図形・図表。これをぜひ活用してみてください。

これらのものを有効的に活用することで、文章に具体性が出て、説得力を持たせることができます。

また、視覚から入る情報の力は非常に強く、長々と文章で説明するよりも、図形化したときのほうが、すっと頭の中にしみこんでくれることもよくあります。

インプットのときに溜め込んだ情報を、頭の中の整理のためにも図にしたり、絵に描いたりすることもオススメです。

これは表現方法のひとつではありますが、当然のことながら「より多い」という言い方よりも、「10%多い」という言い方のほうが力があります。

もちろん、この表現を使うためにはしっかりした事前の調査が必要ですが、出版社に持ち込む企画書を作るときにはこの「具体性」をぜひ意識してみてください。

これら3つのコツを意識すれば、文章の読み手が「想像しやすい、感情移入しやすい、分かりやすい」文章を書くことができますよ!

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