緊急事態宣言下の社会的養護を巣立った若者の現状
今回のクラウドファンディングは、Masterpiece×かものはしプロジェクト の協働プロジェクトです!かものはしさんがまとめてくださった緊急事態宣言下における社会的養護を巣立った若者の現状です。
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コロナ禍で国内外のあらゆる人々の生活に影響が生じている中、社会的養護を経験した若者たちにも深刻な影響が出ている。特に、経済的な困難さ、孤独さといった課題が顕著である。
社会的養護を経験をした多くの若者たちは、18歳になると、後ろ盾があまりない中で一人立ちが求められる。そして、過去の傷、実親との関係や社会からの理解不足などのハードシップを抱えた状態で、個々人で人間関係の構築や経済的自立などに向き合わざるを得ないという過酷な状況がある。
その状況に新型コロナウィルスの影響が拍車をかけ、若者たちをより困難な状況に追い詰めている。非正規など不安定な職種で、なんとか生活をしていた若者たちにとっては、緊急事態宣言を受けての、減収、もしくは職を失うリスクは深刻である。Masterpieceが2020年3月の緊急事態宣言を受けて行った第一回緊急支援時の対象者138名の若者のうち、コロナの影響で仕事を失ったのは4人に1人、それに加え、6割の人たちが仕事が減り収入減となったと回答している。
また、今般の緊急事態宣言(2021年1月)を受けて生じている、もしくは生じそうな影響を若者たちにアンケート調査したところ、7割強が仕事を失う、もしくは減収となるリスクを抱えていると回答した(n=18)。具体的には、飲食店でアルバイトをしている若者を中心に、シフトが減り困っているという声が多く寄せられた。さらに、公的支援の課題も前回に引き続き浮き彫りになっている。前回の緊急支援時にも、行政支援に親の同意が必要なものがあったり、学生では生活保護を受けられないなど、社会的養護出身の若者を想定した制度設計になっていないことが明らかになった。それに加え、今回は、前回の緊急事態宣言時と異なり、国や大学などからの支援や補助がより限定的になっていることから、今回の影響は一部の人たちにとって、より大きくなる可能性がある。
若者のアンケート調査からは、上記のような経済的な困難さに加え、孤独・孤立についての不安な声も寄せられた。「外出する機会が減ることや、人と会えなくなることがしんどい」「孤立で病む」と言った声があがった。いざとなった時に頼れる、気軽に会いに行ける実家、という存在がない若者にとって、ステイホームの影響は深刻であり、そのような中でも彼らとつながれる存在の重要性が高い。
上述の状況を踏まえ、Masterpieceは、2020年5~6月にクラウドファンディングにて527名から5,045,000円の支援を受け、138名の若者に対して2-5万円の給付と、65名以上に対して、食料送付を実施した。前回の緊急支援以降、継続的な食料送付とメルマガ等でのつながりの維持を行ってきた。今般、緊急事態宣言が再度発令されたことにより、飲食店で働く若者を中心に、再び深刻な状況が起こりうることを想定し、二度目の緊急支援の実施を計画している。
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