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親が変わるために何が必要か/じっと見つめること

5−10年の大きな問題のひとつは、"親が変わらないこと"です。

同時にこれは、大人が学ばなくなった社会の姿のことでもあります。

「学ぶことは変わること」だとすれば、「学ばないことは変わらないこと」だということでもあルのです。

では、この問題に直面して、親に何が必要なのか、について言及しておきます。

子育ての中で、親自身が変わるためには、何が必要なのか、何をすべきなのか。

それは、
「子をじっくりと見ること」です。


子をじっくり見て観察すること。時間をかけて。

裏を返せば、現代の子育てで欠けているのは「じっくりと見る」という動作なのですね。

多くの大人が子育てで、イライラしたり腹を立てたり、を続けてしまう要因だと言ってもいいでしょう。

現代の社会は、テクノロジーの進化に伴って、私たちから、じっくりと何かに向き合うこととその時間を奪いつつあります。

スマホの画面を落ち着きなくスワイプし続けることや、SNSへの反射で生きていること、わずかな時間の隙間をスマホのゲームで埋めること、ショート動画をただただ見続けること、は、それらの実例です。

じっくり物事に向き合い、何かを深める動作を、私たちは失っているのです。

見ていると思い込んでいるものは、物事の表面の部分ばかり。

見ているつもりでも、見ていないのです。

「子どもを見る」ということも同じです。

表面的な何かや、わかりやすく形があるものばかりに目を奪われてばかり。これでは、子どもを「じっと」見ることはできない。

ただでさえ、難しいのが人の心、人の内面ですから、たとえ一緒に暮らす我が子であっても、「見つめること」「知ること」は簡単ではありません。

だから、じっと見る、じっくりと見る、に力を注ぐ必要がある。

現代社会に生きる我々だからこそ、子育てにおいては、より注意深くいる必要があるのです。

典型的なのは、子どもの勉強や成績面です。

見た目の点数や順位、通知表の点や偏差値ばかりを気にしていると、子どもを見つめることなど到底できません。

目の前にいるこの子が、
本当に何を学ぼうとしているのか、
本当に何ができるようになったのか、
どんな意欲が伸び、どんな思考が伸び、
どんな成長をしようとしているのか、またはどんな成長をしたのか、
それらをじっくりと見つめる必要があるのです。

それらを「立ち止まってじっと見る」。

待つという時間の余裕を持った中で、じっくりと見る。観察する。

辛抱強く。何年も、です。


20年の間、数千人の子どもを見てきた実体験・経験的に感じているのは、「子どもの評価が点数」だけになった親御さんがこの5-10年で一気に増えたということ。そういう人が大半になった、という方がより適切かもしれません。

子育ての中で、一体、子どもの何を見ているんですか、と問いたい。
そう、改めてそのことを問いたいと思います。


あたなはもし誰かに、子どものことを聞かれたら、
「この子は数学が90点以上取れる子」と答えますか。

「英語は50点しか取れない子」と答えますか、それとも「宿題をなかなかやらずにイライラさせる子」と答えたいですか。

じっくり見つめることで見えてくるものがある。

それは、単なる点数や成績のことではないでしょう。

だから今、子育てで大事にしなければならないことは、意識して、「子どもをじっと見ること」なのです。時間的余裕を持って。

そして、これもまたわかりやすいのですが、そうした大人の態度によって、子どもは、よりよく学ぶことができるようになる。
のびのびと思い通りに学べるようになるのです。

逆説的ですが、
点数や成績に、瞬間湯沸かし沸騰機のように反応してしまう親御さんではなく、
じっくり子どもを見つめた親御さんのもとで生きる子が、結果として良い成績を取ってくるのです。


勉学に近道はない。

それどころか、回り道に見える道こそ真に近道であったりするのです。

子育てにおいても、じっくり時間をかけて子を見つめ続けるという膨大な時間がかかるような行為こそが、一番の近道であったりするわけです。


そして、いよいよそのことで、「親自身が変わる」のです。

じっくり見つめることで、新たな気づきが生まれる。
今まで気づかなかったことに気付いて、"ああ、これまで短所だと思っていた特徴は長所だった"というところに思いが至る。

多くのことが親である自分の思い込みだったと気づく。
そして、希望や願望が、自分の欲であったと気づく。

そうやって親が変わる。

親が成長する。

そのためにまずは「じっくりと子を見つめる」こと。

とても大切なことなのです。


(おわり)
FB投稿より


まなラボスクール(小中高)




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