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子どもの力を把握できていますか?/現代の子育ての課題と問いかけ

子どもたちの特性をしっかり見つめて、ある程度を把握した上で、関わっていく。


僕が現世代で大事にしていることなのですが、これは親御さんにも是非、取り組んでもらいたいところ。


特に、今の世代の特徴の一つは、万能タイプの子が、非常に少ないこと。


これは10年前以上に戻った時に、大きく変わった点です。
そして、大人が見誤りやすい点だと言っていいでしょう。


学習の力、だけでも、はっきりとみて取れる点です。
例えば、Aという学びの中に、A-1、A-2、A-3という要素があるとます。
従来であれば、A-1が理解できる子は、A-2も問題なく理解できるだろう、という、
似通った思考や力を試されると想定されるものであっても、それをうまく超えられない。

教え手の経験がある方はわかるかもしれませんが、これができると、これもできるはずなのに、あれ?なぜ?・・・という、ことが、頻繁に起こるのが今の世代の特徴とも言えます。


非認知の力の重要性は昨今叫ばれるところですが、まさにこの問題とも関連が深いでしょう。


ですから、これは学力以外の、生活だとか、コミュニケーションだとかいった、あらゆる領域に及びます。

昔でいう優等生タイプの子を想像するとわかります。
クラスに、割となんでもそつなくこなせるという子が一定数いて、そういう子がリーダーを任される。大人世代の皆さんは経験があるのではないでしょうか。


ところが、こういう子がほとんどいなくなった。

だから、彼ら、彼女らの特性を、最も、近い存在である親御さんが、長い子育てを通じて、把握していく必要があります。


そしてこれが、地域を見渡す時、現状で不足していると思う点です。



力が凸凹、ゲームなんかの主人公のパラメーターのようなものがあるとすれば、そのパラメーターが凸凹だと言うと、わかりやすいでしょうか。
間違って欲しくないのは、パラーメーターが凸凹なのは悪いことではないということです。
特に、この先、社会に出た際に、最も活躍できる子は、この凸凹を知った上で、得意な領域を限りなく伸ばせる子です。


では、何がまずいかと言うと、大人の側が、あれができるんだから、これもできるよね?とやってしまうこと。

これでできて当たり前よね?と、子どもを追い詰めてしまうのです。
それを続けていくと、得意なことも伸びなくなります。


何せ、できないことを追い続けようと、大人の側がさせてしまうからです。
せっかくの伸びるはずの力が伸ばせない。


この先の社会では致命的にすらなり得ます。

だから、子育てを通じて、じっくりそれを見極め、把握していくことが、
現代の子育てでは必須なのです。


実際に、親御さんと子どもたちをみていると、非常にここが弱いと感じることが増えてきました。



そして、親御さんの側の「わかっている」という思い込みも多く存在します。
思い込みを防ぐことは難しいわけですが、少し具体的なことをお伝えしておきましょう。

まずはその目安について。

それは、親子のコミュニケーションにおいて、子どもがどのくらい発言できているか?です。

親が一方的に話すだけ、だとか、指示命令ばかり、怒ってばかり、という場合、これはそもそも意思疎通ができていません。
意思疎通もできていないのに、子どもの特性の把握など不可能です。

同時に、一方通行になりやすい方は、そもそも、相手に対して勝手な決めつけをしてしまったり、思い込みをしてしまったりしやすいとも言えますから、やはり注意が必要です。


親子のコミュニケションで、子どもの発言が多くを占める、またはその逆か。
これが一つの目安です。


そしてもう一つ。


これは目安ではなく、注意してほしい点なのですが、
親(自分)以外のコミュニケーションの場面をできるだけ観察することです。


特性の把握には、観察眼が試されるわけですが、親子の関係はあくまでも身内という、最も近いものです。
子どもたちは、家庭の中だけで生きていくわけではありません。


そして外に出れば、必要な力や発揮する力も変わってきます。

コミュニティの中での役割や、そこでの振る舞いも異なるはずです。


ですから、家だけの姿をみて、それだけで決めつけない。
他者がいる場面をできるだけ共有し、その中での子をしっかりと観察してほしいと思います。

ご存知の通り、今、日本では、地域社会、地域の共同体はあまり機能していません。皆さんが難しいのは、意識をしないと、子どもたちの家庭以外の場所でのコミュニケーション、親以外の大人とのコミュニケーションの場面自体が少ないことにあります。できるだけ、別の場所ので、親以外の大人とのコミュニケーションを増やすことも大事ですので、そのことも付け加えておきますね。



子どもの特性を知る。


考えてみると当たり前なんですが、特徴や能力、得手不得手がわかっていないのに、どう向き合うかだとか、どんな子育てが良いか?なんてわかるはずもないのです。


自分の英語力を把握してないのに、英検突破を試みる、なんて、きっとしないでしょう?


思い込みや決めつけは、
親子の間で、大きな齟齬を生みます。


特性の強い子たちが登場してきた時代だからこそ、しっかりと子どもへの理解を深める必要があるのですね。

ぜひ、振り返って、そして、我が子と向き合ってみてください。


追伸
実はここに大きなヒントになる事柄があります。知識と言っていいでしょうか。
それは、発達障害について知ることです。

あなたの子が発達障害であるか否かが問題なのではありません。

そうではなく、発達障害の特性とその対処法を学んでいくことで、
人の能力や個性の凸凹、パラメーターの凸凹の対処が見えてくるのです。
(僕はこれは自治体にもっと働きかけて、子を持つ全ての親御さんの発達障害に関する学習機会の創出をすべきなのだと考えています)


追伸2
例えば僕はコーチングという専門的なスキルと、学習指導のスキルの両者で子どもたちをみてきています。なので、学習面だけでみても、この文字を書くときに間違えやすいとか、この計算するときに引っ掛かりやすいとか、そう言った細かいことを学習指導の中で把握していきます。これもやはり観察、なんですね。また、これらは学習以外にも及びますから、挨拶の声のトーンや表情、仕草、服装、所作振る舞い、と言ったもの、を見ながら子どもたちとのコミュニケーションを進めていくことになるのです。
結構、細かいんですよ。だから専門家な訳ですが、だから全国でも特別な指導ができるわけです。



(おわり)



ご興味のある方は、動画シリーズでも現代の子たちの特性についてお話をしていますので、どうぞ。





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本田篤嗣(Master Honda)
記事を気に入っていただけると幸いです。NPOまなびデザンラボの活動の支援に活用させていただきます。不登校および発達障害支援、学習支援など、教育を通じたまちづくりを行っています。