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お金の本質を考えたら眠れなくなった話。不安の正体と、本当に大切なこと

「お金の本質を考え始めると、なぜこんなにモヤモヤするのか?」
これが今回の率直な感想です。

だって、お金って生活の具体的なツールのはずなのに、突き詰めようとすると哲学的な領域にズブズブ入り込んでしまう――そんな厄介な存在ですよね。

しかしよく考えてみると、お金のモヤモヤって、「社会」「人生」「価値観」といった大テーマとも密接につながっています。

だからこそ、ビジネス哲学芸人(=僕)としては、いつも以上にワクワクしながら深堀りせずにはいられない。さあ、今回も一緒に「お金の本質」について探究してみましょう。


※この記事は、日米のIT業界で働く友人同士で対話したポッドキャストの内容を元に文章化しています。実際の音声へのリンクは最後に掲載しておきます。


お金はただの「価値交換の道具」である

「ありがとう」の数値化

お金とは何か――ひとことで言うなら、“価値をやりとりするための便利な仕組み” です。たとえば誰かがあなたを手助けしてくれたとき、あなたは「助かった! ありがとう!」と感じますよね。それこそが純粋な「価値」。

でも、その「ありがとう」を客観的に交換するために、昔の人は「米一俵で交換しよう」とか「じゃあ塩1袋でどう?」とか、いろいろやってきた。最終的に、「貨幣」という形に落ち着いたわけです。数値化されると便利ですから。

お金の額 = 価値のすべて?

問題は、お金という尺度が便利すぎるゆえに、いつの間にか「お金の額こそが価値のすべて」という思い込みが生まれやすいこと。「役に立った」「嬉しかった」という気持ちは、お金には換算しきれない部分も大きいのに、どうしても「いくら稼げた?」「いくら儲かるの?」で語られがちなんじゃないかと。

本来のお金の役割は、

  • 価値の交換をスムーズにする

  • 数値化しにくい価値をひとまず数値化して、やりとりしやすくする

これだけ。でもいつのまにか、そこに所有欲や不安を上乗せして、「もっと!もっと!」と求めてしまうのが人間の性(さが)。お金には、人間の欲望を増幅させる魔力があるようにも思えてきます。


お金と不安――「貯めないとヤバい」症候群?

「お金がないと…」という恐怖

今回の対話でも、何度か出てきたキーワードが“不安”です。「将来、稼げなくなったらどうしよう」「年金って本当に大丈夫なの?」など、経済的な先行きが見えにくいこの時代、確かに貯金を増やしておくことは大事に思えます。

しかし、行きすぎると「お金を持っていないと落ち着かない」「もっと増やさないと安心できない」と、ゴールのないマラソンがスタートしてしまう。お金は不安を和らげる力がある反面、不安をエンドレスにこじらせる力も持っているんですよね。

「儲けるのは悪?」――国や文化で違うお金観

面白いのが、国や文化によって「お金を儲けること」への評価がまるで違う点。

  • 日本:お金儲け=なんとなく後ろめたい

  • アメリカ:稼ぐ=素晴らしい! ビジネスで成功した人はヒーローだ

  • 中国:家(不動産)への投資が最強

…などなど。どれも一理あるんですが、結局は「お金がある=幸せ」ではなく、「お金をどう役立てるか」が大事なのは共通しています。

稼ぐこと自体がゴールではなく、どんな未来や生活を実現するためにお金を使うのか。その視点が抜け落ちると、結局「もっとお金が欲しい!理由は…なんとなく不安!」という堂々巡りにハマってしまうのかもしれません。


「物質的な欠乏」から解放された若い世代

車もお酒も、なくても別にいいや?

最近よく言われる「若者の○○離れ」。車離れ、お酒離れ、旅行離れ…なかには「そもそも大きいモノを欲しがらなくなった」という指摘も。もちろん若者みんながそうというわけじゃないでしょうが、少なくとも「欲しいモノはそこまで多くない」「無理に買わなくても満足」という層が確実に増えているのは感じます。

これは社会全体が以前より“物質的には”満たされているからこそ。SNSやYouTubeなど、安価もしくは無料で楽しめるコンテンツが山ほどある。もはや「家電三種の神器」みたいなものを揃えなきゃ一人前じゃない、なんて価値観は崩壊しています。

「お金のために無理して稼ぐ」が古くなる?

消費欲がそこまで強くない人は、「そこまでお金要らないんじゃ?」という発想になりがちです。先輩世代が「バリバリ稼がないと!」と声高に言っても、「いや、自分はそこまで物欲ないし…」と冷めた目で見る若者も多い。
ある意味、「お金に踊らされない」生き方が広がりつつあるのかもしれません。「最低限の生活ができればOK。あとは楽しくやれればいいや」みたいな考え方は、実はとても合理的です。


お金より大事?「時間」と「多様な価値観」

お金より貴重な「時間」

AIやインターネットで、情報や娯楽はほぼ無限・ほぼタダで手に入る時代。すると、いちばんの希少資源は「時間」になりますよね。

  • 1日24時間しかない

  • 自分が本当にやりたいことに使える時間は限られている

  • たくさん稼いでも、忙しすぎて時間ゼロなら本末転倒

そこで最近登場したのが「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉。お金のコスパよりも、「この時間、もっと違うことに使えたのに…」と後悔する人が増えているわけです。「そもそも焦って消費しなくていいんじゃない?」という流れが生まれるのも納得です。

多様な価値観の時代

SNSやオンラインコミュニティの普及もあって、昔みたいに「これ持ってないとダメ」みたいな同調圧力はどんどん薄れているように思えます。いろんな生き方や趣味をシェアし合い、「自分はこういう世界観で生きてるから大丈夫」という価値基準が増えた。

だから、みんなが同じモノやサービスを欲しがらない分、「お金が必要な場面」も多様化。人によってはガッツリ稼ぐ必要があるかもしれないけど、別の人にとってはそこまで必要ないかもしれない。それでいいんです。


お金に縛られないために——“人生の軸”は増やそう

お金は生きていくうえで大事な道具ですが、そこに人生の軸を一本化すると、どうしても「金額の上下」で心が揺さぶられやすくなります。

じゃあどうすればいいのか?
対話を通して見えてきたのは、お金以外の軸を増やすということでした。

  1. お金は道具と自覚する

    • 便利だけど、それ自体をゴールにしない

    • 何を実現するための「ツール」なのかを常に意識する

  2. 不安と上手に付き合う

    • お金がないと不安…はわかる

    • でも、“お金しか安心材料がない状態”を脱するには、スキルやコミュニティなど“別の安心材料”を育むのも大事

  3. 時間や体験を重視する

    • 「どれだけ稼ぐか」より「どんな過ごし方をするか」

    • 忙しすぎる&疲れすぎると、お金があっても楽しむ暇がない

  4. 価値観の多様性を認める

    • みんな違ってみんないい(←金子みすゞ的発想)

    • “普通”や“当たり前”からハミ出したって、別にいいじゃない

  5. 自分の“好き”や“得意”を育てる

    • お金で測れない価値を持つと、人生はもっと豊かになる

    • 趣味やコミュニティ活動だって、一つの立派な“軸”


まとめ:お金は“人生のすべて”でも“悪魔”でもない

  • お金は「価値交換の便利ツール」。でもそこに欲望や不安を投影しすぎてしまうのが人間

  • 「儲けること=目的」と考えると、果てしない不安や比較地獄に陥るリスク大

  • 物質的に満たされやすい時代だからこそ、「時間」や「体験」「仲間とのつながり」といった、お金じゃ買えない価値がクローズアップされている

  • 多様な価値観を認め、人生の軸を複数持っておくことで、お金に振り回されない安心感が得られる

「お金がないよりは、あるほうがいい」というのは、そりゃ皆が心の底で思っていること。でも「あればあるほど無制限に幸せになるか」というと、それはまた別の話です。実際、どれだけの資産を持っていても不安が消えない人だっているわけです。

お金が便利な道具であることは確か。でも、それを主役に据えるか脇役にするかは、僕たち次第。「自分にとって、お金は何を実現するためのサポーターなのか?」という問いを持っていると、お金に支配されるのではなく、お金を使いこなす感覚になれます。

モヤモヤしやすいテーマだからこそ、人生を豊かにするヒントもいっぱい詰まっている――それがお金の不思議なところ。次に「もっと稼がなきゃ」「節約しなきゃ」と焦りそうになったら、ちょっとだけ立ち止まってみてください。「そもそも何をしたくてお金を稼ぎたいんだっけ?」と自分に問いかけるだけでも、少し景色が変わってくるはずです。

では、今日もお互い、お金が必要なところには上手に使いつつ、お金以外の楽しみもしっかり味わっていきましょう。結局、笑い話をシェアしたり、一緒に何かを作り上げたりするときの“ワクワク”は、お金じゃ買えませんからね!

さあ、お金の真の“本質”を知って、もっと自由になりましょう。あなたにとって、お金は何のために存在していると思いますか? その答えを探す旅こそが、きっと最強の“お金活用術”になるんじゃないでしょうか。


こちらの記事の、元となった対話音声はこちら↓


白米FMとは?

日米のIT業界で働く小学校からの友人2人が、最新トレンドから古の哲学思想まで気ままに語り合う人文知系雑談ラジオ。

コテンラジオ、超相対性理論、a scope等に影響を受け、一緒に考えたくなるような「問い」と、台本のない即興性の中で着地点の読めない展開が推しポイントです。

移り変わりの速い時代だからこそ、あえて立ち止まり疑ってみたい人。
他者の視点や経験を通して、物事に新しい意味づけや解釈を与えてみたい人。
自分の認知や行動を書き換えて、より良く生きる方法を一緒に探求しましょう。

※ポッドキャストの文字起こし版へのリンクはこちら(LISTEN)

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