
「価値って何?」を考え始めたら、お金、仕事、そして“神”の話になった件
「価値って何だろう?」
――この問いを言葉にすると、なんだか一瞬で哲学モードに突入しちゃうんですよね。でも同時に、日々の仕事や生活の中でもめちゃくちゃ身近なテーマだとも思うわけです。
僕たちは常に「コレ欲しい」「アレいいな」「あの人のやってることスゴい」と感じながら生きていて、そこにはいつも“価値”という見えないレイヤーが絡んでいる。だからこそ、ビジネス哲学芸人(=僕)がこのテーマにツッコミを入れないわけにはいかない!
今回は、前回の「お金の本質を考える」対話のリベンジ編として、自然と浮かび上がった“価値”について深堀りしました。経済学的な話から、“神”や“宗教”にまで飛躍しちゃったディープトークを、この記事でギュッとまとめます。ぜひ最後までお付き合いください。
※この記事は、日米のIT業界で働く友人同士で対話したポッドキャストの内容を元に文章化しています。実際の音声へのリンクは最後に掲載しておきます。
「価値」は労働や効用だけで測れるのか?
労働価値説 vs. 効用価値説
経済学では「価値」をどう捉えるかについて、昔から論争があります。
労働価値説:モノやサービスの価値は、それを作るのに投入された労働量で決まる
効用価値説:人々が感じる“役に立つ”度合い(効用)が価値を決める
モノやサービスによっては、みっちり汗水流して作ったのに「誰も欲しがらない」せいで価値ゼロ…なんてこともあれば、たいした労力がかかっていなくても「超便利!」と人気が出て価値が上がるケースもある。
つまり、「価値=労働量」で一括りにはできないし、需要や効用だけで判断しても漏れが出る」というややこしさがあるわけです。
お金の“値付け”と本質的な価値の乖離
さらに厄介なのが、お金の世界では「時間や労力」がベースになっているようで、実はマーケティングやブランディングの力で“価格”が吹っ飛んでいく場合もあること。
労力とは関係なく、SNSでバズって一気に高値がつく
有名人の一言で商品の価値が暴騰する
こうなると、「これ、そんな価値あるの?」と首をかしげながら買われたり売られたりする…。現代は「効用」にプラスして“ブランド力”や“希少性”が加わるなど、多重構造が絡んでいるから混乱が生まれるんでしょうね。
お金に振り回されるのは“価値”を見失っているから?
「お金=価値そのもの」と勘違いする罠
前回の対話から再び浮上したのは、「お金ってホントは交換の道具なのに、いつしか目的化されちゃうよね」という話。たしかに、「とりあえず儲かるから」「とりあえず給料が高いから」と働き始めたものの、いつの間にか「これが自分のやりたいことだっけ?」と疑問を抱く人、結構いますよね。
「稼げてるのに、なぜかモヤモヤする…」
「お金にはなるけど、心の底から“これだ!”と思えない…」
こんな状態になると、仕事のモチベーションを保つのが大変ですよね。
お金はあくまで手段であって、その先にある「本当に提供したい価値」「自分が良いと感じること」が曖昧だと、どうしても迷走しやすい。
“本当に欲しいもの”を見失う怖さ
僕たちの対話でも、「周りに求められてるし、需要があるから自分が続けている仕事。だけどそれが本当にやりたいわけではない」という体験談が出ました。「社会が求めている」=「自分もそれをやりたい」 では必ずしもない、ということ。
結局、自分の中で“価値観”がハッキリしていないと、どれだけ外からお金や需要が入ってきても満たされない。むしろ、「なんでこんなに恵まれてるのに虚しいんだろう?」と自己嫌悪に陥りやすいわけです。
「価値を見極める」力はどう育む?
では、“本当に大切な価値”をどう見つけるのか? ここがまさに、みんなが知りたいポイントかもしれません。対話で出たヒントを3つに絞ってご紹介。
1)観点を増やし、相対化する
歴史を学ぶ:偉人の二面性や、時代・社会構造を見ると、現在の価値観が相対化される。
海外の事例を見る:自分たちの“当たり前”が、実は当たり前じゃないと気づける。
他者のストーリーに触れる:自分と違う価値観で生きている人のエピソードを聞くと、新しい視点が生まれる。
世の中って不思議なもので、「一つの物差ししかないと苦しくなる」ものです。だからこそ、複数の視点を持てば「これでいいんだ!」と納得できるポイントが増えていく。
2)“交換”だけが価値じゃないと知る
資本主義の世界は「お金になる」「交換できる」モノやサービスがフィーチャーされがち。でも実は、お金が介在しなくても大きな価値を生み出す活動は山ほどある。
友達同士の雑談や対話(→学びや気づきが得られる)
ボランティアやコミュニティ活動(→仲間との絆や貢献感)
趣味やクリエイティブな発信(→自己表現や新しいアイデア)
「これ、儲からないから損かも…」と切り捨てる前に、「実はここにしかない価値があるんじゃないか?」と目を向けると、人生の楽しみ方が何倍にも広がります。
3)“使い方”にも注目する
稼ぐことばかりに目が行きがちですが、実は「お金をどう使うか」も価値判断の大事な要素。
会社経営なら、どんな人やサービスに投資するかで組織の強みが変わる
個人なら、自分が「これが価値ある!」と思うものにお金(や時間)を投じられるかどうかで、生活の満足度が決まる
稼いだお金を“何に変えるのか”、そこを意識できると、ただ数字を追いかけるだけより、ずっと豊かな選択肢が見えてくるはずです。
なぜ“神”や“宗教”の視点が出てきたのか?
今回の対話では、最後になぜか宗教や神の話題に発展しました。でも、これは決して唐突な方向転換ではありません。“世の中をどう解釈するか” は、実は価値観の根幹だから。
「この出来事は単に不運なのか? それとも必要な意味があって起こったのか?」
「予想外のアクシデントがあったけど、これを次につなげるには?」
宗教的なフレームワークは、「起こることすべてに意味がある」と前向きに捉えたり、自分を超えた存在(神など)の意図を仮定してみたりする。これも“価値”を多次元化する一つの方法だというわけです。
まとめ:もっと自由に“価値”を描こう!
価値は「お金」で完全に測れない
「労働価値説」「効用価値説」どちらも正しさと不完全さがある
お金の世界に取り込まれすぎると、本当に欲しいものを見失いやすい
「儲かるけどやりたくない仕事」に縛られるパターン
自分が良いと思える価値を提供できないと、モヤモヤが残る
多次元的な視点を持つと、“本当の価値”が浮かび上がる
歴史や海外事例、他者の人生など、いろんな切り口で相対化する
“交換”や“お金”にならない活動にも目を向ける
使い方、投資の仕方を工夫すれば、稼ぐ以上の可能性が広がる
「何にお金や時間を注ぐか」が人生の質を左右する
結局、「価値」って一言では言い表しにくい。でも、同時に人生の至るところに散りばめられています。場合によっては、宗教や哲学の視点を導入することで、「あぁ、自分はここに価値を感じるから大事にしたいんだな」と腹落ちする瞬間もあるでしょう。
最後に、あえて問いかけてみます。
あなたにとって“価値”とは何でしょうか?
もしも一つの軸や物差しだけで測っているなら、もう一本、別の軸を足してみたらどうなるでしょうか? 思わぬ発見や選択肢が広がるかもしれません。
僕たちの社会は資本主義が大前提として動いています。
でも、それがすべてじゃない。お金はあくまで一つの手段であって、世の中には測りきれない価値がいっぱい転がっています。そこに意識を向けると、人生は驚くほど自由になる。
是非、あなたも「価値の多次元化」を楽しんでみてください。
何か少しだけ息苦しさが和らぎ、新しい風景が見えてくるはずです。
きっとそれこそが、今回の対話を通して得られた“最大の価値”じゃないかな――なんて思っています。
こちらの記事の、元となった対話音声はこちら↓
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