「ウェルビーイングってなんやねん!?」そう思ってた僕が、行動したら世界が変わった話
「ウェルビーイングって最近よく聞くけど、いったい何なんだよ…?」
――これが、僕が最初に感じた率直な疑問でした。
ですが、いろいろと調べたり、友人と語り合ったりするうちに気づいたのです。どうやら「ウェルビーイング」は、ふわふわとした理想論ではなく、「自分たちにとっての“よい状態”を問い続け、それを実現するために行動する」という、わりと筋肉質なプロセスを指しているのではないか、と。
本記事では、「ウェルビーイングってなんやねん!」とツッコミを入れながら、対談やマズローの欲求5段階説、そして“Well-doing”の考え方を絡めつつ、僕なりの見解をシェアしてみたいと思います。
「抽象的なキレイごとで終わらせたくない!」という方には、きっとヒントになるはず。ぜひお付き合いください。
※この記事は、日米のIT業界で働く友人同士で対話したポッドキャストの内容を元に文章化しています。実際の音声へのリンクは最後に掲載しておきます。
ウェルビーイングは、マズローの5段階欲求に通ずる“総合的な良い状態”?
ウェルビーイングについて調べると、よく出てくるキーワードがありました。
身体的・精神的な健康
社会的に良好な人間関係
経済的な安定と適正な報酬
自己実現や成長
どこかで聞いたことがある要素ばかりだな…と思ったら、やっぱり「マズローの欲求5段階説」にピタリと重なるわけです。
つまり、僕たちは「生理的欲求や安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求」が満たされてこそ、心も体も満たされた“良い状態”に近づいていくということ。
しかし、一見「自分は満たされているだろう」と思っていても、現代社会では予想外のリスクや断絶が起きることがあるものですよね。たとえば、SNSでの誹謗中傷に傷ついたり、急な経済的なトラブルに直面したり…。
そんなとき、「あれ、もしかして自分はそんなに満たされてなかった…?」と気づくこともありますよね。
これが、ウェルビーイングとマズローの説を“同じ構図”として語りにくい理由でもあります。人間の欲求は必ずしもキレイに段階を踏むわけではない。いろいろなレイヤーが行ったり来たりするものなんですよね。
「Well-being」と言われてもピンとこない理由
各企業や政府が「ウェルビーイングが大事だ!」と掲げるようになりました。でも正直、「ふーん、で、具体的には何をすればいいんだろう?」と首をかしげる人は多いと思います。
“良い状態”って、誰にとっての“良い”なんだ?
国や会社が掲げるそれと、自分自身の感覚はどう繋がるの?
そもそも、実現するために具体的に何をすればいいの?
これらの疑問が生じるのは、ウェルビーイングがまだまだ概念的で、行動に落とし込むステップがわかりにくいから。
やることがわからないまま、「なんかいいらしい」と言われても、「それって企業がイメージ戦略で言ってるだけじゃないの?」と、どこかうさん臭く感じてしまう。実は僕も最初はその一人でした。
「ウェルビーイングですか? 僕たち日本人が江戸時代からずっと大事にしてきた“おもてなし”みたいな感じですかね…?」などと、ピンとこなかった経験があります。
「Well-doing」あってこその「Well-being」
ここで登場するのが、対談の中でも盛り上がった「Well-doing」というキーワード。
Being = 「~である状態」
Doing = 「行動すること」
企業が掲げるビジョンやミッションも、なぜそれを目指すのか(Why) や達成したい状態(What) は示されますが、具体的な実行策(How)は個人やチームに任せられることが多いですよね。
自分の裁量で考えて動くほうがモチベーションが上がるし、個性も活かしやすいからです。
ウェルビーイングも同じで、「理想の“良い状態”を話し合う → そこに至るための行動をそれぞれが試行錯誤する」プロセスこそ重要だ、というわけです。
いきなり「幸せになりましょう!」と言われてもピンときませんが、「こういう行動をしてみたら、ちょっと楽しかった」とか、「こんな習慣が自分には合っていた」とか、そういう具体的な行動から少しずつ“良い状態”に近づけていく感覚は得やすいですよね。
他者とのつながりとアウトプットが生むブレイクスルー
ところで、僕も「自分は本当に満たされているのだろうか…?」と迷走することがありました。
そういうときに効果抜群だったのが、アウトプット することです。
一人で情報収集(インプット)ばかりしていると、ある段階で停滞感が生まれる
誰かと話したり(対話)、SNSやブログなどで発信したり(発信・共有)、あるいは何かを一緒に作りあげたり(協働)すると、思いもよらないフィードバックやアイデアが得られる
それを続けると「もっとやってみたい」「新しいことにも挑戦したい」となり、自然と行動量が増えていく。
これが“良質なフィードバックのループ”とでも呼べるサイクルを生み、さらに満足感を高め、自己実現への手応えを育ててくれるんですよね。
大切なのは、一歩踏み出すハードルを思い切って下げることです。
完璧なアウトプットじゃなくても大丈夫。
たとえば、「気になる勉強会に出てみた」「SNSに軽く日々の感想を書いてみた」「仲間を誘って小さなプロジェクトを立ち上げてみた」。そんな小さな行動の積み重ねが、いつの間にか大きな変化につながるものです。
ウェルビーイングは「ゴール」じゃなくて「プロセス」
さまざまな議論を経て、「ウェルビーイングは最終目的地じゃなく、常に変化し続けるプロセスなんだな」という考えに至りました。
なぜなら、人によって“良い状態”は違うし、同じ人でも時期や状況でコロコロ変わるからです。
みんなで“良い状態”を対話して、言語化してみる
そこに向かうための具体的行動(Well-doing)を考え、実行してみる
実行結果をフィードバックし合いながら、状態や行動をアップデートする
このサイクルを回し続けるうちに、いつの間にか自分や周囲の人間関係がポジティブに変化していく。
もしかすると、これ自体がウェルビーイングの本質なのではないでしょうか。
まとめ: 「“なんかパッとしない”ときこそ、誰かに話してみる。小さくアウトプットしてみる。」
ウェルビーイング は、マズローの欲求5段階説と同じく「総合的に良い状態」を指す
でも、抽象度が高くてピンとこない…そこで「Well-beingに至るにはWell-doingが必要」という視点が大事
自己実現感や幸福感を高めるには、インプットよりも「アウトプットによるフィードバックのループ」がめちゃくちゃ効果的
ウェルビーイングを何かのゴールと決めつけるのではなく、「自分がどうありたいか」を都度言葉にし、行動し、また更新していくプロセスこそ大切
誰だって、日々の生活や仕事の中で「なんかイマイチ、やる気が湧かない」「ちょっとモヤモヤする…」と思うことがあるはず。そんなときこそ、ぜひ試してみてください。誰かに軽く相談してみたり、SNSやブログなどで感じていることを書いてみたりする。
すると、思わぬアドバイスや共感、アイデアが返ってきて、ガラッと視界が開ける瞬間があるかもしれません。
「ウェルビーイングへの道のり」は人それぞれ違います。だからこそ、自分自身やチームで「どんな状態が理想なんだろう?」と言葉にして、そこに近づくアクションを繰り返し試す。
ちょっとした行動をきっかけに、「あ、こうすると案外楽しいかも」といった気づきが生まれるはずです。
さて、あなたにとってのウェルビーイングはどんなイメージですか?
「企業のスローガンだから…」とハードルを上げず、まずはあなた流の“ウェルビーイング”を発見する小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
少なくとも僕は、こうして記事を書くことで、また一つアウトプットができて、みなさんからの声を楽しみにしているところです。これこそが、僕にとってのウェルビーイングのプロセスなのです。
さあ、今日も一緒に“Well-doing”していきましょう!
こちらの記事の、元となった対話音声はこちら↓
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※ポッドキャストの文字起こし版へのリンクはこちら(LISTEN)