主題:アクションもの(ジャンル問わず) 「黒という少女の未完の軌跡」Vol.2
少女”クロ”(通称)を主体とした作品群 の設定
前回同様、スターシステムの一環で考案された設定案の数々の纏め。
更新は古くて2012年~2018年(2015年からは空白期間)
 ̄― ̄が別のtxtへの遷移を示す
―
#最終形
=登場人物=
☆ノエン・フェオ
かつて西端紛争を終結させたという伝説の黒衣の少女を彷彿とさせる少女。
戦術機関の実験で絶対的生存可能性、ポテンシャル・イレギュラー(PI)に目覚め
危機を回避する能力に長けている。
★ルシア・セレスタイン 【緑眼のサンタルシア】
緑色の目をした少女。降魔の日によって呪いを受けた一人で、
呪いに関係する赤き眼を持つ男を捜している。
呪いの所為か、ある特殊条件下においては一時的に左目だけ黄金の瞳に変わる。
当初はドレッドを目的の男と思い込んでいたが後に、
十字教派の主教であったルベウスがその男だと判明する。
~異端商会~
△霜夜漣
○キーリア・メル・ハウエル
○ロサード・グライス
▽暗条弓弦
◇ベアリッド・ドレーン
◇ドレッド・バージ
◇ラプス・レイター
北方領土の現領主。
~教会(教団)勢力~
元々は西方の聖都セントエルマを拠点とする宗教団体(十字教派)だったが
現在は中央都市で活動する。方術を編み出したことで奇跡を体現し、
各地で信仰を集めた結果、大国を揺るがすほどの巨大な宗教組織へと成長した。
◇カーディナル
教会の枢機卿。教皇の右腕的存在で実力名聞共に最高峰。
◆ヘイズ
■ティスア・マグダレン
■クレアリス・マルシウス
■ラバルム・アリクス
◆クラッド・フォール
△フムル・アリフ
□マリウス・エーデルヴァイト
△ワシリー・フォマ
△ヴァイナス・ゼフィール
▲ハザック・ドーン
△カヴォッド
△ネフマッド・シュモネー
□レサト
□スアード
□ノエティア
□ジール・ラズワルド
□シャノア・アルベール
■ヴィロン
□バーンスタイン
▽クルセイヴィア・マルシウス
▽アルマリー
△ルキウス
十字教派崩壊直後に現在の教会へ推移するまでの短い間、
ルベウスと同位の称号として教皇が認めた只一人が名乗ることを許された。
新体制となった今では廃止されたがルキウスであった人物は
尚も西方諸国に移り住み、健在である。
▲ルベウス
十字教派時代のカーディナル(枢機卿)に代わる称号。
主教を意味し、教皇の次位に権限が高かった。
現在のルベウスは空席ではあるが、後継的には
カーディナル(アイビス・ロート)の養父、オーバーン・ロートである。
◇プリマート
大主教或いは主教を意味する称号。実際は教皇そのものである。
▽ロートマン
▽ラフィアン
▽レクトール
~中央都市関連人物~
□ヘーン・アニシュ
□エニュオ・アレクト
▽ヘリエ・アイグレー
△アマランス
□オーカー・ノウェム
△ウェイル・ウィアード
■イグノア・スライト
△モルデン・パーリアル
□鬼部真人
▽ジェイムズ・オルブライト
-特殊対策機構-
央都でV9主導の下、発足された警察組織。
○名瀬殿
○数藤巻子
△潟辺修一朗
◇和辺道徳
▽高部久利
▽小芝大徳
▽矢逆早太
▽三野晃
▽春山終夜
▽倉重冬美
-地方警備隊-
主に中央都市に隣接する都市に配備される警備隊。国家の為の警備部隊というより
民間の自警団の意味合いが強いがその大本は対策機構に帰属する。
○後城俊次
○臣月一太郎
○雨月宗司
~西方諸国関連人物~
数ある大国が連合してできた連盟国家。また、一体となるその国々の総称。
◇アイスト・マイター
■ウィリアム・グレン・ジョーカー
▽フィリックス・ファマー
△アルテュール・ホワイツ
◆クライズ・ルイナー
■マークス・シャープ
●アリアス・スウォード
▽ネイトニッキー
~北東列国関連人物~
北東列国とあるが、北国の地域は少なく
未開である北方領土に接触しない領域内で構成され、東方の国家群が大数。
□炎陽
□陽氷
□黒煙
■艮巽
●ウィザー
●サワード
■蒼深煙
▼蓮雪
△天部玄黄
生まれてすぐに文字を読み解き、不思議な力を持っていた神に等しい人物。
余命僅かの老人を多少だが存命させるなど彼の周りでは"奇跡"が頻発した。
それにより天が使わした神の代行者とされ、崇められたが
反対に強大な力の暴走を恐れて、人々を遠ざけるようになった。
やがて彼自身が死に瀕した時、不死を願って祈りを込めた。
その際に永遠に生き続けなければならない宿命を受け、
奇跡の力は日増しに強くなった。それから、強過ぎる力を分散する為に
"智慧"のある者に託し、方術を布教する使命に駆られ
放浪の旅の最中、出会った三人の弟子を育てる。
その中には後に教皇となる者もいた。そして、最高指導者として
修道院を創設すると教祖となるが、弟子の一人を後任とし、
天部は消息を絶つ。十字教派の初代教皇であるが当時は教会の概念も希薄で、
方術も自らの命を永らえさせる為に完成させた私欲によるものだった。
天部が方術を布教しようとしたのはエマージュの出現を予知してのことで、
方術の奇跡の力が戦闘に用いられるようになったのも
エマージュに対抗する術であるから。(決して便利な力ではない)
その後、央都が完成し、北東列国連盟が勢力を拡大させると
導師として連盟を率いる立場になる。それには故国を憂う元統領の
再三に及ぶ説得に影響されたこともあったが時代の変わり目を
実感したことで再び表舞台へ舞い戻った。早熟であった天部は
若くして命の危機に陥り、方術によって生きているが
死ぬ間際の齢で止まっている為、見掛け上は若い。
~テロリストたち~
西方のある地域で革命運動を続けるレジスタンスや
反政府の気質の強いテロリストの集団。互いの関係性は薄いが
利害が一致すれば合同して決起することも多々ある。
■ヴェスパー
□ブルーイッシュ
●ジルヴェス・デイクロア
~その他~
◆フォーン・ソレル
あらゆる事象を観察する傍観者。央都でベネラブルナインの側に付き、
教会の動向を探り、時には非常連絡員として動く謎の多い人物。
傍観者である以上、直接手を下すことはないが陰ながら
組織を掻き回し、敵味方問わずある意味では厄介な存在でもある。
神出鬼没でエマージュの現出に似た特殊な力で空間を跳躍できる。
●シャムロック・シャルトリューズ
■サベージ・タスト
バーテックス社と繋がりのある武器商人。
近代の軍需産業の90%を占めるバーテックス社の仲介者として
様々な武器を密売等している。
異端商会の漣とは何かと任務上で遭遇し目の敵にしている。
~ノースリッドの住民~
中央都市の中で隔離されるように区分された北側の領域、ノースリッド。
そこに住む住民は中央区やアースリーが西方であるならば
東国出身の移民者が多い。表向きは文化的な差異による混乱を防ぐ為に
央都内において隔てれているが実際は地域性の管理を向上させる処置である。
しかしながらアースリーの生活水準に比べると充足しており住民の不満も少ない。
また、一般的な学校が存在するなど中央大陸上でも異色の社会が成り立っている。
-徘徊する者達-
●猩紅
■虚魑魅
~堂奥修道院~
■中神大道
○寄絃鳴弦
弓弦の義父。以前は兄弟子である中神と共に修道院で東の一党に就き、
神道を極めんとしていた。神道の儀礼的な用法で心技の頂に達した中神とは
対照的に呪術に類する霊妙な術を修めた。
殊に結界などに関しては右に出る者はいない。
中神が去った後、瓦解した修道院を後継者に任せ、ノースリッドの
神社に隠居する。それから修道院とは関わりを持たなくなったが
弓弦の帰省をきっかけにノースリッドの不穏を察知して修道院へ帰参する。
△エルディン・マルシウス
クレアリス、クルセイヴィアの父。修道院では西方の教えを説き、
師範としての地位を確立している。温厚であり、争いを好まないが
家名に傷を付く事に極端に過敏でクレアリスの反乱で責を問われることを恐れた為に
修道院を閉鎖し、地下の神殿に立て篭もった。
~エマージュ~
●黝簾
エマージュを招く尖兵。見た目は可愛らしい少年だがエマージュを生み出す
無の空間と闇の理を操り、非常に危険。
■イネイン
自我を失わずにエマージュと融合を果たした異能型現人。
□セリカ
高度な知性を持った情報型現人。プログラムデータとして自己を原子分解でき、
情報端末などに直接侵入することができる。その為か、機械を通して
会話を行うことが多く 実在し、自我のあるエマージュというよりは
人間と同等なAIというべき存在である。
~戦術機関~
◆マレット・ヴェア
●クインクエ
●ベルギア
◇エクレシア
黒衣の少女。
<エマージュ>
現れ出でるもの。万象の空間に干渉し、突如現れては消滅と出現を繰り返し
人間の行動を観察する。基本的には無害だが、人々の精神にある
負の因子に引き寄せられやすく寄生するように接触し心を喰らう。
そして宿主を吸収したエマージュは現人を生じ、人間に成り代わって生活する。
高次の状態である現人と同様に実体を持たない"無"の存在だが
種を繁栄させようとする行動から、生命体の一種であると考えられている。
<現人(うつつびと)>
エマージュが人を成して現れた存在。通常の人間と同様の構造を持った同位体で
構成され姿形だけでなく人のように人格も備わる。但し、その本質は虚無であり
実体を持たない幽霊のような状態に止まる。
自らの属性と同質の物体などに干渉することができる。
元々は普通の人間がエマージュに吸収される過程で生まれるが
大抵の場合は、そのエマージュに精神を乗っ取られてしまう。
<中央計画>
一つの大国による統治を推進する一国主義の理念の下、
すべての首府、第二首都として建都する計画。
<ポータル亡失事件>
央都を建都する中央計画の初期段階として、試験的に建国した
中央の小都市"ポータル" 多国の交通を管理する玄関口となったが
原初のエマージュが出現したことで数週間も経たずポータルは消滅した。
居住者は限定されていたため、被害は最小であったが
原因は特定できず世にも奇妙な出来事として歴史の闇に隠れた。
―
v1.1~1.2/1.3
-Main Character-
[ノエン・フェオ]―黒衣の再来
非公式のエージェント。
仲介機関の依頼要請によって主に央都の関連事件を担当する。
/
服装:濃青色のジーンズ
[キーリア・メル・ハウエル]―欠番の神秘
神託の神子。聖女を継ぐ者として教皇が追い求める。
/登場:アースリー編
[マレット・ヴェア]―番いの暗殺者
ノエンに酷似した黒い少女。ノエンと瓜二つの容姿であるが、
服装は反対に白を基調とする。
/登場:亡霊編
サベージに雇われ、ノエンの最初の標的(一話)を暗殺した。
[ベアリッド・ドレーン]―水沫の魔女
異世界で出会った水の魔術を使いこなす女。実際は、ノエン同様に
現実からエマージュの痕跡によって異界に辿り着いた。
魔法騎士団との対立でノエンに協力した後、
ノエンの帰還時に密かに同行し、現実世界へと戻る。
異界では(覚えたての)魔法を駆使していたが現実世界では使えないので
淵源師範に師事し、水のボトルを使い分けて繊細な方術を扱う。
/登場:連続失踪事件編
V9の命令でノエンを襲うが手違いだと分かり、退散。
その後ヴィロンによる多重結界で彷徨っていたノエンを
図らずとも救出し、一時共闘する。
[ドレッド・バージ]―深淵の畏怖
エマージュが最初に関与したとされる事件"ポータル亡失事件"で
現場に居合わせたことで独房に入れられていた。その後の調査で
未確定犯罪として扱われたが、エマージュの存在を肯定する者達によって
罪を被せられ、終身刑となりダストプリズンに収監される。
鬼部の手引きでダストプリズンへ突入した際に
ロサードが誤って爆破した壁から脱獄した。
/登場:不可視の災厄編
PIを除き、唯一生身でエマージュと渡り合える存在。
囚人番号6110。
[ラプス・レイター]―滅絶の零
エマージュを目視できるオッドアイの少女。
常に高圧的な口調だが最後は丁寧語になる。
北方の魔女たらしい謂れは彼女が幼少期から身に付いていた異能による。
それは方術とも外術とも似て非なるものでエマージュの特異性に類似する。
母の遺言でドルトマンから与えられた北地(元々が一族の領地)を
大切に守る事を誓い、無断で足を踏み入れた者には容赦なく"滅失"が訪れる。
/登場:タワー編/基調:紫黒
-Enemy Side-
[ヘイズ]―霧中の殺意
教会一派であるマグダレン教派の執行教徒。
地下鉄の無人列車事件を発端にノエンと接触し、以降幾度も交戦する。
/
マグダレン教派に属するが忠誠心は皆無で独自の行動を取ることが多い。
[黝簾]―邪心の胎動
エマージュと対話し、使役する傍観者。イネインを主と崇拝する。
/
[カーディナル]―炎熱の脅威
教会勢力の枢機卿。かつての戦跡は大国を一夜で討ち滅ぼしたとされ、
畏怖の対象であるがその階位から現在は前線に赴くことが滅多にない。
教皇から随一の信頼を受けており、実力、名声共に最高位。
普段は強力すぎる力故に教皇から封印されている"十二紅"の能力を発揮すると
アイストの最大凍結方術すら瞬く間に融解、蒸発、霧散する。
/
本名は不明だがカーディナル以外では、教会と関係深い名家の主
オーバーン・ロートの養子であるアイビス・ロートと名義している。
[猩紅]―破壊の権化
大罪人とされるドレッドと同列に虜囚となって収監された異邦人。
フムル・アリフによって救出されるも、マグダレン教傘下に配属される。
/登場:学園編
[ティスア・マグダレン]―朱色の智謀
冷徹でいて、野心家。フムル・アリフを敵視しており、自らの
マグダレン教拡大を狙っている。表向きは教皇を支持しているが
次期枢機卿の座を奪うべくカーディナルの失脚を望む。
/
当初は枢機卿の座を狙っていたがワシリーに教唆され教皇に成り代わる
新たな教会の設立を目論む。これまで外部の干渉を避けてきた教会とは異なり
異邦の者達を積極的に雇い入れ、革新を求める。
[アイスト・マイター]―凍てる道化
教会に特別大使として派遣された異邦人。
数奇な紋章刻印を持ち、氷の方術を専門に扱う。
その正体は行動を制限され、最悪の場合軟禁扱いとなる第一級方術師であり
自らの素性を秘匿している。無論、氷の方術以外も使いこなせる。
/登場:13の使者編/格好:ケープ
西方諸国から送り込まれた大使。表向きは親善目的だが
実際は央都の内偵とエマージュの謎を解き明かす為に行動する。
教会に賛同する節を見せながらもどっちつかずの中立主義を気取る。
異端者でありながら堂奥修道院の特別顧問として席を置く。
[黒煙(ヘイイェン)]
謎多き男。元々は東洋の暗殺集団の一員だったが組織が離散し、
長い沈黙を破り、テアトルム完成を発端に行動を開始する。
[炎陽(えんよう)]
黒煙の弟子。赤を基調とする大男。
東洋に伝わる神秘の業"外術"の物理的強化を得意とする。
[陽氷(ようひょう)]
黒煙の弟子。炎陽とは対照的に小柄で青を基調とした女の子。
"外術"によって一時的に氷の方術に類似した効果や反射速度の向上が得られる。
[ワシリー・フォマ]
典掌教会の総領。教会を裏で操る実力者で次期首長候補。
独自の研究成果から異端の法外方術を専門としている。
/
失踪したワースと再会し、エマージュについて知らされた後
十字教派の復活を目的にティスアを煽動し、反乱を起こさせる。
それによって壊滅的となった教会は再建を余儀なくされ
典掌教会の介入を許す。その結果、"六極正典"の秘術により
失われた十字教派の教典を取り戻す。
[イネイン(ワース・フォマ)]
ワシリーと対となる無の存在。その正体はワシリーの双子の兄で
央都の前首長だったワース・フォマがロスト化し、エマージュと共生した状態。
超人的な身体能力を誇り、エマージュの特異性を併せ持つが
ロストの代償である欠落がほぼ無く、完璧に近い形で自我を留めている。
[ヘーン・アニシュ]
テアトルム警備部隊の隊長。陽氷との戦闘で瀕死に陥るが
エニュオの治癒方術で一命を取り留める。
その後、新生マグダレン教の第二次掃討作戦で
東方師団に配属され、戦線復帰する。
[ヘリエ・アイグレー]
"シアター"管理者。テアトルムの総合的な運営を任されている。
運営管理の手腕以外は普通の一般人。
[エニュオ・アレクト]
ヘリエの護衛として教会から派遣された上級修道士。
[マークス・シャープ]
かつて中東の戦役で名を馳せた狙撃手。
[虚魑魅(からすだま)]
連続失踪事件の犯人。方術や外術とは異なる禁忌の秘術を用いて
世界への復讐の為に行動する。亡霊のような存在で正体も定かではない。
[蒼深煙(ツァン・シェンイェン)]
組織の幹部。暗殺集団の生き残りで黒煙の元同僚にして同郷の男。
暗殺集団の中でも隠密作戦に適した者に与えられる
煙の字を同じく持つ黒煙に対し、郷を捨てた裏切り者と思っており憎んでいる。
素手で外術を多用する黒煙と異なり、銃火器や暗器を得物としている。
[蓮雪(リェンシュエ)]
深煙を慕う少女。市外の制圧任務で出会った孤児だが
意図的ではないにせよ深煙が救ったことで懐く。
優れた暗殺技術を先天的に有しており組織は後継者として育てようとしている。
キーリアにどこか似ている。央都潜伏時は蓮華(リェンファ)と名乗った。
[イグノア・スライト]
聖堂を制圧した武装集団のリーダー。
[シャムロック・シャルトリューズ]
騎士を騙る通り魔。冒頭では交戦の末に打ち倒した最初の敵である。
[ヴィロン]
"辰の徒"第四位。教皇に忠誠しているが実はティスア側に付いている。
ティスア追討部隊を率いて第一次掃討作戦に参加。
真の目的は注意の分散であり、機を見てティスア側に寝返る。
邪魔者を阻害する為、央都全域に及ぶ大規模多重結界を張った。
[レサト]
"辰の徒"第六位。新しく任命されたばかりの新参者。
[スアード]
"辰の徒"第五位。使命に忠実で無数の剣を手繰る。
九星剣と呼ばれる九つの刀剣を自在に操る。
九紫、八白、七赤はそれぞれ単体で扱うことができ、
六白と五黄は対となっており、動作は連動する。
四緑、三碧、二黒の三つはそれまでの刀剣と合わせて使う。
最後の一白は九種全てを束ねて合切を断絶する。
[ノエティア]
"辰の徒"第三位。包囲系結界を得意とする。
[ジール・ラズワルド]
"辰の徒"第二位。実力を出せぬままクインクエに倒される。
[シャノア・アルベール]
"辰の徒"第一位。ルキウスに憧れ、光の方術に長けている。
[ヴァイナス・ゼフィール]
神祇教団の総大司教。最上神官に並ぶ実力者。
[サベージ・タスト]
異端商会を敵視する商人。
[ラバルム・アリクス]
神官クラスの大司教。元々は教皇派だったがティスアの反乱に加わる。
その後、ティスア派が劣勢となりつつある最中、見限り
情報を教皇へ献上する形で教皇派に帰参するも、ヴァイナスによって裁かれる。
[クラッド・フォール]
隻腕の男。教団の開祖たる十字教派の元使徒。
そのときの洗礼名はディルク・アッシャー。
十字教派の主教でありながら背教したルベウスを追って、交戦した際に
右腕を失い、左目も失明する。その後、教派が自然消滅して教団を離れ
独自の修行を経て、最も難しいといわれる方術"憑依使役"を会得し、
失った右腕や左目の部位へ力を具現することができる。
雇い主であるラバルムに協力する形で央都へ現れた。
ラバルムの処断後、行方を晦ましていたが央都事変の際に駆け付けた。
[クインクエ]
ティスアが招き入れた異端者。法外使徒と同等の方術を扱え、
尚且つ武器全般を使いこなす。彼の名が5を意味するのは
ティスアの五人の側近の一人であるのと同時に異質なことを表している。
枢機卿が身に付ける法衣に似た服装で素性を隠し、性別も不明。
後に戦術機関の出身であることが判明する。
[艮巽(うしとらたつみ)]
ティスアが招き入れた異端者で五人の側近の一人。
常に片手がポケットハンドな男。いい加減で信用ならない奴だが
結界などに詳しく、ヘオフォンの最大質量結界を破るのに貢献した。
おはじきやビー玉を道具として、結界を扱う。
[中神大道(なかがみたいどう)]
ティスアの五人の側近の一人。過去に十字教派と対等だった神道の宮司。
今でこそ教会勢力に取って代わられたが
現役を退いた現在でも師範を凌駕する実力を持つ。
寄絃鳴弦は弟弟子であり、全盛期は実力も拮抗していた。
居合いの達人で一刀一天流を皆伝している。
[ウィリアム・グレン・ジョーカー]
ティスアの五人の側近の一人。灰色の悪魔と称される西方諸国の城主。
子爵の爵位を持つ大富豪。自らも八つの城を所有し、その内から
ティスアが新興する聖座の基盤となる拠点"グランディス城砦"を譲与した。
非常に狡獪で、一時的だがでっち上げの戦果で十二勲章を拝領している。
[クレアリス・マルシウス]
ティスアの五人の側近の一人。クルセイヴィアの双子の妹。
神聖さを追い求める姉と違い、魔の道へ魅入られ魔女に憧れている。
[メルキアル]
新生ティスア教派に参加した異邦人。
[ファル・エル・フェスト]
シャルトリューズ公爵家の跡取り。フェスト財団を創立した曽祖父の跡目として、
当時齢0歳にして財団の権利を継承した。ドルトマンによる横槍などで
財団の財源は底を尽き、財団は虫の息になったが勉学と安全の為、遠国へ
留学していたファルが帰参し、見事な手腕で瞬く間に経営を改善させた。
[ドルトマン伯爵]
北方領土に敷く大貴族。以前親睦のあった初代北方領主の血筋を引く
リラ・レイターとその娘ラプスに恩を売るべく半分の領土を分け与え、
私有地とさせた。リラの死後、ラプスがその土地の全権を有する事になるが
ドルトマンは当然返還を求め、小競り合いが起きた。
しかし、ラプスの未知なる異能によって雇った傭兵の大半が消え失せ
ドルトマンは恐怖を覚える。以来、手出しはしなくなった。
[ミサン・ナナシチ]
カウンターの達人。居合いの高等戦闘技術"返しの刃"によって
相手のあらゆる攻撃を返す。
極度の潔癖症で刀に触るときは新品のグローブを装着する。
専用の大太刀である利剣"白雨長巻"を使う。
ティスアが立ち上げた新たな教会勢力"天の聖座"の勧誘を受け、
一時的な協力者として参加。北西戦線でノエンと交戦した後、
素質を見抜き、ノエンに居合いの型を教える。
[ムロク・ユウセキ]
ミサンの従者。杖刀"九琥"を得物とする。
[ベルギア]
戦術機関から派遣され、ティスアの聖座に協力した。
[ウィザー]
[ベルテ]
[サワード]
[ジルヴェス・デイクロア(Gillesvez deycrois)]
国際的なテロリスト。といっても実際に自分がテロルを行うのではなく
テロ組織に助力し、武器などを提供したり煽動することを基本としている。
元十字教派の初代教父であり、堂奥修道院の創立にも携わった。
その当時、各地を渡り歩き、様々な術を習得しては独自に発展させ
禁忌の秘術の原型を作る。それによって、不老に近い存在となり
教派が消滅した後、歴史の傍観者として長らく隠居していた。
全知全能に等しい天部玄黄と差しで対峙できるが余り関わりは持たない。
淡紅の灰やウィザー等の行動にも影響を及ぼしている。
マグダレンの反乱で内紛が予期された央都に現れ、武装集団による
聖堂の制圧を陰ながら支援した。その際、敵情視察として送り込まれた
中神と一戦交え、軽々と圧倒しながら混沌の必要性を説いて去った。
その後もどの勢力に加担するわけでもなく無用の混乱を各地で振り撒く。
最大の目的は十字教派の終焉を引き起こした西端紛争の再現である"十字の日"の成就。
何故そうするかは不明。エマージュと関連しているらしい。
テロルなどに協力する際はコードのFを用いる。ファザーと通称される。
テロリストではないが、クライズの復讐も手伝った。
[レクトール(Rector)]
[ラフィアン(Ruffian)]
[ロートマン(Rothmann)]
-Other-
[暗条弓弦(あんじょうゆづる)]
エマージュの対策として装備の開発をしている。
[寄絃鳴弦(よつらめいげん)]
中央都市唯一の神社の神主。弓弦の伯父にあたる。
若かりし頃は前線で活躍できる力を持っていたが
長き平穏の中で衰え、受け継がれる古の宝珠杵を用いなければ
結界が張れない。しかし、その結界は師範クラスに匹敵する。
[フムル・アリフ]
アリフ教派の指導者。儀礼的な密教から
黒魔術までありとあらゆる方術に博学な賢人。
温厚な平和主義者で争いを好まない。
[霜夜漣(そうやれん)]
民間において方術や祷祀契約などに精通する異端商会の創設者。
/
[淵源師範(えんげんしはん)]
東方教会を取り仕切る方術の師。派閥争いに興味はなく完全中立を貫く。
方位系統の方術を得意とし、その根底は異流な東洋方陣を基礎としている。
秘蔵の錫杖は特別なもの。
/
堂奥修道院の師範代。主に東洋の術を専門とする。
[幽遠師範(ゆうえんしはん)]
西方教会を取り仕切る方術の師。淵源とは犬猿の仲。初代教皇に心酔していた。
今でこそ隠居しているが全盛期は結界に関しては
右に出るものはいないといわれていた。
/
堂奥修道院の師範代。方術の師で修道士達の使う方術の基礎を形作った人物。
[ミスツ・アスティリカ]
央都の原初計画に関わったプロジェクトメンバーの一人。
プロジェクト凍結に伴い隠居していたが、数年前から行方不明になっており、
彼の残したとされる手記だけが発見された。
[天部玄黄(あまべげんこう)]
絶対の抑止力を統べる万物の主。神祇に等しい存在だが基本的に表舞台へ
干渉することは禁じられている。ヘオフォンの所在が判明したことで
永き封印から解き放たれ、央都を逍遥した。しかし一箇所に留まると
世界のパワーバランスが崩れてしまうので多くの謎を残したまま何処かへ消えた。
アイストが禁忌の秘術によって得た"力の圧倒"を
自発的に行える唯一の存在で烏有すら超越する。
/
北東列国連盟の総帥。本来、烏合の衆である北東列国が連盟して
西方や央都と渡り合えるのも玄黄の存在が大きい。
一説では不老不死といわれており、その力は未知数。
また、堂奥修道院では教会に方術を知らしめた"主"として崇められている。
[鬼部真人(きぶまひと)]
ダストプリズンの看守。
[マリウス・エーデルヴァイト]
自称フムル・アリフの右腕。フムルを猊下と慕い、数々の使命を任されるが
空回りしがち。彼が空気知らずといわれるのはここぞという場面でこそ
踏み入ってきてしまう無自覚な自己中心的な言動にある。
[アリアス・スウォード]
暗殺業界のジョン・スミスと比喩される"アリアス"を名乗る不可解な奴。
暗殺を生業としているがいわゆる情報屋で中立主義者であるがその言動は奇天烈。
[アマランス]
央都中枢の中央議会議長。天部玄黄が組織したとされるベネラブルナインを束ねる
中心人物で代々その名を受け継ぐ者。ヴァントーズの称号を持つノエンに
興味を示し、オーカーを差し向けるなど独断行動も多い。
[オーカー・ノウェム]
ベネラブルナインの実行者。
[名瀬殿]
現在の警察組織である特殊対策機構の特務調査課課長。
口は悪いが優れた洞察力と射撃技能などを持ち、抜け目がない。
侯爵の子息で亡き父に代わって遺産を相続したが
私事の事は身内の部下に任せ常に前線に出向きたがる。
[数藤巻子]
[イズ・ユーヘイト→フィリックス・ファマー]
ベネラブルナイン(V9)の議員の一人。ミスツを知る数少ない人物。
[ウェイル・ウィアード]
V9議員の一人。古代魔術を信奉する教会に仇名す者。
[アルテュール・ホワイツ]
V9議員の一人。西方諸国連合の首相。
[ルキウス]
光輝の主。教会で教皇の次位に値する称号であり、
首座補佐官の肩書きを持ち、教皇の右腕的立場にある。
過去のルキウスに比べても現在のルキウスは最も優秀といわれている。
[ルベウス]
かつて十字教派を束ねていた主教。赤の王とも呼ばれ、
カーディナルの系譜を形成した人物。ルキウスやカーディナルと同じく
称号としての名前であり、現在空位となったルベウスは存在自体が不明。
[プリマート]
枢機卿に連なる称号"大主教"を有する者。カーディナル同様に継承される名称で
本名は不明。実質的に聖堂教会の最高責任者にして教皇と同列にある存在。
しかし、発言権などでは教皇に劣り、幹部の統制を役割とする。
[クルセイヴィア・マルシウス]
[アルマリー]
[フォーン・ソレル]
介在者。
[ハザック・ドーン]
教皇派の補佐司教。ラバルムの懐刀だが反乱には加担せず。
[カヴォッド]
マグダレン教派の穏健派中心人物。拝命貴族の出生で学識ある武人。
ティスアに見限られたことは根に持っていたが穏健派残党を纏め上げ
アリフ教派と併合する形で改宗する。
[ネフマッド・シュモネー]
アリフ教派の助祭。優秀な事務官であるが方術に疎い為戦闘は専門外。
[後城俊次(しつきとしつぐ)]
耀の二歳上の兄。若いはずなのだが何かと老けて見られる。
[臣月一太郎(おみづきいちたろう)]
[楊柳導師(ようりゅう―)]
五明大山一帯の管理人。元は修道院の院長だった。
東洋の毛色が強かったためか、東西分断によってそぐわず修道院を去る。
[クライズ・ルイナー]
本名はウェルト・フェアデルベン(Welt Verderben)。
西方諸国で名を馳せた騎士侯の後裔。破滅の災禍を自称し、
教団への復讐を内に秘めている。利害の一致により、
ティスア教派に協力するも妨害したウィリアムに対して敵意を抱いた。
使徒に匹敵する実力を持ち、騎士の剣術をベースとした独自の流派を扱う。
腰の前後に短剣を二つ、背中と腰元に一つずつ常に四本以上帯刀している。
[潟辺修一朗]
[和辺道徳(わべみちのり)]
[矢逆早太(やさかそうた)]
[三野晃(みのひかる)]
[黒根闇人(くろねあんと)]
死体が無事なら蘇生させるという変わり者医師。
-盗賊集団"淡紅の灰"-
[ロサード・グライス]
"淡紅の灰"首領。現実世界では小規模で隠密するテロリスト。
教会に敵愾心を持っており、幾つかの聖堂を爆破している。
メイヴ要塞を攻略した後、一時行動を共にしたノエン達と別れ
ノエンとは別の手段で現世に戻るつもりだったが
エマージュの痕跡を偶然発見し、逸早く帰還する。
/
[ヴェスパー]
"淡紅の灰"の創始者。王国の強大な戦力に対抗すべく傭兵を募ったが
同志は少なく、已む無く盗賊集団としてなりを潜めた。
異界に迷い込んだロサードが程なくして団員と打ち解け、
淡紅の灰を率いるようになったが姿を晦まし、消息を絶っていた。
ロサードが現実世界へ戻った後、異世界の現実世界侵攻に先駆け、
王宮内部に潜入しジェドーの参戦を阻止した。
/
サングラスの男。実は教会との内通者で"淡紅の灰"壊滅に加担した。
[ブルーイッシュ]
~中央市立夕星(ゆうつづ)学院~
[八上玄(やかみげん)]
幼少の頃に両親を亡くし長らく孤児院に預けられていた。
[雨月穂波(あまつきほなみ)]
玄の幼馴染。玄の隣のクラス。星見部に所属。
[美守生葉(ひだもりいくは)]
玄のクラスメイト。
[美守一葉(―ひとは)]
生葉の姉。
[御原正一(みはらしょういち)]
玄のクラスメイト。誰からも名前を覚えられない希薄な奴だが
いつも問題を起こしている。玄の友人的ポジションだが玄からも名前は言われない。
[綾霧聖架(あやぎりせいか)]
学長の孫。臨時の代理学院長を務めるほど優秀で圧倒的なカリスマを誇る。
当然ながら生徒会長を任命されており、才色兼備文武両道と何でも揃った才女。
[青桐蒼梧(あおぎりそうご)]
活劇部部長の先輩。玄を強引に活劇部に入部させる。
[朝間幸介(あさまこうすけ)]
探偵部の部長。部員がいないので活動停止状態。聖架を誘っているが断られている。
[楠樹(くすのきたつる)]
探偵部の幽霊部員。
[門辺梟帥(かどべたける)]
[杜若文目(とじゃくあやめ)]
星見部の部長。卜占に通じ、魔法などに憧れている。
[紫緑青(ツー・リュイラン)]
異国からの留学生。玄に興味を持ち、活劇部に入る。
[鳳方途(おおとりほうと)]
新入生。連続失踪事件が学院で話題に挙がる頃に編入してきた怪しい奴。
[方見晃(かたみこう)]
不在の多い学院長に代わって学校全体を取り仕切る教頭。
[式下晴義(しきげはるよし)]
夕星学院の数少ない教員の一人。生真面目で眼鏡の物腰低い男。
[後城耀(しつきあかる)]
夕星学院の女性教員。昔馴染みの漣の伝手で潜伏したノエンの保護者となる。
偽名である風月契の名付け親で親戚が営んでいた古書店"風月堂"を管理している。
[白次義正(しらつぐよしまさ)]
夕星学院の教諭。活劇部など複数の部活を担当する特別顧問。
但しその大半や授業に関しても怠慢で、事務等の裏方に回ることが多い。
-魔法騎士団関連人物-
[ノクティルカ・アーベント]
第一階位、黒の女王。闇魔術に長ける。争いに興味はないが立場上は魔法派。
現世侵攻時は異界に留まり、あくまで和平を貫いた。
[マロース・ラズワルド]
第二階位、青の騎士。中立派の侯爵。
現世侵攻時は親善の使者として央都へ参上した。
[アルベール・レブナント]
第三階位、黄金の騎士。実質的な騎士団長を務める。武器派の中心人物にして英雄。
[ヴァイナス・オーカー]×
第四階位、明の騎士。反逆と反転の相対属性を扱う破滅の魔術師。
現世侵攻で最も活躍し、十八の聖堂を瞬時に壊滅させ教皇軍を圧倒したが
寄絃鳴弦の五重結界式六芒星によって追い込まれ、カーディナルに敗れた。
[ジオマスク・ミスト]
第五階位、霧の王。魔法学士と呼ばれる。中立派で議会の議長をしている。
現世侵攻を嗾けた張本人で陰の黒幕。普段は温厚だが実は野心家で
現実世界にある六極正典を手に入れる為、戦いを引き起こす。
その思惑に気付いたアルベールと対峙するも私的に契約していた
ジェドーを戦わせ、央都へ侵入した。
[エイク・カームノウト]
第六階位、宮廷筆頭騎士。武器派の二番手で、アルベールの補佐を務める。
[ギルベルト・レフィナー]
第七階位、破壊の魔術師。魔法派の中でも過激的で好戦。
現世侵攻で無差別に攻撃し、ノエン等と交戦。
魔術耐性に乏しいノエンは苦戦を強いられるがキーリアの援護で打倒する。
[リーシュ・ヴェアリー]
第八階位、緑の魔術師。ノクティルカに憧れる魔法派。
[タンタレア・モーキス]
第九階位、騎士団最下位。金の亡者で権力や財力だけでのし上がった。
[ルディ・ワース]
宮殿を守護する宮廷魔道士の一人。
[ジェドー・アシュトー]
国家剣士の称号を持つ魔法剣士。アンダーテイカーとして王国に雇われる。
刻印が刻まれた刀剣、"ルーンスレイヴ"に様々な属性を宿し魔法剣を扱う。
現世侵攻の際にジオマスクを支援し、エイクの仲裁に構わずアルベールを往なし、
ヴェスパーの乱入によってアルベールを撤退させた。
[ラヴァン・メレフ]
現国王。千年の命を持つといわれる賢者に師事し半ば不老不死のような存在。
[シュタルククライン・レープハフト]
王宮近衛兵団の隊長。ラヴァンからは信頼を寄せられているが
実はジオマスク側で離反の際に陰ながら助力した。
[ネフマッド・シュモネー]×
国王の側近。参謀として行政にも携わっている。
[バーンホーフ・シュトラーセ]
王宮近衛兵団作戦指揮官であるジオマスクの配下。
[ストヴォール・ヴァイナー]
魔法議会の議員。ジオマスクの配下であるが、思惑は別で戦乱を望む。
[シナン・ミリアム]
[メイベル・セヴァリー]
~組織~
<教会>
大きく二分して聖堂教会と典掌教会が存在し、
主導を握る聖堂教会をさらに細かく分けると
指導者に応じて教皇派、マグダレン教派、アリフ教派がある。
中でも最大勢力である教皇派は例外であるため、実質的な対抗は二勢力に絞られる。
典掌教会は司法を策定する政治的役割を持ち、
世界の裏側で暗躍しているため名を知らぬ者も多い。
それぞれ実行的な役割を担う執行教徒、法外使徒がいる。
<戦術機関(Tactics Organization)>
PIに代表されるような特異な能力を有した"超人"をコンセプトに、
あらゆる戦術などを研究・実践している組織。
各地に傭兵として特殊な訓練を受けた構成員を送り、独自の研究成果を試している。
如何なる組織の味方でもあり敵でもある中立機関。
隠れ蓑としての名称はSIA(Secret Intelligence Agency)。
<魔法騎士団>
異世界に存在する中心部の大国"王国"が擁する魔術と武術の才を持つ者を
選りすぐり、構成された異世界最強の少数精鋭戦力。
~用語~
<祷祀契約>
信仰に馴染みのある教会勢力が使う祝詞や呪いを織り交ぜた体系の概念。
資質によるが祷祀契約を行うことで方術が発揮され、その精度も上がる。
<方術>
主に祷祀契約を用いて行使される"魔術"的要素及びその概念。
一般では様々な手法の意義であるが教会勢力が方術と口にすれば
それは超常の異能を体現する。
<結界>
あるべきものを守護する不可視の壁。
(便宜的に壁と称されるが実際に壁として生成されるわけではない)
基本的には機密の為に使用され、対象を遠ざける、隔離するなどの用途がある。
<儀装結界>
神聖な儀式を執り行うときにその場を"聖域"とする結界のこと。
<刻印>
物体の表面あるいは内面に秘匿されるしるし。
通常は結界と併用することで結界の効果を強めたりするが
高位の術者となれば方術の発動前提でもある。
上位である紋章刻印は"方術"の際のデメリットを廃した高度なもの。
<エマージュ>
"現れるもの"と呼ばれる正体不明の存在。それが人型であるか可視できるかは
定かではなく目撃する人間や条件、環境によって姿形は異なる。
ミスツ・アスティリカの手記によれば「負を以って生ずる」とあり、
"悪"に引き寄せられるとの報告もある。黝簾は使役していることを
仄めかす言動をしているがロストではないらしい。
<ロスト>
エマージュが実体をもって顕現し、人間に憑依した状態。
全体的に靄掛かって黒色の霧に包まれ、黒い翅が生えたり腕が影を纏うようになる。
ロストに唯一対抗できる事象は"光明"であり、軽度の相手なら光学的な照射でも
十分効果がある。最終的に同化が進行すると
宿主となった人間そのものの存在が消失しロストオーバー(完全消滅)する。
その状態になると暴走し、エマージュ単体が
強大な力を有して巨大化・攻撃的になったりする。
<<ポータル亡失事件>>
原初のエマージュが現出し引き起こしたとされる不可解事件。
この時点では未だ観測されず存在すら認識されていなかった。
<トロキア>
異世界の王国首府。
<ヘーレ・シュトラント>
異界の最大交易都市。魔術の先端を担う。
<フォルスト>
トロキアの隣国。
<ふぇしー>
羽羊というマスコットのフェザーシープの略。通称だがこちらが一般的。
<十二勲章>
人種や経歴を問わず、戦役などで多大な
貢献をした者に与えられる大変名誉ある勲章。
西端紛争終結以降は廃止同然となっている。
=世界観=
中央都市を巨大な国家群とし、雑多たる複雑な
一国による世界の統治がなされた時代。
国家間の紛争はなく、区画化された境界で内紛が勃発する傍ら、
遠方同士の地域で睨み合いの冷戦が続く。そんな中、国の主権を握る教皇率いる
教会勢力による弾圧が黙認され、教会内部の分裂も目立つようになっていた。
そして、民事の自由を主張する一部の抵抗組織が教会のシンボルともいえる拠点、
聖堂を襲撃したことで膠着していた緊張状態から教会勢力の暴発を招き、
使徒による不穏分子の殲滅が開始された。一方で、諜報機関は一国主義を唱え
世界の中枢となった中央都市の真実を探るべく一人の諜報員を送り込んだ。
中央都市より離れたエリアから潜入を試みた諜報員、ノエンは
教会の争乱や謎の失踪事件などに関わりつつ、
かつて存在したとされる救世主"黒衣の少女"の秘密に迫る。
やがて来る災厄"エマージュ"の出現で中央都市は混沌に包まれる。
~ミスツ・アスティリカの予言~
手記1:エマージュとの遭遇
手記2:エマージュを討ち果たす存在、救世主について
手記3:禍を呼ぶ者、赤の王
手記4:中央都市への追憶(ここで途切れる)
―シナリオ―×
―導入
:プロローグ~暗殺騒動編
:聖堂教会編
―異界の導
カーディナルの介入によって終幕した聖堂篭城事件の後、
ノエンはキーリアが見つけた
エマージュの予兆とされる痕跡から中世を模した異世界へ飛ばされてしまう。
そこでは魔術が当たり前のように栄え、武器派と魔法派に分かれて
大規模な争いが続いていた。ノエンが目を覚ましたそこは
王宮の庭園で魔法騎士団の一人、ルディに発見され匿われる。
:魔法騎士団編
:剣士と盗賊~メイヴ要塞編
―教会の動乱
ノエンが異世界で現実世界へ戻る術を探っていた頃、現世では教会の内部分裂が
激化し、教皇は派閥争いを止めるべく万象の記録書である"六極正典"を
手にした一派が実権の掌中を収めることを条件に抗争を開催する。
それは、教皇麾下の正規勢力の参戦も意図していた。
:六極正典編
:ヘオフォン~天部編
―未知なる闇
:失踪事件編
:鬼部~ダストプリズン編
―激動の首府
:異世界侵攻・央都蹂躙編
:傭兵の陰翳~剣の弓編
―混沌の手中
:浮揚の楽園~白銀の城編
:黄金戦争編
―真意の探索
―――――
-Subtitles-
軌轍の幻像
downward inward
疾雷、走る。
surging blaze/put off
止揚の談
watery blue
フロウズ
on a knife edge
不調和の鏗鏘
follow up
釐毫の冀望
奇禍の予兆
intersection
enfolding darkness
大剛、迅疾
under the sun
call the shots
リアリティフラット
front line
primal origin
beginning to end
sleuth
縹緲の砂
wither away
狂飆
beneath wintry
遡源のエピファニア
red matter bomb
暗澹の視地平
below freezing
燃ゆるが華
infernal jail
隻影が如し
nether world
on the verge of death
北溟を往く
liquid solid air
vapor
仰げば蒼昊
茫漠に散る
晨明
supreme
streak of light
quinque
ヴァントーズ
riddling
cloddy doll
certain day
traverse
crosslet
forefront
fractus
方尖塔
glaring error
hangover effect
invert
severance
with cordial
amaranth
fated redeemer
avenge
reversal
マラキア
fade away
強禦なる翹楚
answerer
光芒の閃火
靉靆の雲霓
overwhelm
marginal ruinous
灰色の男
nothingness
飄零の橡
glazy lies
blackness darkened
ash the shadow pale
icy rain
mastermind unknown
fainter firmament
nightfall
upside down
burial
defies
形而下仮想表面
ace up one's sleeve
originator
interfere
efface
two thousandth
詛の符牒
干戈紛擾
斧鉞強襲
羇旅の絆し
明星のサンドリヨン
potent
chthonic
ボヘミアン・スナイパー
endless tract
turnabout
foggy shroud
aeolian
dune train
chasm
死線魔境
underbelly
otherworldly
apparition
starlit
闇の蒼氓
onset
extant
observance
descent
vindictive
奕葉の主
揺蕩うが杳
臧否の此岸
end all
downcast
priestess
false hearted
砂上の豺狼
flash point
machiavellian
因果人ならず
overfull trap
stalemate
緋のセレスタイン
紅紫色の乙女
黒白
thither globe
fortuitous
auroral
approximate bale
rancor
cattish
heathen
unworldly diviner
external ternary
いさら水の蟒蛇
闇夜に烏雪に鷺
tall order
overcast
縁に仇
assassinator
verdure ground
outflank
dead end
preside
abettor
last designator
水縹の月
act of God
―
[[ランク別方術&魔術]]
-基本方術-
基本的な方術は簡略化され、名称が定まっていないものが多い。
<九字型>
基本方術において特異な術。九つの印を以ってあらゆる強化を行う。
結界の代わりとしても使用できるが9個揃わなければ効力は低い。
基本形は臨兵闘者皆陣列前行の言霊が浮き上がり刻印となる型。
-結界-
明確な区分があるのは以下の数種のみである。
<四方結界>
<陽光>
儀装結界の中でも最も優れた性能を持つ最大神聖結界。
教皇の側近が代々継承し、教皇の居城に有事の際に張られる。
<八咫明鏡>
最大規模の広域質量結界。非常に繊細な結界で力の均衡を保つように
制御しなければならない。今では幽遠師範だけがまともに行使できるという。
-多重結界-
結界を複数同時に張ったり、組み合わせて行使する。
数的有利は効果によってあるが
ただ結界が多ければ多いほど強力になるわけではない。
<一重結界>
多重結界の初歩。一つの結界に上乗せされる2つの合成領域が結界となる。
<二重結界>
最も多用される汎用的な結界。
<三重結界>
二重結界の次に使われることが多い多重結界。
<四重結界>
<五重結界>
<六重結界>
<七重結界>
<八重結界>
<九重結界>
多重結界の最高位である十の結界。環境や大きさなどの諸条件によって
極端に性質が変わる高度な結界。現在では淵源師範ほどの極一部しか扱えない。
-上位方術-
<金剛地象>
<十字天象>
<五芒星>
星陣とも呼ばれる結界系統の上位方術。包囲した対象を消滅させる攻撃的な方術。
<六芒星>
異教神道の至極"蘊奥"の一つ。単純には五芒星が強化された方術だが
その性質は全く別のもので、対象を封印するために張られる高位の結界である。
式を重ねて結界と併用する高度な技もある。(寄絃鳴弦の五重結界式六芒星など)
-方陣/特殊な方術-
<生動方陣>
可動型方陣の総称。流動的に変化できるが扱いづらく、制御が難しい。
<不動方陣>
設置型方陣の総称。方陣の基本で、
主に方陣といわれるものはこれを指すことが多い。
<四面方陣>
<七星方陣>
<六合方陣>
蘊奥の一つ。
<揺蕩水鏡>
<円鏡>
円陣の方術。
<破鏡>
陣の刻印から衝撃を放つ。攻撃系統の方術の中でも最上に位置し、
熟練者となれば刻印を省略して発動できる。
<紅鏡>
蘊奥の一つ。神聖な光の方術の最大奥義とも呼ばれる。
-魔術-
細かい分類では下記以外にもある。また、詠唱を破棄する魔術師も多数いる。
<エクサフラマ>
一般的な下級魔術師が唱えることの多い火の玉魔術。
熟練になれば質量を増幅させたり複数に増やしたりできる。
<レド・ヴァッサー>
基本的な水の魔術。水を操る魔法は数多く存在するが中でも初歩的且つ攻撃的で
極めればこれだけでも上級魔術師を圧倒できるといわれている。
<ソル・ティエラ>
自然と一体化し、大地の力を得る地の魔術。使用者によって効果や形は変化し
ある者は土の壁を、ある者は巨大な岩を生成する。
<ブラット=ヴァルナー>
扱いが難しいとされる波動魔術の一種。水の魔術で作り出す水流と似ているが
本質は全く別物で、波動は水が浸透できない部分まで透過する。
使い方次第で音の魔法として使うことも可能。
<グラウ・トラオム>
幻覚を見せたりなど精神に作用する特殊な魔法。
本来は精神を清らかに保つために編み出された
癒しの魔術であるが悪用する輩も多い。
<レウェ・ストラ>
俊敏の魔法。
<アーディン=ヴィント>
波動魔術と属性の魔法、二つの性質を持つ風の魔術。
<ヴァント・メッサー>
<フェルゼン=ウィア>
防御系魔術として知られる岩の魔法。岩石以外でも代用できる。
<ヘロス・ヒューレー>
<ラヴィーネ=ガレオス>
<オルニス=キュール>
<ヴュステ・ヒューゲル>
<グローム・ヴィスナー>
<レーゲン=フルフィウス>
元々は戦闘向きではない降雨の魔法。しかし最近ではノクティルカを筆頭に
新たな活用法が見出され注目を集めている。
<ヴィーズ・メレグ>
ベアリッドが異世界で使っていた水の魔法の一種。
基本は熱湯の魔法で、水温を微調整することで多様に変化させられる。
<ダヌシュ=シャマイム>
魔力で作られた矢を降らせる魔法。魔術師によって射ることも、
属性を付加させたりすることもできる。
<マガ・フロース>
魔力を具象して魔力そのものを撃ち出す。
<シェレグ・アダマー>
一瞬で地表を凍土に変えるほどの凍結魔法。
上位属性である氷系統の魔術は必要となる魔力に制限があり、
且つ膨大なので行使する者は少ない。
<アナン・ローシュ>
雲で象られた龍を召喚する魔法。召喚魔法の多くは現在において
禁忌とされており、その技術も失われているため
唯一の例外で現存しているのはこの魔術くらいである。
<ヴェレ・トレーネ>
上級波動魔術。通称"慈愛の魔法"とも呼ばれ、
相手の精神に語りかけるような衝撃を与える。
<ネフス・セターレ>
最上位魔法。魔力で創造される無数の流星を落とす。
<ネフリティス>
禁忌とされる最終魔法の一つ。その実態は謎が多く見た者は誰も生き残れない。
-魔法剣術-
魔法を基礎とした派生魔術。正統に扱える者は少なく、ジェドーのみである。
<エフェス=エレ・テムス>
零の契約を施した刻印(ルーン)を剣に与え、あらゆる加護を宿す。
単純な刀剣の強化から応用で自身の防衛など幅広く使用できる。
剣の巨大化なども可能。ジェドーが最も使用する魔法剣術でもある。
<ヴィダ=シュタイム>
第二の命を創造する禁断の魔術"影の魔法"から抽出した一文を
詠唱(及び破棄)することで不死の存在に近付く。
剣術との関連は低いがジェドーの場合は、ルーンスレイヴを媒体として
魔術を発動させるので完全な効力を発揮するには刀剣が必須となる。
理論上は、無限の魔力があれば永続する魔法とされている。
<ラールエーク>
赤き始まりを発現する属性魔法の亜種。刀剣に炎(熱)を宿し、焔を御す。
ジェドーは詠唱破棄(省略)を行うことが多いので詠唱文の"赤""熱""紅""炎"などを
表現する一部の何れかが契約と共に発言されるとき、力を発動する。
<<ブレイズガイザー>>
ラールエークによって炎を纏ったルーンスレイヴを地面に突き刺し炎を噴出する。
<ネーベル=フィアロヴァー>
霧の魔法を基にジェドーが独自に開発した魔法剣術。
霧散した霧の残留を纏い、風と水を同時に具現させる属性剣術。
<ミデン=ファルダー>
明日を代償に契約を交える奥義。時間と空間に干渉し、瞬間移動などに応用する。
<シューニャ=エムルーズ>
今を代償に契約を交える奥義。剣に"形"を与え、召喚魔法の一種として扱う。
上位の召喚魔法であるアナン・ローシュと同等以上の使役。
<ヴァルスクヴラヴィ>
ジェドーの切り札である最終魔法。ネフリティスに匹敵する魔力総量を要し、
その性能も極めて高いが反動も相応に大きい。
-外術-
東方の少数民族によって口伝されてきた古の技。
武術と密接に関係し、何れも戦闘能力の"強化"が根底にある。
<攻法/邃古攻法(こうほう/すいここうほう)>
体術の基本形である攻法は流派によって様々な種類がある。
それが外術と呼ばれるのは単なる武術に留まらず衝撃波を伴う技や
特定条件下で変化する多様性にある。邃古攻法は現在は失われた外術だが
黒煙などの一部の者に継承されている攻法の究極的な技術である。
<武技/範の武技(ぶぎ/はん―ぶぎ)>
所謂"気"と呼ばれるものを主体とする外術の総称。
<丹青/碧潭/丹色深緋(たんせい/へきたん/にいろふかひ)>
身体能力の向上を主とする技。適する個人差があり、黒煙が独力で昇華させ
完成した碧潭は陽氷が、丹色深緋は炎陽が使用した。
<碧霄緑蘿(へきしょうりょくら)>
陽氷が会得した外術の真髄。自らを縛るように部分を封印し、
気の流れを制限することで一点に集中。
瞬発力と一時性能の飛躍的上昇が発揮される。
短時間大きな力を得る反面、溜め込んだ気を抑圧し過ぎると暴走に繋がる。
<霏霏猩猩緋(ひひしょうじょうひ)>
炎陽が修行を経て習得した外術の真髄。
丹色深緋と気を纏う武技を併せ持った技で具象する"気"は自身を巨大と化す。
<千古閃影(せんこせんえい)>
黒煙が編み出した独自の外術。
<綾羅朝露(りょうらあさつゆ)>
隠密の術。
<霜楓(そうふう)>
東方暗殺術の極意。その特異性から暗殺術で唯一外術とされている。
-異端の技-
<ダレト・ヴァロカ>
-水の術-
ベアリッドが使用する様々な水に関する術の応用技。
総じて水を根源的な媒体とし、水に代替する水気、氷などでも可能。
それらの媒体が有効でなければ効果は発揮できない。
技以外に水硬性を利用したり水の性質を柔軟に活かす。
純度の高い水であるほど性能も上がる。
自らが加えた混合の水ではない自然に混ざり合った水(海水など)は
術としての完成度が著しく低下する。
固体液体気体の形態に応じて性能も変化し、氷は硬質なる壁と鋭き刃の
極端な攻防主体、気体は空気に紛れて漂う変幻にして敵を幻惑する。
<水の帷>
アクアベールとも。水の被膜によって自らを不可視とし、生体的な気配や
その他の要因を無効とする隠遁に特化した技。拡散して複数に効果を与えることも。
水質を保つ為の絶大な集中力を要し、ほぼ留まるため身動きできない欠点がある。
氷の帷は壁となる。それを単に使えばただの氷壁だが
相手の接触時に水に戻せば"水"に捕縛できる。
<反射水鏡>
攻防一体の汎用技。物的対象に関わらずあらゆるものを反射する鏡の盾。
当然だが鏡のある一方向しか防御できない。
<飛散水鏡>
予め性質に氷を混ぜて硬質化した反射水鏡が破壊された時、
破砕した欠片を水に乗せて相手に飛ばす。
咄嗟に放ったので明確な技名ではない。
<水紋蒼波>
攻撃的な技で何らかを媒介して対象に伝達する波動が津波のように押し寄せる。
さらに水槌の原理を応用して水圧の差によって生じる超振動で五感を奪う。
氷の水紋蒼波は波を視覚化し雪崩のように氷柱が襲う。
<氷の薄紗>
衝撃などを吸収する氷の鎧を纏う。鎧といっても見えないほどの薄氷で
霜がついている形容に近い。耐久性は1回限りだがその一度なら
如何なる攻撃でも致命傷を防ぐ。反射水鏡で防ぎきれない攻撃を
軽減する目的で保険として使うことが多い。
水の薄紗は水の帷と性質が似る為、氷が基礎となるこの技では使用できない。
<飛沫の雨(氷雨)>
一見水を撒布するだけの技。水気が上がり、時間差で降雨する。
この雨は普通の雨ではなく清浄な浄化の雨で次の行動の基点となる。
撒布する水の性質次第で旱魃地帯でも局地的に雨を降らせる。
屋内で使用することもできるが本来の使い方である降雨は期待できない。
飛沫の氷雨は攻撃用で、形質の微妙な調整によって降り注ぐ氷の形などが変わる。
<水霧水明>
水の性質を気体として扱う。霧状に水が飛び、煙幕代わりにできる他
残った霧は術者を包み込むと幻のように消え、相手を惑わす障壁となる。
これに水の帷、氷の薄紗が加わると生存確率がかなり上がる。
相手を覆った霧を水に、さらに氷にすれば氷柱に閉ざすことが可能。
<風雨緑水>
風に乗った水を変容させ、結界を作る。これは防衛の為ではなく
相手を閉じ込める結界でその中は宛ら嵐に見舞われる様。
澪標で用いる赤い水とは異なる緑の水は風との融和性が高く持続しやすい。
<水天霜露>
霊水(神水)を必要とする。霊水によって天つ水を降らし、
短時間のみ自身を極限まで強化する。
この技と雲霓、壬癸の陣等は形態による影響がない。
<雲霓>
水天霜露が発動している僅かな時間のみ虹の"秋水"(万象を絶つ短刀)を具現する。
<壬癸の陣(じんき―)>
水の神"水伯"の力を借りて方陣で囲った対象を大水の渦に閉じ込める。
水以外で霊験な護符を媒体とする唯一の技で、昔くすねたお札を基に
手製している為、効力はかなり限定される。
<水脈探知>
水を解き放ってそれが向う方向を見定めて水脈の位置を探る。
<水簾落とし>
滝落とし。杙を模した水を上方から落下させる。
通常は水を被っただけになるが氷を混ぜれば氷の杭となる。
<澪標>
水路を構築したときマーカー代わりに配置する色の違う水。
-分類不明(カテゴリーアウト)-
=央都周辺の地理について=
北部:五明大山と並ぶ連峰を越えると大海。この最北端は大陸の切れ端と呼ばれる。
南部:央都に参入しなかった諸国が集中する地方。
西部:湿地帯などを越えると、
十字教派時代の教会が根城としていた西方諸国を筆頭に数多くの国が存在する。
東部:少数民族や文化的に後退した中小規模の村々がある。
央都の外:東西南北に国々があるが交流は近隣の一国程度。
大陸の外:最も大陸の外側に面しているのは北部で
連峰と大海を隔てて未開拓大陸が広がる。
蒼の地表:西側(大洋、海嶺、湿地帯)
□中央都市(アースリー/ヘオフォン)
□コルカノ:辺境の街。央都からも最も近い街でもある。
□ガナンタウン:異端商会が本拠を構える
□ウォールフォート:央都より南東にある城砦都市。その国境線となる砦
□セイブシティ:央都近隣の西の小都市。
□ゴーンタウン
□カルカヤの町
ディフェール(differre)
-用語補足-
<西方諸国連合>
主に大陸西部の国々が連合したもの。本土である央都を除けば
最大勢力といっても過言ではなく、教会が央都に普及していく以前は
連合の一部であったため、教会従属時は黄金の全盛期と呼ばれている。
<北東列国連盟>
央都のある大陸の北部と東部の幾つかの国々が連盟したもの。
規模は西方諸国連合より多少劣る程度。
<堂奥修道院>
組織ではなく建物の名称だが、養成されている修道士や僧たちを含めれば
かなりの勢力になる。
<西洋の騎士>
現存しているのは国家に恭順する本来の騎士の身分ではなく、
技芸や理念を伝承する文化的な継承のみである。
<無銘流>
シャムロックが行った剣を上下させたりする動作を基本とする
重心位置の変化によって攻撃を重く、軽くして強弱をつける。
それは単に攻撃の変化に応用されるだけでなく、
質量の手応えが変わることで軽量化と同じ効果が得られる。
さらに移動にも応用され、高速で動くことが出来る。
~関連施設~
<堂奥修道院>
教会に属する修道士及び僧侶が修行などを行う場。
宗祖の総本山といわれ、東と西に関わらず、宗教であれば
どんなものでも取り入れている。そのため、異教が交わる地として
忌避されることもあるが、内部は複雑に区分けされており
法規上でも異端の交流は阻止される。
:武器:
<<AK-81/AK-81C>>
西端紛争時に最も使用された小銃。
<<DE66>>
今ではアンティークといわれるリボルバータイプのマグナム。
<<M97S/M97S-SA>>
非常に高性能な拳銃。固有の口径で三種類と他のバーテックス社製銃器に
比べると汎用性が足りないが、重量を感じさせない携帯性、小回りの利く
自動装填と着弾の誤差修正機能により安定した命中精度がある。
これで外す後城は相当な不器用だと窺える。
<<VDI338/VDI338M>>
バーテックス社の散弾銃。通称、トリプルシーエックスエイト(CCCXXXVIII)。
VDIとは"vertex diverse inertial"の略で従来の装填方式と慣性利用を
両立し、装填構造を改造した連射性能よりも
単純な火器としての安定性と優れた性能を重視した。
元々、散弾銃の欠点である連射性能の低さは敢えて、
そのままに命中精度を引き上げた。
散弾の数や種類などに汎用の対応があり、且つ威力も申し分ない。
さらに、軽量化されているにも関わらず丈夫な造りとなっている。
より携行しやすく改良したVDI338Mが警備隊を中心に配備されている。
<<VSSE>>
殿が愛用する狙撃銃。完全電子対応銃器で
充電しなければ駆動しない。燃費は悪いが最大の威力と射程を誇る
精密射撃モードと取り回しのしやすい通常射撃モードの二種類が切り替えでき、
状況に応じて変化する電子武装の利点を活かした戦闘が可能。
予め込められた弾丸を撃ちつくすと、エンプティモードとなり、
薬莢を必要とせず光弾を発射する。光弾は内部電源で生成され、
充電の減りも早いが装填はいらず、連射することができる。
<<DC86/DC88/DCS82>>
DCS82(Detonate Concussion Stun)は制圧用の非致死性兵器。
何れも基本的な手榴弾の外観を模しているが、ピンを抜くことで
爆発するわけではない。
<<銀色の短剣>>
ノエンが最初から所持していた白銀のダガー。
出所は不明だが耐久性は高く、一寸のことでは錆びない。
鞘が付属しており、携帯も利便。
その鞘自体も刃と同じ金属で作られているという特別製。
<<RT79>>
ノエン用に調整された拳銃。ベースはM97で
携帯性の強化、フレームの軽量化と強度の向上などが見直された。
<<八雲天国(やくもあまくに)>>
刀鍛冶の祖である天国の作成した同名の刀剣、その失われた設計図を
復元し現代風にアレンジを加えた名刀。作るのなら本格的にと、
漣達ての意見で現存する唯一の刀匠に一から鍛錬してもらった。
<<八雲天国・電拵(やくもあまくに・いなずまのこしらえ)>>
八雲天国に電子武装を施したもの。別名、EN(Energetic Negatron)ソード。
大きな変化は刀身ではなく鞘にあり、納刀することで充電する。
刀身自体もよりシャープになり、電子を纏った状態でなくとも切れ味は抜群。
<<バスタードソード>>
シャムロックが使っていた大剣。見た目は無骨な両手剣だが
中身は機械が仕込まれており、ジョイントを動かすことで
重心を変え、軽々しく扱えるようになる。
―――
外伝
Prologue:black strayed
央都が誕生間も無く、まだ開国していた頃の話。
大陸の一端に忘却されたように存在する名も無い国。
そこで暮らしていた少女と一匹の黒猫は平生を生き延びることに必死だった。
いつものように市場の取引で食料を確保しようと広場に赴いた少女は、
交渉に失敗し空腹感に苦悩しつつ路頭を彷徨っていた。
踵を返して、寝床である古本屋へ戻ろうとしていた少女は
道中で"黒い箱"を発見する。
それがきっかけで忘失していた昔の記憶が甦る。
それは半年ほど前のこと。
西方にある群島から外れた小さな孤島。
無人島と思われているその島の中央には大規模な研究施設がある。
年中雪が降り積もる大地は四平の壁で囲まれ
それぞれ四つの班に分かれて、過酷な実験を繰り返していた。
その目的は、
PI(ポテンシャルイレギュラー)と呼ばれる超常的な異能を発現させることにあった。
生存に対する究極の適応力であるPIは生死の境にこそ発揮されるとし、
訓練と称した実験は日に日に厳しさを増した。
そして、実験の最終日。
最後のプロセスに入った実験は
被検者同士を争わせ、生き残った者をPIの研究材料とするものだ。
~Character~
[ノエン・フェオ(黒の少女)]
被検体番号116。Bチーム配属。当時は名がない。
アルエットがエニアと命名する。
[アルエット・アタラクシア]
被検体番号94。Bチーム配属(リーダー役)。お姉さん思考。
[ディア・アージェント]
Bチーム配属。ノエンを異様に敵視している。
[ルディ]
Aチーム配属。
[デクシア]
Aチーム配属。
[アリステラ]
Aチーム配属。
[エーナ・ノーティア]
Cチーム配属。
[リーシュ・シャンディーニ]
Cチーム配属。
[ポルフィロ]
Cチーム配属。
[エネア・フロネシス]
Dチーム配属。
[フリジッド]
Dチーム配属。
[マリウス・アナトリー]
Dチーム配属。
[ユリオス・ファランドール]
西方諸国が秘密裏に画策する先進計画の一環として原初計画に携わる主任研究者。
[ヴェルメリオ]
前計画の"特定的な超人"をコンセプトに強化を施された男。
ゲームを盛り上げる為に、無差別の敵としてユリオスが手配した。
[アトラ]
初めてPIの発現が確認された少女。
機関が監禁し、DNAなどの情報を採取された後、消息不明となる。
最終フェーズ
目的:生存者を一人に絞る
趣旨:メダイヨンを奪い合う
支給品:通信用小型無線(周波数は同チーム内限定)3、携帯端末3(情報確認用)、地図1、レーダー1
ルール
①メダイヨンは首から下げて周囲に視認できるようにしなくてはならない
②各チームには陣地となるエリアが与えられる。参加者は各エリアを回ってメダイヨンを奪い、自分の陣地へ持ち帰る。
メダイヨンを奪われても生存していれば、自チームのエリア内の何処かにメダイヨンが復活する。
但し、そのエリアが他のチームによって制圧されていれば復活しない。
③リーダーとなる人物をチーム内で一人決め、リーダーのメダイヨンが奪われるとそのチームのエリアが制圧されたことになる。
④執行者として徘徊するヴェルメリオに処断されるとそのチームは一定時間無線が使えなくなる。
⑤メダイヨンには時間が設定されていて、同じ場所に留まっているとタイマーが起動。
タイマーが一定時間を超過すると、権利が剥奪され所持品の一部が使用不可となる。
⑥全ての所持品が使用できない(紛失等含む)場合に、タイマーが超過すると
そのエリアにいる間、ヴェルメリオの優先ターゲットとして情報を送信される。
【black robed story -碧眼の傭兵-】
現在の央都による一国主義がまだなかった時代、
多国は西端の地にて大規模な紛争を勃発させる。
凄惨な戦場は長きに続き、戦火は留まることを知らず。
遂には東部の大国や極北の一軍が押し寄せ戦乱は激化の一途を辿る。
しかし、一人の傭兵の登場によって
永遠に終わらぬはずの戦いが思わぬ局面を迎える。
これは、西端紛争を生き抜いた名も無き傭兵
フリード・アウィンの物語である。
劇場版
【black robed story ~ghost the find out】
-梗概-
央都での事変から数週間。復興を終え、機序を回復しつつあったアースリーへ
国防拡充の目的で他国を渡り歩いていた聖人教父にして
教会博士の"ジェド・バシレウス"が帰還する。
それによって騒然となる聖堂教会。
一度、異端商会へ戻ったノエンはガナンタウンで、"幽霊"の調査を依頼される。
そんな矢先、"淡紅の灰"のテロを模倣した連続爆破事件が起こる。
同時刻、西へ逃亡していたロサードが潜伏先で
正体不明の男"ジルベール・レムール"と遭遇する。
その男こそ"幽霊"と称され追放された元法外使徒だった。
更には混乱する央都へ一時出所したドレッドやラプスまでもが現れる。
-新規キャラクター-
[ジェド・バシレウス]
若くして、幼少期から才能を見込まれ異例の早さで教父となる。
その後、父と同じ教会博士となるが強大な力を恐れた
典掌教会がベネラブルナインの末席に据えることで、
教会内の権力から遠ざけた。それに感付くジェドだが
ベネラブルナインの特別議員と教会の人間という双方の立場から
国防拡充の任を自ら進んで引き受ける。長きに渡って、
各国を巡察し、時には交渉して盟約を結んだ。
父は十字教派時代で大きな影響力を持っていた。
しかし、実際は敵国に訪れ、全面戦争勃発の為に決起させようとしていた。
その目的は、教会博士という高位の身分でありながら、迫害された父の
果てには、一族全ての怨嗟により、央都を滅ぼそうと画策する。
似たような境遇のジルベールを抱き込み、嗾けた。
当初から予見していたアマランスの作戦で真の黒幕であるジェドを突き止めた。
[ヴィルヘルミナ]
ジェドの付き人である高等修道女。通称、ウィルマ。
非常に優秀で、渉外もウィルマがいたからこそ成功したと言われている。
ジェドの内なる悪意は知っていたが最後まで信奉した。
特命を帯びたベアリッドと対峙する。
[ジルベール・レムール]
ヘイズと同位の元法外使徒。技量も高く、次期カーディナルとも謳われた。
が、当時の所属教派だった教主の失脚により、その一派は解体。
自然的に総入れ替えとなったが所謂汚れ仕事を担当していた
ジルベールは悪名だけが残り、それによって名声の汚点を危惧した
教会から追放される。教会外では方術は如何なる理由があろうと
行使してはならない為、天才的な方術使いだったジルベールは
一転してただの人間に成り下がった。その後、死亡者扱いで
国籍も抹消され、存在しない者となった彼は東や南を転々とし、
何とか生きながらえていた。そんな折、ジェドに出会い、
利用されるのを承知で事件の首謀者を演じた。
刀剣の使い手で、単純な戦闘能力も高い。何より脅威なのは多彩な方術で、
それらを組み合わせて同時に使えるという点。
第一に、ロサードを襲撃するがロサードは難を逃れ、
次に修道士部隊、スアード等を退け
相反する属性の方術でアイストやカーディナルを苦戦させた。
最後はロサードの爆破し損ねた爆弾がきっかけでノエンに追い詰められる。
[ジャン・デリック]
凶悪な死刑囚。ドレッドの仮釈放の手違い(意図的な操作)で脱走し、
北端のウィアフルフィウスを死の街へと陥れる。
北方の領地を有するラプスの気に障り、消滅する。
[護衛兵]
ジェドが私兵として用意した大量の兵士。
中にはエマージュと半分同化している者もおり、人間離れした動きを見せる。
大聖堂に大挙して押し寄せ、圧倒的物量で制圧するが
ふらりと立ち寄ったドレッドに全滅させられる。
=Game=
2人~4人一組のチームを作る。
その内二人は以下の役割を担う。
トレーサー:追跡者
バウンサー:用心棒
―
以下没 -time chart-
・駅舎外れの廃ビル(黒衣の再来)
・地下輸送列車―高速鉄道(無人トランスポーターの暴走)
・アースリー~テアトルム外縁(潜入任務始動)
///
・ヘオフォン郊外(市中動乱)
・大聖堂(立て篭もり犯の動向)
///
・テアトルム地下通路~古跡(暗闇の襲撃者)
・アースリー~IIO第一支部(追撃、そして帰還)
#Episode1 END
―――――
× .refine
エマージュによって崩壊
第一巻『黒衣の少女/紋章世界』
疾雷、走る。
一国主義による世界統治が進む世界。中央国家を主体とし、
数多の人種が共存していた。
有数の情報機関である"IIO"が密かに契約した正体不明のエージェント
"ノエン・フェオ"が完成直後のアースリー・テアトルムへ潜入した頃、
首府ヘオフォンでは教会勢力が台頭し、国内は紛擾に塗れ、二分された。
ノエンは市外にある古跡の調査に赴くが、暗中刺客に襲撃され交戦する。
その同時刻、教会のシンボルである大聖堂が何者かに占拠される。七曜の奇
帰国したノエンを待ち受けていたIIO支部長"シャムロック・レイター"は
数時間前に起こったビル倒壊事件の調査を命じる。休む間もなく現地へ向かった
ノエンの前に現出する存在"エマージュ"を呼び出す不審な男が現れる。
一方で、大聖堂に篭城していた犯人は呆気なく捕縛され、内部にいた人々は
奇妙な事に全て溺死していたが、逃走した真犯人を目撃していた運送業を営む
"マレット・ヴェア"が奇怪な紋章の痕跡を辿り、工場地帯へ侵入する。ヴァントーズ
ヘオフォン近隣にある小さな学校、日東学園に通う変哲な学生"鬼部樹"は
ある日、長らく欠席していた同級生の"風月契"が夢の中で助けを求める光景を見る。
それが気掛かりとなり、邸宅を訪れるが施錠されておらず、入室を試みる。
しかし、そこは見た事もない景観が広がる未知の空間だった。遡源のエピファニア
北方戦列~earth owner
暗澹の視地平
[シャムロック・レイター]
IIO南方支部支部長。以前はヘオフォン直下の本局にいたがV9の計略で左遷される。
[ベアリッド・ドレーン]
水沫の紋章を扱う真犯人。
[ラプス・レイター]
シャムロックの姪。実妹のような間柄だったが現在は疎遠関係にある。
[ウェッジ]
大聖堂を占拠した犯罪集団のリーダー。
~type:old~
-主要登場人物-
[ノエン・フェオ]
[風月契(かぜつきちぎり)]
[鬼部樹(きぶたつる)]
[マレット・ヴェア]
[カーディナル]
教会の枢機卿。
-アースリーの関連人物-
[波瀬群子(はぜむらこ)]
[青桐蒼梧(あおぎりそうご)]
[神鳥方途(かみどりほうと)]
泰西教会の派遣修道士。日東学園に転校した矢先、蒼梧と衝突しライバル視される。
[浅黄紅焔(あさぎこうえん)]
日東学園の教師にして、司教。
[萌葱燐火(もえぎりんか)]
[紫藤紅花(しとうこうか)]
[猩紅(しょうこう)]
[黝簾(ゆうれん)]
エマージュを呼び寄せる謎の少年。
-ヘオフォンの関連人物-
[天辺玄黄(あまべげんこう)]
ヘオフォンの天上階層に住むV9の一人。
[明星尊(あかぼしみこと)]
六極衆を擁する高位神官。
[ブリュメール(霧月)]
六極衆の一人。
[フリメール(霜月)]
六極衆の一人。
[ニヴォーズ(雪月)]
六極衆の一人。
[プリュヴィオーズ(雨月)]
六極衆の一人。
[ジェルミナル(芽月)]
六極衆の一人。
[フロレアル(花月)]
六極衆の一人。
-中央国家の関連人物-
[ライム・グレイズ]
元中央国軍連合大隊所属一等空佐。
<ベイパー>
次世代航空機計画の一端として開発された高高度高速度戦闘機。
長編予定
異世界編(魔法/ファンタジー)
エマージュ顕現編(ミステリー/レース:大会)
機動帝国編(機械/ロボット系)
 ̄― ̄
マレット・ヴェア(名も無い少女)
色調:黒
所属:IIO 特務諜報員
対象能力:生存適応(究極的にいえば"不滅")
旧称:キーリア・メア・セーブル(千の黒い海)
-名も無き少女-
マレットは名も無い国で育った孤児の少女である。
無秩序な治安で他国と隔離された名も無い国で生き延びるには
身を守る術を自らが得なければならなかった。
誰も信用せず、誰も協力してくれない世界で少女は本当の自分を知らずに
一日をどう生きるかだけを考えて孤独でいた。
-アハマルとの出会い-
任務で名も無い国の近隣の村に立ち寄ったアハマルは
そこに住まう人々が皆、絶望している中で一人だけ強い信念を持った
希望の少女に目が留まった。普段、他者に関心を持たないアハマルが惹かれるほど
強固な意志が感じ取れたのだ。アハマルは滞在可能な期間の数日を費やして
村に留まり、少女を陰ながら監視した。それは任務開始の前日まで続き、
アハマルが村を去る直前に少女に声を掛けた。
「そうやって蹲るまま生涯を終えるか、俺についてくるか どうする」
少女への問いかけは少女が理解することはできなかったが
アハマルに従うことが生きるための最善策だと少女は本能的に悟った。
任務に同伴することとなるがアハマルはどんな相手でも信頼しない。
それは少女も例外ではなく紛争地域に差し掛かって少女に危険が及んでも
助けることもせず、最低限の保護(食糧を分け与えたり)しか行わなかった。
それでも少女はアハマルを追い続け、数ヶ月が経った。
-少女"ディア・アージェント"-
アハマルの用意した別荘の中でも堅牢な豪邸である屋敷に少女が訪れたのは
少女と出会う以前にアハマルが受け持っていた幾つもの任務が終わって
帰還した頃だった。屋敷に案内したアハマルは少女に作成した偽りの個人情報を
渡し、ディア・アージェントという名前を与えるとすぐさま旅立った。
屋敷での生活は不自由ないものだったが退屈でいて、それまでの少女の
人生観からすれば不自然なほど満ち足りない日常だった。
その間、名も無い国で習得できないでいた知識を学習し、少女はさらに成長した。
-IIO加入-
暫くして、ディアはアハマルが消息を絶ったことを知ると組織の追撃を逃れるために
屋敷から脱出する。同時期に組織を解体したアマランスがIIOを創設するべく
優秀な諜報員の候補を探していた。かつての名も無い国で身につけた
サバイバビリティとアハマルの身近にいた際に会得した技能、
逃亡時に得た(未完ながらも)暗殺技術を駆使し、ディアは追っ手を撒いた。
組織に狙われて生き延びた人間はいないと言われているがディアは
その唯一の例外となったのだ。独自の情報網で調査を行っていたアマランスは
ディアの存在を逸早く察知するとIIOに勧誘するため接触を試みる。
警戒心が強いディアに対して間接的な支援を行い、着実に接近したアマランスが
ディアの前に現れたのはIIOが正式に創始された直後のことだった。
一種の人間不信であるディアはアマランスを怪訝し、信用することはなかったが
IIOへの勧誘は一瞬の思案の後に呆気なく承諾する。
少女は単独での活動に限界があると知っていたからだ。
-暗殺者"アスワルド"-
IIOに参加した当初、ディアにはアスワルドというコードネームが授与され、
諜報員ではなく特務を帯びた暗殺者として活動していた。
-ロイエ・ユーカーとの遭遇-
{マレット・ヴェア}
mullet:ボラ→紋章学ではイギリスのケイデンシー・マークにおいて星を示す
vair:リスのまだらの毛皮を意味する
//
[アマランスの謎]
アマランスはゾーン出現以前の対象者がいない時点で既に対象能力に覚醒していた
と思しき現象がある。それはアマランスが単なるデータ(符号)の集合体であり、
本質の存在しない個体であるからという表面的な見解では説明できないような
異常さがアマランスにはあった。しかし、どんな記録にも高層都市で発生した
ゾーン以前に類似する事象は出現しておらず、対象者が居たという真実もない。
 ̄― ̄
カーディナル(三代目)
色調:赤
階位:枢機卿
所属:組織の介在者
対象能力:阻礙(究極的にいえば"万物への介入")
旧称:フムル・アリフ(千の赤)
記録を抹消され、本来は存在しない人間、"亡霊"であるマレットやヘイズに並ぶ
紅の亡者。称号であるカーディナルに該当する条件は普遍に介在すること、
でありカーディナルとして介入できる領域は限定されない。
つまりは、目的をもって介在する意思を働かせればどのような事象にも関与できる。
万能である反面、個人の能力に影響されるような特定の条件下において
カーディナル自身の"強さ"が伴わなければ目的を成就することはできない。
-基本性質-
対象者能力である"阻礙"は通常、一定範囲に内在する対象(特定的ではない)に対して
外在する干渉によって実体を持たない障壁などの遮断機能を主に作用させる。
一種の除外的な行為に関して拒止することで自らを防衛し、
自分に干渉する対象物を分界して、能力が結界としての役割を果たす。
-人格-
カーディナルとしての意識は、傍観と孤独にある。
-容姿-
素顔は割れた仮面の下に布で覆われ外見から性別を判断するのは困難。
歴代のカーディナルも素性の隠匿は最低限行っていた。
無骨で無機質な地味な石膏のひび割れた仮面が顔の半面を隠し、
片面から覗く布地は目の周囲を囲むように広がり頭髪は後ろ髪が
宛らポニーテールのように垂れ全体的に完全に露出していないわけではない。
布は一体となっており、瞬時に着脱可能。普段はフードを深く被っている。碧眼。
-過去のカーディナルたち-
カーディナルとなる人物は総じてアラビア語の符号が与えられる。
初代カーディナルを襲名したアハマルや二代目であるサワード、
そして現在のカーディナル、フムル。
-少女"ティスア・ラウン・ファルド"-
フムル・アリフの実名、つまりカーディナルの元々の
名前はティスア・ラウン・ファルドである。
アラビアの人名であるがアラビア出身というわけではない。
孤児の少女(ティスア)は施設を脱走したことで追われていたが
偶然その場に居合わせた
初代カーディナルであるアハマル(素性不明)に養子として引き取られた。
アハマルは少女を利用して潜入工作を行うつもりだったが
諜報任務に失敗して組織から狙われることになる。
複数の追っ手から逃れるため、偽装した個人情報を作り
少女にティスア・ラウン・ファルドという偽名を与えた。
それ以前の記録や記憶がない少女にとってそれは自分の本当の名前となったが
数年続いた逃亡生活の末、アハマルは突如消息を絶ってしまう。
-"フムル・アリフ"-
-共通する両者-
カーディナルとマレットは酷似した境遇から互いを特別視している。
事実、マレットの養父であった情報将校のヴェルフ・アルベールは
アハマルその人であり、偽装した身分の一つに過ぎない。
故にカーディナルとマレットは同じ人物に育てられたといえる。
しかし、環境には大きな差異があり、マレットが比較的裕福であった一方、
カーディナルは地域紛争の絶えない勢力下に身を置いていたため
戦時の隠居生活を強いられていた。どちらに対しても愛情とは無縁な
養育だったがアハマルの目的が少女らを身分の証明に利用しただけなので
元々の人格も相俟って父親らしい振る舞いなど微塵も見せなかった。
-"アハマル"という人物-
多重諜報工作員として初代カーディナルの称号を授かった人物。
その技能は各国が直々に依頼するほど優れており、単独での潜入任務や
工作活動において失敗した事例はない。基本的に他者を信用せず
寡黙でいて感情を殺しているため、演じている偽りの素顔以外では
人間的な一面が全く無い。但し、精神が病んでいるわけでも
無感覚なわけでもないので自我を優先するような行動を取ることもある。
通常は依頼された仕事に忠実だが常に自身を危険に晒すことでしか
生きている実感を得られず、報酬や誰かのために任務をこなすことはない。
個人の情緒(特に自分の感情)を表現することやそれ自体に関心を持つことがなく
言い換えれば無気力的な態度を取る。命に関しても同様で
生命を軽しめるような言動も目立つ。(生命そのものを敵視しているわけではない)
工作員になる以前は傭兵として遍歴していた過去を持ち、
年齢は不詳ながらも相応の老年らしいが面立ちは若さも感じさせる。
偽名にはヴェルフ・アルベール(マレットの養父としての偽名)や
リベット・ジョン・フォワード、ウィリアム・ウェア・ルーフェン、
ヒース・ヘザー(ティスアの養父としての偽名)、アルテュール・クリストフなどがある。
-二代目カーディナル"サワード"-
アハマルを裏切った同伴者ベリル・サルヴァーはサワードの偽名である。
アハマルは正体に気付いていたもののサワードの巧妙な罠に
想像以上の時間が掛かり、脱出できずに消息を絶つ。
(死亡したと断定できる状況だが死体や痕跡は見つかっていない)
以後、カーディナルを襲名するようになったが
称号を妬んでの謀略だけでなく、過去の因縁に執着している。
(対するアハマルは記憶すらしていない事物)
フィリム・ジェスターとしてアハマルと同じ組織に属していた頃から
アハマルに対して憎悪に近い感情を抱いていた。
また、サワードのみアラビア語で黒を意味している名称で、
その名から異端的な扱いを受けていたことが示唆されている。
-カーディナルを継ぐもの-
本来の契約通りならあと数年以上期間があったが、サワードの計略により
早められた称号の継続。三代目である現カーディナルが選出された所以は
フムル(ティスア)がアハマルの後継者である以上にカーディナルに
最も近い技能を修得していたことが影響している。
-ロイエ・ユーカーとアハマル-
双方とも類似した経歴があり、マレットの感じた面影など
ロイエは何処かアハマルを想起させる。
例えば、最も信頼できるのは"風"であると称したロイエと
アハマルも同じような考えを持っていたことや
時期的に生存していたアハマルがロイエとして傭兵に復帰していてもおかしくは無い。
ただ、結果的にロイエも消息を絶っているため同一人物であるとは断定できない。
同一人物だと仮定すれば、アハマルは二度生死不明の状況に陥り、
その都度生還していることになる。蒼深煙が「異常な化け物」と危惧していた
相手もロイエ(アハマル)だと推測される。
高層都市の調査課が作成した報告書ではアハマルの生存は未確認となっているが
同時にロイエとの関連性は一致の割合が全体の半数以上を占める。
<暗躍する調査課>
正式名称は高層都市特殊対策室調査課。都市内の異変を逸早く察知し、
それらの情報を収集・管理・統制する団体。アマランス指揮下の
選出された数名の諜報員も参加しており、少数ながらその情報力は侮れない。
-すべてに関わる"アマランス"の跡-
IIOの全権を握る総帥にして元組織の創始メンバーだったアマランスは
高層都市内における権力者の中でも特異な存在であり、独自に
様々な関わりを持つ。それは、都市域外の外部も例外ではなく
あらゆる事象にアマランスという痕跡が遍在する。
その個人では不可能な行動範囲から複数の団体による総称であると
推察されるが、アマランス自身は単なる固体に過ぎないと主張している。
-高層都市に集う亡霊たち-
[霧の亡者"ヘイズ"]
[過去の無い少女"マレット"]
[過去を失った介在者"カーディナル"]
[遍在する不可思議"アマランス"]
その他に、亡霊と称されるロイエ(及びアハマル)は高層都市ではないものの
記録上では死亡したことになっているので亡霊扱いされる。
――
―使用装備
・誘導装置組成型特製高性能爆薬(SpecialHighExplosives){以下の技術が応用される}
|精密誘導爆弾
|高密度不活性金属爆薬(DIME)
|燃料気化爆弾(FAEB)及びサーモバリック爆薬
通常使用される爆薬。破片の飛散をせず、物体の破壊を爆発による瞬間的な
原子的破壊を目的とした特定局地仕様の高性能爆薬。
誘導装置があるものとないものもあり、用途によって数種類を使い分ける。
対象物と同様に爆薬及び着火した対象自体も消滅する。
・燃焼加速爆発物(CombustionAccelerationExplosive)
通称、CAE。最も燃焼効果の高い爆発物で、
限定的な箇所を集中するカーディナルの爆発物の中では広範囲に拡散する。
発生させた火炎を壁のように利用したり、牽制などに効果を発揮する。
地雷のように地面に埋め込まれて使用されることが多い。
形状も独特で小型化された小片に衝撃を加えると発火し、
恰も炎を操っているかのように多彩な活用ができる。
・高度要素調整爆破装置(AdvancedElementAdjustExplosiveDevice)
通称、AEAEDは効果的な爆発を行うための爆破に必要な諸条件を調整し、
任意に機能をカスタマイズできる汎用性に優れた爆破装置である。
複雑な幾つかのパーツに分かれており、分解することで
微調整が可能で、時限爆弾として爆発時間を工夫できる。
標準の爆発物であるSHEに比べ、簡易的に製作できることから
即席爆発装置として機能を簡略化したものを携行することも多い。
・手榴弾
これも破片による被害は最小限となっている特別な手榴弾。
原理的にはスタングレネードに近く、威力はさほど高くはないが
不発となった爆薬を点火させる場合や緊急時に牽制として使用される。
・特殊曳光擲弾"鮮紅"(StarShellGrenade)
SSGはグレネードと照明弾を合わせた見当識失調効果のないスタングレネード
(のようなもの)である。副次的な障害がないので単純な目眩ましや照明として用いる。
他の爆発物と組み合わせることで花火のような視覚的な演出ができる。
カーディナルは特定的な爆破を高度な誘導技術と巧緻な作戦や罠、特製の爆薬で行う。
また、破片による二次的な爆傷よりも一瞬ですべてを吹き飛ばす
圧倒的な爆轟によって対象物を瞬時に消滅させることに重点を置いているため
極小の範囲内の対象を超局地的に破壊(消滅)する。
故に爆発自体の領域は狭く、直撃しなければ無傷で回避できる。
言うなれば限定的な核爆発であり、
一点に集中されたエネルギーは凄まじい破壊力を生む。
(但し物理的殺傷能力によって人体が破壊されることなく残骸すら残らない)
蒼深煙はカーディナルの作る爆発物の効果を見て、
まるでブラックホールのようだと語っている。
発破以外の使用では、何れも焼夷を目的とした燃焼が主体である
爆発で、爆発物の損壊によって生じる破片は一切なく、
爆風も極力無効化されている。爆風による熱傷は爆心地となった範囲で
衝撃を受けなければ大したダメージになることはない。(熱風が吹く程度)
乙子曰くこれらの爆発攻撃は
痛覚が作用しないレベルの瞬間的分解による物体の消滅
を起因させる限られた効果ながら、危険性は侮れないと考察している。
そのことから、マレットが交戦したデータを持ち帰った際に
次に戦う機会があれば、爆発は避ける(直撃しない)ことを推奨している。
 ̄― ̄
<武器・戦術>
[マレット]
マレットは臨機応変に適応し、現場環境の投棄物も利用するため
素手(丸腰)であることも多いが通常装備としてIIOから支給されている
セラミック合金の短剣二種、(後に得物とする特製の刀剣)、
乙子自作の専用の拳銃がある。窒化ホウ素を機械的に部分加工し、
先端にガラスを組み合わせることで鋭利な刀身をつくり、
(表層を覆う一帯を硝子でコーティングしているが外層の金属部分と
合わさることで硝子の部分が欠けても全体的な刃こぼれは起きない)
あらゆる性質に対応した刀剣"八雲(黒天)"はマレットが涕六館に忍び込んだ際に
持ち帰った日本刀をベースとしている。原型である八雲自体も
現在では大変稀少な1級A玉鋼による刀匠が鍛錬した数少ない日本刀で
模造ではない真剣が涕六館最古資料室に保管されていた。
[ロサード]
ロサードは猫である以上、所持できる武装も限られる。
さらに直接的な戦闘を対処することもないため
基本的にマレットの支援を行うための最低限の装備(通常は何の装備もない)
を要する場合もある。
[カーディナル]
カーディナルは携行する装備を極力抑え、適量の火薬や爆発物の類を携帯している。
計算された箇所に予め配置した爆薬などを適切なタイミングで起爆させ、
最小の力で最大限の機能を発揮する効果を選ぶ。それも事前に爆破する対象の
周辺や内部の構造などを知った上で立案した巧緻な構想によって
通行する理想的なルートを算出し、最小限の歩数で罠を完成させる。
少ない力で大きな力を生むという行動の根幹はカーディナルの優れた技巧で
成り立ち、それは想定していない状態や突発的な出来事にも対処できる。
基本的な攻撃手段は爆発による衝撃や破砕の障害だが
爆破に頼らず自らが戦うこともある。また、近接格闘戦闘においても
相手を圧倒する実力を有し、単純に対象を無力化するだけなら
マレット以上のポテンシャルを秘める。銃器などの武器に関しても
積極的に使用することは少ないが、大抵の種類を使いこなし
戦術で予測不能な事態を補正する場合に用いる。
一方で刀剣などの膂力を必要とする武器は触れることすらない。
(現実的な近代紛争を知っているため、銃器の方が優れているという判断)
起爆に使用するのは機械的な装置を組み込んだ手製の爆発物だが
緊急時では手榴弾も使用する。
[ヘイズ]
ヘイズは生命を厭わない亡霊で、無謀な戦い方が目立つ。
特に長剣や刃物といった現代では有り得ない物理的な武器を好み、
単身で突撃して接近戦を仕掛ける。そんな無茶を可能とする
常人離れしたアクロバティックさとまさに死なないような執拗さで
獲物を追い続け、銃弾を物ともしない。
逸脱した機動力と無尽蔵とも思える体力から消耗戦となれば勝ち目はない。
化け物の形容に相応しい人物であるが、マレットの生存への執念や
カーディナルの罠に追い込まれるあたり、無敵とは言い難い。
[蒼深煙]
[オーカー]
[ヴァイナス]
―
[ローシャ]
[蓮雪]
[アマランス]
[真束乙子]
 ̄― ̄
劇場版 Glazed Hoar -Lost Desire-
開放された高層都市を舞台に生き残りを賭けた戦いが始まる―
―概要―
原作の高層都市編直後の出来事。
崩壊した辺境を復興すべくタワーから派遣された一人の外交官によって
都市内は大きく激動する。乙子の突然の異動に伴い、
自然的に解体した第四支部を去り、外界を目指すマレットだったが
観測者から不自然な忠告を受け、タワーへ向かうカーディナルと思しき人影を追って
再び都市へ戻る。しかし、都市では既に複数の対象者が暴動を起こし
凄惨な状態に陥っていた。その中で、暴動の首謀者"ヴァイナス"が
サバイバルゲームの開幕を宣言する。巻き込まれたマレットはロサードと合流し、
事態の収拾と、カーディナルの行方を捜して戦場に立つ。
=Character=
[マレット・ヴェア]
[ロサード]
[所長]
主任、博士などとも呼ばれる。
原作の真束乙子に相当するが作中では明確な名乗りはない。
高層都市のタワー外周で会議室からマレットたちをサポートする。
[カーディナル]
倒壊事件とタワー襲撃以降姿を消していた孤高の介在者。
組織を離れていたが、リェンの案内で高層都市へ赴き、遣り残したことを
成し遂げるためサバイバルゲームに参加する。
[リェン]
蓮雪に相当するキャラクター。
[ヴァイナス]
対象者の楽園を作るという目的を掲げ、高層都市に乗り込む。
絶対の強者を決めるべくサバイバルゲームを主催。
[マスター]
謎の多い対象者。
[グシェ]
ヴァイナスの手下の一人。
サバイバルゲーム開始と同時にヴァイナスに手始めに撃破される。
[属性使いの対象者(アルセ・シュナイダー)]
エレメントマスターと名乗る雑魚。カーディナルと遭遇し、一撃で倒される。
[投擲能力の対象者(サビ・イルダ)]
物体を投げる力が増幅される対象者。
マレットと戦い、狭いビル内で交戦するも軽くあしらわれる。
[重力変化の対象者(ガナーシュ・ハランド)]
サバイバルゲームでヴァイナスと一戦交え、追い詰められるも
ヴァイナスの提案で一時撤退する。その後マレットを奇襲し
ナイフの男との挟撃でマレットを苦戦させた。
[ナイフの男(ジョン・リッター)]
数本のカトラリーナイフを扱う紳士服の男。
[アヴェンジ]
カーディナルと激闘を繰り広げた黒衣の復讐者。
カーディナルに異常なまでに執着し、憎悪している。
[リード]
ヴァイナスに協力する強力な対象者。
[アマランス]
[重役A~D]
[謎の人物]
[観測者]
 ̄― ̄
マレット・ヴェア(主人公)に纏わる普天観測
1.名も無い国で育った名も無き少女
自由な国土、無法となった領域、自己保身だけが生存の術である名も無い国は
廃棄された島国と管理されていない無人島からなる列国諸島の連合体である。
しかし、そこに正当な秩序など存在せず祖国を放逐された輩や後ろめたい過去のある
真っ当とは程遠い人種が人口の半数以上を占める国として認められず否定され、
記録すら管理すらされていない記録上、存在しない国家に群がる人々の中、
名も持たない少女がいた。一日を生きる、必死に生存だけに執着する
少女はいつからそこにいたのか、どうしているのかさえ分からず
ただ生きようと足掻いていた。
2.厄災を招くモノ―"黒の少女"
かつてフェリアと呼ばれた少女は"黒き災禍"を招き、大いなる闇を再来させた。
その罪咎を問われ、フェリアは戒めの牢獄で永遠の大罪を背負わされたが
数年後には後継者が現れた。それが後にマレット・ヴェアとなる名も無い少女だった。
フェリアは拘束された自らを単なる意識として地上にいる半身(蓮雪)と同化し、
名も無い少女に接触すると"黒き災禍"を彼女に託した。
3.偽りの名を連ね、救世主となる少女{ディア・アージェント/アスワルド}
やがて高層都市建設に伴い、世界が急激な変化を迎えた現在に
アハマルとの出会いによって成長した少女は偽りの名を与えられ
暗殺者として高層都市に現れる。そしてマレット・ヴェアとなった彼女は
宿命の因果を知らぬまま真実を求めて彷徨い続ける。
4.千の戦い{キーリア・メア・セーブル}
カーディナルと邂逅したマレットは"黒の少女"の覚醒する前兆を感じ、
対象者や高層都市の隠された真実を知る。すべての鍵を握るアマランスを
打倒すべくIIOに叛乱するマレット。しかしそれは小さな始まりに過ぎなかった。
5.真実の自我
フェリアの意識から解放されたマレットは自分自身の意志で
マレット・ヴェアとして生きることを決心する。
それは欺瞞の中で生きてきた少女にとって真の自我に目覚めた瞬間だった。
 ̄― ̄
必要条件の設定
・登場人物の縮小化
【Main Character】
[マレット・ヴェア(mullet vair)]
本編の主人公。
[カーディナル(cardinal)]
第二の主人公。組織の介在者として敵対しているがマレットとの激闘の後、
単独行動が以前にも増して目立つようになり、組織から追放される。
[ロサード(rosado)]
マレットの相棒。白い猫に憑依してしまった対象者。
猫での生活に慣れてしまい元来の人格はさほど気にしていない。
[ヘイズ(haze)]
霧の暗殺者として高層都市内を徘徊する殺し屋。
マレットやカーディナルらと同じく記録を抹消された未登録者だが
高層都市完成以前から近辺に出没しており、本当の亡霊ではないかとの噂もある。
高層都市崩壊と共に行方を晦ますが、その後天水に雇われて日嗣の護衛を務める。
[アマランス(amaranth)]
IIO統括者にして組織の創始メンバーの一人だった得体の知れない人物。
[真束乙子]
IIO総合技術研究主任。実質的な支部長で人員不足の現IIOを支える数少ない構成員。
優れた開発者であるが変わり者という典型的な人。
[蓮雪(リェンシュエ)]
組織の仲介者にして唯一組織のトップと繋がりがある謎の少女。
-外界の住人-
[真束麗]
[小坂椎(こざかしい)]
第二編より登場。高層都市から逃れた人々を保護する"正陽会"の副会長。
都市の外界にある第二首都に専用の事務所を構える頭脳明晰未亡人。
[八津綾綺(やつりょうき)]
第二編より登場。機密や情報を伝達する秘密の運送屋。
水分神社(みくまりじんじゃ)でマレットと遭遇し、瞬時に諜報員だと見抜く。
数少ない明確な男性キャラクターだが人格的には変人である。
頭が切れ、瞬間的な観察力や記憶力に長けているものの"最悪"が口癖の残念系少年。
予期せぬ災難に巻き込まれやすく、気が付くと事件に首を突っ込んでいる。
[西浜音佳(にしはまおとか)]
第二編より登場。数週間前に交通事故で他界したが、
虚魑魅によって蘇生しマレットの前に現れる。
[蒼深煙(ツァン・シェンイェン)]
[オーカー]
第二編より登場。カーディナルの後釜として"本部"から派遣された介在者。
[天水(てんすい)]
天主として"帝釈院"を設立した教祖。
[御座居日嗣(みくらいひつぎ)]
天水等が崇める神子。
[虚魑魅(からすだま)]
外界で噂される謎の怪人。歪な髑髏の装飾品を身に付け、
亡者を求めて夜な夜な街を徘徊する。以前はヘイズのクライアントでもあり、
高層都市計画以前の組織の初期メンバーの一人だがあらゆる記録を抹消されている。
[ロイエ・ユーカー(アハマル)]
[サワード]
//
~Words~
<外界>
ゾーンによって遮断され、孤立している高層都市から外側の世界。
<第二首都>
原初計画及び高層都市計画では首都の位置を基盤として発展した高層都市を
完全なる首都に定めていたが万が一の可能性や不測の事態に備えて
首都機能の麻痺を危惧した結果、第二の首都が誕生した。
高層都市から凡そ離れていないがゾーンで隔離されることもなく
独立した役割を果たす。第二の首都はいずれ高層都市と同じように
多国籍共生文化を実現すべく様々な人種や人々が暮らせる巨大国家になる予定だったが
ゾーン出現と高層都市が隔絶されたことによりその目的は一時的に停滞している。
<帝釈院>
選ばれた神の使者である神子を崇拝する宗教団体、及びその主要施設。
<正陽会>
民間結社。
<水分神社>
――事件発生チャート――
・原初の胎動
・組織解体
・高層都市建設計画始動
・帝釈院が世界的に浸透{外界}
・IIO創設
・高層都市完成
・塔などを併設し多国籍共生文化都市となる
・組織再結成
・ゾーン出現、高層都市隔絶
・各地でゾーン発生{外界}
・カーディナル、組織に参加
・都市内の廃棄区画に出没する亡霊の噂
・マレット、IIOに加わる
・マレットの都市内の密偵、暗殺任務
・高層都市内のゾーン増大
・マレット、IIO第四支部に配属
・対象者が確認されるようになる
・マレットにロサードが随行する
・介在者の活動が活発化
・マレット、早朝任務
・カーディナルがビル倒壊実験
・マレット、行動開始
・マレット、廃墟でヘイズと交戦
・第三支部がカーディナルに襲撃される
・高層都市が崩壊し計画破綻
-第二編-
・高層都市の壊滅により外界へ脱出
・天主様信仰拡大{外界}
・機密を巡る情報紛争勃発
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ̄― ̄
blacker colder .Refine
E1:pale the ghost/dimly shimmer/gleam of detonation/
E2:mere merely/salvor spire/redeemer remind/vanish away/Messiah Extinction/
E3:煙霧のカスケード/有相のモノグラフ/普天の時辰儀(クロノメーター)/
Revenants
Heliand
Requiescat in Pace(安らかに眠れ)
沈黙のオラトリオ
リアリティ・フラット
Jacta alea est(賽は投げられた)
fluctuat nec mergitur(たゆたえど沈まず)
vitae aeterunae(永遠の生)
灰の少女とファランドール
:涕六館攻防戦(ていろっかんこうぼうせん)
別名、涙の館と呼ばれる涕六館に潜入したマレットは
複数の追跡者に追われ、地下室へと逃げ込む。
しかしそこはかつて人体実験が行われていた因果な場所だった。
施設の破壊を目論む介在者に対し、マレット不在のまま
ロサード等は涕六館の防衛を開始する。
/
彩雲の隻影
罪咎の烙印
緋連の傷痕
千古の雷光
―Place―
高層都市
―
【IC(Intelligence Collective)】
組織の旧称。IIOの前身機関でもあり、組織が解体するまで
独自の諜報結社として暗躍していた。
【IIO(Information Integration Organization)】
―Battlefield―
戦場の定義条件
~現実的な事象に関連する。{適切な演出における過剰さは例外とする}
~戦闘が可能である。{読者の十分な想像が到達できる範囲}
~明確なイメージに類似した情報の付与{想像の補完}
<高層都市域内>
:タワー周辺及びタワー内部
>タワー内構造:高層多重/内装は通常のビルディング様式から様々/上に行くほど厳重
:監視塔最上階(屋上展望フロア)
:居住区付近(隣接する商店街など)
<高層都市/交通機関>
:車両{高層都市の設定により、車両の所有は限定される}
:列車(車内・車上)
<高層都市域外(ゾーン臨界)>
:海上・海面{何らかの歩行手段或いは戦闘的干渉が必要}
:海中{水中での表現に限界あり}
:船艇(船首・甲板各部)
<外界(高層都市近郊)>
<外界(国境~遠国)>
<外界(海外)>
<その他(特殊状況)>
:空中{落下状態を想定}
:飛行機
 ̄― ̄
―
blazon align Insignia {黒スターシステム計画1}
coat of arms
自然の力や理を実現と結びつけ、印を媒体に発現させる"紋章術"。
その紋章術で成り立つ世界"グランヴェルト"。
そして、大陸最大の国家都市"ルクタリス"は紋章を扱う紋章術士、
中でも精霊と契約した高位の術者が多数存在した。
=世界観=
異界"ディスタント"を除き、グランヴェルトは一つの大陸を主として構成される。
その大陸"セフィラ"の中部に位置する最大都市ルクタリスでは
紋章術が盛んで生活や技術などあらゆるものを紋章で表象していた。
ルクタリスは非常に広大で、地域事に区画分けされており、
各所は70を超えるといわれる。紋章の起源は古来より信仰があった
精霊の根源たる力を具現して行使する"魔術"に由縁し、魔術そのものが廃れた
現代に近代的手法を交えて復活させようとした動きが発端である。
紋章は魔術(魔法)と違い、媒体を要して制約も多いがその者の力量分相応に
値することができるとして、公知の概念となった。
精霊とは、神聖な象徴を意味し、必ずしも顕現した存在ではない。
精霊の主は精霊を束ねる存在であるが、万象の王とも呼ばれ
世界の自然やすべてを司る神に近しい実体のないものを指す。
特定の術者にはこうした精霊の加護が与えられ、紋章術士の中でも特別視される。
<グランヴェルト>
<セフィラ>
<ルクタリス>
<シャングリフ>
セフィラより少し離れた小さな大陸にある城塞都市。
<ヘオフォン>
失われた文明の古跡。周囲一帯はロストエリアと呼ばれ、地図にも載っていない。
高層建築物の残骸と思われる瓦礫や大規模な施設の痕跡から
かつてそこに人々が暮らしていたことを示唆する。その文化水準は現代より高く、
シャングリフなどの一部の地域ではヘオフォンの技術に倣うものも多い。
<紋章>
紋章は通常、シールのような印章などを主体とし、作成される。
その紋章そのものと媒体となる物体、そして術者が必要で、
何れかが欠如すれば普通は発動できない。紋章の効力を決定するのは
術者の技量は勿論のこと紋章自体及び媒体に影響を受ける。
媒体は壁や岩など固定的なものから水などの流動的なものまで様々だが
生命に直接紋章を刻むことはできない。(禁忌とされている)
<紋章術士>
この世界で最も主流の職。紋章を扱う者を表し、低級ならば生活の為に
紋章を用いる一般市民から覚えたての未熟者まで幅広い。が、
基本的に紋章術士と呼ばれるのは紋章による戦闘行為を可能とし、
ある程度の技能を身に付けた者に対して呼称される。
中央議院が定めた高位の術者は更に異名を授けられることもある。
<中央議院>
正式名称は中央紋章議院。
<聖堂教会>
シャングリフ大聖堂を本拠とする宗教組織。単なる信仰布教だけに非ず
法外使徒を擁して"魔術"要素の復活を目的に活動している。
<法外使徒>
紋章術士でありながら異端の外法を用いる者のこと。
どちらかといえば魔術に傾倒し、教会一派に属することが多い。
中央議院からも異端視され、敵対者として扱われている。
<契約>
<十三階梯>
議院が定めた紋章術士の中でも上位の実力者に授けられたランク。
尚、法外使徒にも同様な階位があるが指標であるため力量は測れない。
―登場人物―(*順序は暫定)
~Main~
[ノエン・フェオ]
本編の主人公。"疾雷の紋章術士"の称号を持つ例外の異端者。
本来必要とするはずの紋章の媒体を介さずともある程度の能力を行使でき、
中央議院から不確定要素(イレギュラー)と称される。よって階梯もない。
ノエンが生まれて間もなく精霊の主が盟約したため、互いに干渉しないことを
前提に議院の管理下を離れ、その行動も黙認されている。
自身の高速化に長け、瞬間による生存力は極めて高いが
基本的な属性紋章などの扱いは苦手。
<11連ハンドナイフ>
11つ連なったカトラリーナイフセット。普段は折りたたみ、収納されている。
[キーリア・メル・ハウエル]
ノエンが旅先で出会った不思議な少女。
[メイベル・セヴァリー]①
世界最高の紋章(術)を夢見る自称紋章博士。
かなりのコレクターで、珍しい紋章を蒐集している。
博士と名乗るだけあって紋章などに関して詳しく、自作の紋章まである。
[ファード・エイク]②
複数の偽名を使い分ける流離の紋章術士。称号はないが、実力は上位に匹敵する。
主な偽名はジュスト・フェローチェ、レジェロ・カルマート、
アコード・ジール、モルト・アルベールなど。
口癖は「わかってらっしゃる」「ご承知ご承知」など
[ノエティア]③
北部の中心であるノースリッド外れの森林奥地に構える古城に住む北方の魔女。
もはや古びた概念になりつつある"魔術"を現存して扱える数少ない人物だが
根本的な問題で僅かな結界を張るちからしか残されていない。
ノースリッドの術者であるレシェと対立していたが
フェイドの介入により危機的状況に陥る。
ルディと共に来訪したノエンがレシェ等を撃退し、以降協力関係となる。
[ロサード・グライス]④
無名の傭兵である"淡紅の紋章術士"。
[ベアリッド・ドレーン]⑤
水滴を媒体に紋章術を使う"水沫の紋章術士"。階梯は6位。
戦闘能力は決して高くないが術に工夫を凝らし、水滴を媒介することから
ベアリッドを警戒する者は少なくない。(最高位のシナンですら
あまり戦いたくない相手と称している)魔女であるノエティアとは旧知の仲。
合成した水煙のボトルと液体のボトルを携帯しており、水沫を拡散させる場合は
水煙を、通常はその場の環境にある水を、予備としてボトルの水を利用する。
水滴を媒介する場合、水の表面を微調整する高度な技術が必要となる。
[アージェント・セーブル]⑥
紋章術士の中でも上位に君臨し、階梯2位の"灰白の紋章術士"。
中央議院傘下の筆頭術者だが内部では教会側にも通じており、不可解な言動が多い。
[ヴェア・ヴェアリー]⑦
中央議院直属の称号付き術者である"斑紋の紋章術士"。階梯は4位。
拠点防衛のための結界方術を得意とし、大規模広域結界を
高速展開させることに関しては右に出るものはいない。
[ラプス・レイター]⑧
虚無から紋章を生成する特異な術者。称号は"勦滅の紋章術士"だが公式ではない。
非公認のため、階梯はないが3位以上に相当する。
[ドレッド・バージ]⑨
ヘオフォンに幽閉されていた虜囚。
~Sub~
-Chapter0-
[アンカ・エイル]
序編に登場。第六工房で紋章技術試験を受けていたが法外使徒の襲撃により、
工場に取り残される。通り掛かったノエンによって救出され、
クルセイヴィアを末端教会へ案内した。
[クルセイヴィア]
"霜露の紋章術士"の称号を持つ紋章学士。戦闘を好まないが
一時的に高位術者と同等以上の力を発揮できる。階梯は12位。
[ウェッジ]
異邦会のメンバー。法外使徒でもあり、階位は低いが実力はある。
-Chapter1-
[ジェド・アーデント]
紋章術士を目指す少年。
[ジェレア・ラズワルド]
"氷雨の紋章術士"の称号を持つ紋章術士。
[ウェイル・ウィアード]
称号を剥奪された元上級紋章術士。
[モレンド]
異邦会のメンバー。
[ドルチェ]
異邦会のメンバー。モレンドとよくつるんでいる。
-Chapter2-
[ギルベルト・レフィナー]
至高の作品を求める"彫刻の紋章術士"。
[クインクエ・ヘイル]
ミルザムと結託する"残痕の紋章術士"。階梯は11位。
[ミルザム]
異邦会のメンバー。法外使徒ではないものの狡獪な罠で獲物を仕留める。
[アーヴェル]
異邦会のメンバー。
-Chapter3-
[ルディ・アドー]
各地の調査や旅人の案内を行っているガイドマスター。
[レシェ・フロウズ]
[フェイド]
異邦会のメンバー。ジャックによって称号を剥奪された紋章術士で、
多数の紋章を同時に使う。
-Chapter4-
[エアリー・メア]
"陣風の紋章術士"。
[ミレ・アルフ]
探し物を見つける"繋索の紋章術士"。
[シェイク・ラバルム]
破壊を好む"震顫の紋章術士"。階梯は8位。「戦け、さらに悚懼せよ」
[ヴァイナス]
異邦会のメンバー。元法外使徒の男。
-Chapter5-
[シナン・ミトラス]
現在の階梯1位である最高位の術者。
[アロン・ミリアム]
グラジオラス騎士団団長。
[アーディン・ヴァロー]
[ハーミス]
異邦会のメンバー。
[ヘクトス]
異邦会のメンバー。
-Chapter6-
[ゼアード・ヴァルト]
名うての傭兵。紋章術士ではないがある程度紋章を戦闘で扱える。
[デリック・アッシャー]
冢塋を司る"斂葬の紋章術士"。階梯は7位。いわゆる墓守であるが、
この時代の墓荒らしは埋葬時の財宝目当てではなく葬儀に際して
お守りとして作られ、棺の装飾などに用いられる高純度の結晶が
高価値な紋章の媒体となるため狙われることが多い。
中央議院からの命令次第では不正な相手に対する執行を遂行する処刑人ともなる。
[ジャック・フォリア]
相手から称号や宝などを奪い取ることを信条とする"褫奪の紋章術士"。階梯5位。
宛ら盗賊のようであり、彼を敵視する者は多いが一方で義賊として賞賛されている。
[ブレイス]
異邦会のメンバー。
[ベスパー・オズワーカー]
異邦会創設者。法外使徒の中でも高い技能を持った正体不明の人物。
-Chapter7-
[スアード・プライアル]
階梯は13位。
[アーディ・アルディル]
気楽な行商人でありながら、"諧謔の紋章術士"の称号を持つ。
[ヒャカ・マロース]
[ドルグワント・サルワ]
悪逆な法外使徒。
[ヴィロン]
教会の教徒。
-Chapter8-
[イザール・ジェスター]
"旗幟の紋章術士"。
[グリーゼ・グライド]
[アトリア・ギェナー]
[ヒース・ウェルター]
"激浪の紋章術士"。
[ワフマン・キルヒェン]
背教の法外使徒。
[ジオマスク・オーカー]
謎の法外使徒。
-Chapter9-
[リヴァ・リエール]
[タンタレア・モーキス]
[ディナ・ヴリズン]
[チェル・ジーヴル]
[アルドウィ・アナイティス]
ノートリアスに忠誠する法外使徒。
[ノートリアス・イリシット]
法外使徒を統率する者。
-Chapter10-
[ヴァレリー・ジェア]
[セルウィ・ノウル]
[フィナ・ヴルーヘル]
[プリーメル・クラウディ]
[グライゼン]
教会の使徒。
-Chapter11-
[ベリア・グローヴィア]
[ヘレナ・トルバベール]
[グラウィス・トランシャント]
"詠嘆の紋章術士"。階梯は9位。
[アデュラリア]
教会の使徒。媒体に蒼鉛や礬土を用いる。
-Chapter12-
[アルコ・フェルマータ]
[クーア・ライヒス]
[アルタ・メノ]
[リル・フォーリッジ]
[ホルンフェルス]
教会の使徒。
-Chapter13-
[ワシリー・フォマ]
[ガウジ・ミロ・カタクレー]
[フューネラル・ギュールズ]
[パイロープ]
教会の使徒。
-Extra-
[カームノウト]
中央議院議長。
[シャムロック]
中央議院の一人。
[ヨーウェ]
中央議院の一人。
[ユーシェス]
中央議院の一人。
[ルーベル]
中央議院の一人。
[ダスティン]
中央議院の一人。
[メトゥス]
中央議院の一人。
[エオン]
中央議院の一人。
[アーネスト・ユンカー]
中央議院の一人。新参者であり、まだルールを熟知していないが
脱退したグラーフに代わり、後釜として議院へ参加した。
[グラーフ]
元中央議院の一人。名の通り、伯爵と呼ばれる。
[フュルスト]
元中央議院。
[ヘルツォーク]
元中央議院。
[ミステッド・アイフォッグ]
ルクタリス市長。
[アルテュール・ホワイトネス]
傍観者。
[ベレヌス]
精霊の主。
~十三階梯詳細~
01. シナン・ミトラス『不滅の紋章術士』
紋章術士の始祖バロン・アルシードを師と仰ぐ最高位術者。
基本的な紋章術をベースに、多彩な方術を扱え、総合技能も高い。
が、通常で目立った特殊能力はなく、現在二位のアージェントの方が
強いと称す者も少なくない。シナンの最も特徴なのが深奥の刻印によって
長期戦に適した"消えない特異性"である。特に滅失系のラプスなどを相手にする場合、
一撃が死を意味する。なので、シナンの消滅無効化能力は極めて貴重。
02. アージェント・セーブル『灰白の紋章術士』
粉塵や白色の物質を主な媒体対象とする現時点で最強とも謳われる術者。
シナン同様、長らく遠征に赴いていたがアトリビュート崩壊の一件以後、
ルクタリスに再来した。中央議院に匹敵する組織を野望として企てている。
03. ベリア・グローヴィア『光耀の紋章術士』
光を媒体とする紋章術士。擬似的に作り出した光でも術を発動できるが
天然の自然光の方が精度などは上がる。傍観者アルテュールも光を御するが
ベリアはあくまで紋章術としての応用なので単体では使用できない。
戦闘にはさほど参加しないが中央議院からの勅命で教会の聖堂を鎮圧する
任務をこなし、その戦果によって三位まで上り詰めた。
04. ヴェア・ヴェアリー『斑紋の紋章術士』
紋章を紋章らしく扱う紋章術士。
05. ジャック・フォリア『褫奪の紋章術士』
相手が使用した又は配置した紋章を利用したカウンターを主体とする特質な術者。
相手の紋章次第で性能も変化し、倍返しができるが相手が紋章を使わなかった時、
こちらから攻撃ができない欠点もある。
06. ベアリッド・ドレーン『水沫の紋章術士』
撥水と浸透など液化状態における動的影響を利用し、持続的な紋章術や
任意のタイミングで発動をずらすことができる。水滴が主な媒体であるが
自然の降雨は不規則であるためベアリッドはあまり使いたがらない。
自前の水や池などの環境を駆使して術と成すのが基本で
一滴の雫でも十分紋章術を行使できる。応用として固体変化による
冷凍、滴ではない水流の制御、顆粒を雪にして降雪する多様性がある。
07. デリック・アッシャー『斂葬の紋章術士』
触れた対象に刻印を刻み、その刻印が有効(消去されていないなど)であれば
どんなに離れていても相手を蝕む。いわば毒のようなものだが
最大の特徴は相手がある程度瀕死になると
墓前(或いは何らかの空間)に転移させることで、その後の死体処理も兼ねている。
08. シェイク・ラバルム『震顫の紋章術士』
シェイクの基本特性は対象に与える振動によって内部破壊を行ううねりである。
重力変化も影響し、最大規模の術となれば国一つを瞬時に沈下させる。
だが、術者の対応距離がさほど長くないのでシェイクが近くにいなければ
発揮されず、安易に周囲を沈下させることは自分への危険性を伴う。
振動は何も無い中空でも効果を持つが蓄積できる対象がなければ
力は発散し、やがて消滅してしまう。
つまり、何らかの一定空間でなければ効果はない。
09. グラウィス・トランシャント『詠嘆の紋章術士』
自分が感動した出来事を記録し、それを引き出すことで対象をコントロールしたり
自分を強化したりする変哲な紋章術士。心的現象に深く関連しており、
グラウィスの精神次第では無敵でもある。
10. ヴァレリー・ジェア『楔子の紋章術士』
大聖堂直属の選良護衛部隊"カテドラマギステル"の一人。
公的に教会勢力の一派でありながら中央議院に認可を受けている数少ない人物。
11. クインクエ・ヘイル『残痕の紋章術士』
城下の貧民育ちである戦災孤児。身元不明で名前すら判明しないため
地下聖堂の孤児院に預けられた五人目として5を意味するクインクエと命名された。
ギルベルトと似たような"痕跡"を媒体として紋章術を使う術者で遅効性が高い。
12. クルセイヴィア『霜露の紋章術士』
本来の能力は微々たるもので十三階梯に成りえるはずがなかった人物。
しかし、メイベルに連なる合成紋章の研究成果が称えられ、称号を授与される。
独自の固有紋章から人工的に紋章を生成した二人目で、メイベルに師事している。
霜露の二つ名の通り、極僅かの時間のみ紋章媒体なしの発動や効果の強化、
自身の技能の向上、術の高速展開などの恩恵が得られる。
しかし酷使すれば命に関わる。
13. スアード・プライアル
十三階梯に認定されていながら唯一称号を持たない紋章術士。
称号持ちではない理由は、ドレッドのような危険人物として警戒されているか
既に剥奪されているか、などが挙げられるがスアードに至ってはどちらでもない。
《ノエン編》
[ノエン・フェオ]
[キーリア・メル・ハウエル]<Episode0「祷祀の祭壇」~/>
[ロサード・グライス]<Episode5「淡紅の傭兵」~/>
『一章"紋章世界"』
=登場キャラクター=
[ファード・エイク]<Episode0「遡源のエピファニア」~>
[クルセイヴィア]<Episode1「second contact」~>
"霜露の紋章術士"
[アデュラリア]<Episode1「氷の意思」~>
[ベアリッド・ドレーン]<Episode2「水底の奇」~>
"水沫の紋章術士"
[アルドウィ・アナイティス]<Episode2「荒野の街」~>
[ノエティア]<Episode3「北方の魔女」~>
[ドルグワント・サルワ]<Episode3「古跡の罠」~>
[メイベル・セヴァリー]<Episode4「魔境探訪」~>
[グラウィス・トランシャント]<Episode4「玄奥なる詠嘆」~>
"詠嘆の紋章術士"
[ヴァレリー・ジェア]<Episode5「鉄鋼騎士」~>
"楔子の紋章術士"
[パイロープ]<Episode5「scorched forefront」~>
[ラプス・レイター]<Episode6「空白の秒間」~>
[ウェイル・ウィアード]<Episode6「frontal collision」~>
"残痕の紋章術士"
[ジオマスク・オーカー]<Episode7「暗澹の視地平」~>
[ヴァイナス]<Episode7「赤いエクステリア」~>
"褫奪の紋章術士"
[ヴェア・ヴェアリー]<Episode8「使者侵攻」~>
"斑紋の紋章術士"
[クィンクェ]<Episode8「fifth the queen」~>
"震顫の紋章術士"
[アージェント・セーブル]<Episode9「dark ruler」~>
"灰白の紋章術士"
[ワシリー・フォマ]<Episode9「破滅の暗雲」~>
[スアード・プライアル]<Episode10「dawn raid」~>
"斂葬の紋章術士"
[ヨーウェ・ユンカー]<Episode10「大陸紛争会戦」~>
"光耀の紋章術士"
[シャムロック・フュルスト]<EpisodeEX「time off」~>
[アルテュール・ホワイト]<EpisodeAnother「白の王」~>
[ミスツ・カームノウト]<EpisodeEX「合綴草稿"白きテオリア"」~>
-Episode0-
「原始回帰のモノローグ~階層都市~南端へ赴く」(序章)
「祷祀の祭壇」
「遡源のエピファニア」
-Episode1-
「風に戦ぐ緑地丘陵」
「second contact」
「滄海の方尖柱」
「氷の意思」
「凍てつく雨」
-Episode2-
「橋上都市~遭遇」
「水底の奇」
「降霜、堅氷、流水」
「十三階梯」
「荒野の街」
「諧謔の徒」
-Episode3-
「北路を往く」
「北方の魔女」
「ノースリッド騒乱」
「古跡の罠」
「再会」
「追撃」
-Episode4-
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ̄― ̄
-Main-
~登場人物~
[風月契]
本編の主人公。
[田部郡司]
中央管理局の特別捜査官。
元々は第三都市からの流れ者で各組織の情報を売る三重スパイだったが
央都へ赴任して以来、ベネラブルナインを独自に追うため組織と手を切る。
[門辺梟帥(かどべたける)]
通称、ウェド。
[ドレッド・バージ]
PIではないがフリジッドと同列視されており、不可思議な現象を引き起こす。
(フリジッドは自己の周囲に極度の低温を発生させるようなPIだった)
[浅黄三貴子]
連続失踪事件被害者の一人。
[ヘイズ]
教会の法外使徒。先遣して央都へ侵入したが麗と接触し、深層意識(猩紅)を顕にした。
それによって霧中連続失踪事件を引き起こした犯人となり、
濃霧の発生や失踪を手引きした。
[紫雲麗]
―――
-Character List-
[スアード・プライアル]
央都の完成当初の記念式典に参列した黒衣の男。幼少期に大量連続殺人事件に遭遇し、
親族を皆殺しにされ、孤児となる。それからというもの施設での生活も馴染めず、
唯一の話し相手だった少女と偶々外出した際に殺人鬼が現れ、目前で殺される。
精神的ショックよりも全てを奪われた深い悲しみと憎悪が湧き上がり
犯人の追跡を決意。数年後、央都の計画に関係している人物が
殺人事件に大きく関与していることを突き止め、身分を偽装して央都へ乗り込む。
最初期から、央都で居住するようになり、犯人の動向を探っていたが
突如として当時の怪奇伝説の一端である夕暮れに現れる"逢魔の女"と出会い、
犯人の手がかりは風月家にあると告げられる。契が越して来てから
様子を窺っていたが契に接触した別の人物を怪しみ、復讐を開始する。
[八束夜子(やつかよるこ)]
中央局の一画である研究施設"IIOラボ"の主任。
情緒の起伏が激しくある時は知的で冷静且つ合理的な人格だが
またある時は狂気に満ちたマッドサイエンティストでもある。
高度情報演算装置MARSを応用した知性プログラム"Alumina"を開発し
実用化に向けて日々改良を加えている。
央都の身分名義上ではエメリー・ドレーンで登録されている。
[霧原雅明(きりはらまさあき)]
夜子の助手。IIOラボでは下っ端だが若輩ながら研究論文が認められ何かと優遇される。
変人である夜子のフォローで常に厄介事を押し付けられる。
央都へ移住したてなので習慣に順応していない。
[梧桐平介(ごとうへいすけ)]
田部の同僚。数少ない中央局の関係者で情報工作を得意とする。
[アルエット・アタラクシア]
逢魔の女。教会の聖女であったが突如失踪し、素性を隠している。
[松藤ワイザー・ヌース]
辺境の工場を取り仕切る区画長。梟帥の上司。何事も畳用するくどい性格。
[ヒュレー・シーニュ]
央都中央局の局長。
[エネア・フロネシス]
ヘオフォンを推し進める教皇派に担がれる次代の聖女。
[ノエン・フェオ]
黒衣の少女。原初計画の初期における実験でPI能力を宿した9番目の存在であり、
教会から追われている。組織の施設を破壊し、都市部を壊滅状態まで陥らすが
予期せぬ介在者によって意図せず罪を擦り付けられる。その後は央都に潜伏し、
正体を隠すため、暗殺者"黒煙"(ヘイイェン)となる。
ノエンのPIは単純に言えば感覚の洗練であり、戦闘能力そのものの向上ではない。
相手の挙動を予測し、動きに無駄を省き的確で精確な行動を遂行できるが
酷使すると負担が掛かる。また通常よりも消耗しやすくなるため長時間発動できない。
アトラの遺伝子を濃く受け継いでおり、先天的に超人的な動作が可能となった。
[デクシア・グリー]
現V9の一人。議会に出席しておらず代理人を立てている。
[アリステラ・グリー]
現V9の一人。双子の姉のデクシアと同じく議会には不参加。
[ユリオス・ヴォーリア]
現V9の一人。古風な言い回しを多用する異人。
[エーナ・ノーティア]
現V9の一人。容姿などは可愛らしいが中性的な物言いを主観としている。
[ヴレ・アナトリー]
現V9の一人。矍鑠な老獪。賢人とも呼ばれその知識は生きる図書館を形容する。
[ポルフィロ・ディーシ]
現V9の一人。議会の出席率は高いがほとんど発言しない謎の多い人物。
[カーディナル]
V9の一人。枢機卿としてV9に協力している旧メンバー。
[風波炫(かざなみげん)]
V9の一人。元軍部の中将。退役しているものの平和ボケせず央都の防衛管轄を担当する。
アマランスからは今も中将と呼ばれている。
[アマランス]
V9最高議長。
[木賊(とくさ)]
旧V9メンバー。IIOラボの創設者で優秀な研究者だったが数年前から消息を絶つ。
[天部玄黄(あまべげんこう)]
央都の統領。最高権力者だが表舞台に姿を現さず、
内事をヒュレーとアマランスに一任している。
一人称は聖上。詳細は明らかではないが玄黄と名乗る者は天皇の胤裔とされる。
[咫韶(ししょう)]
玄黄の側近。外交大使も務めており、非常に辣腕。
情報は機密扱いで外部からはミス・ミセス・ミスターの何れかで呼称される。
[ワシリー・フォマ]
第三都市の全権を掌握する王。旧V9に属していたが管轄していた
地下都市アースリー崩壊の責任を問われ、放逐。
かつて教団に協力していた関係から暫く
教会で隠遁していたが外界の情勢が一転し、教会組織が駐留するようになった
第三都市から失脚した市長を追いやり、新たな王として君臨する。
一部ではあるがノクティルカを始めとする一派を指揮する権限がある。
―
[ノクティルカ]
教会側の少女。元々は聖女の候補だったが、アースリー崩壊によって立場を追われる。
孤児なので身寄りがない。地下街の廃墟にある聖堂の残骸で暮らしていたが
高天計画"ヘオフォン"の始動を聞きつけ、央都へ現れる。
ヴェルメリオと共に各地で破壊活動を行うがワシリーの招聘に応じ、一度退散する。
幼い外見とは裏腹にその実体は狂気そのもの。時に無邪気な幼稚さと
倫理を重んじる合理的な人格へと情緒が激しく変化する。
殆どのことを独学で知得したが、先天の才か知性は高い。
付随するエピソード:「闇の月/アナムネシス」
[ヴェルメリオ]
東南アジア近辺の境界で捕縛され、ドレッドと同じ施設に収容されていた。
赤い髪と真紅の瞳から、赤を形容するドレッドと誤認されやすく
度重なる不条理に遭わされてきた。そのことで、ドレッドを少なからず敵視するが
それが憎悪となったのはドレッドが脱獄した際の一件による。
付随するエピソード:「アスクレッド/アペイロン」
[デミウルゴス]
カーディナルの前任である初代枢機卿。教団発足当初からのメンバーで
宗教撲滅による解散から長らく姿を消していたが、最適な拠点として
央都に目をつけ制圧作戦を展開する。
デミウルゴスの根源は絶対悪であり、純粋な支配と独占を望む。
付随するエピソード:「邪悪の再臨/アディアフォラ」
―世界観―
中央都市ではベネラブルナイン、外界では教会が勢力を伸ばしている。
央都は開拓してから数年の間、"エマージュ"と呼ばれるようになった
不可侵領域が出現し外部との交流が絶たれ、完全に孤立していた。
しかし、原初計画によって再建された中央管理局を主軸に独立した文化を築き、
"エマージュ"が消失した現在では外界と大きな差異が生じている。
<中央都市>
通称、央都。
<ベネラブルナイン>
高位尊上委員会。九名の委員によって構成される合議機関だが絶対的な独立権限と
選抜される委員についての詳細や手法は秘匿され実体がない。
<教会>
<第二都市(アースリー)>
第二都市は原初計画に沿って二種存在する。試験的に央都内部、
地下の都市を目的に建設され、主に街区に利用された。
<第三都市(ヘオフォン)>
外界の首都として機能する巨大都市。教会の穹隅などが遍在し、教皇国家と俗称される。
<ポータル>
<エマージュ>
出現するもの。表層は見えざる結界、外壁はあらゆるものを遮る。
球状であり、その範囲は計り知れない。
<IIO>
第三都市に本部を構える総合情報機関。
表向きはエマージュの調査と解明を目的に発足された組織だが
それ以前より存在しており、発見されたテオリアの解析などを行っていた。
<原初計画>
予言された機密文書"テオリア"を解読したIIOが提案した計画の一つ。
後の高天計画の準備段階であり、エマージュの出現も予測されていた。
<高天計画>
~作品の時系列
中央都市完成
地下都市"アースリー"崩壊
高天計画"ヘオフォン"発動
~PI:原初計画
-被験者-
1.アトラ<消失>
2.ルディ<消失>
3.アルエット
4.キーリア<不明>
5.リーシュ<不明>
6.フリジッド<消失>
7.風月契(正確には契の固有遺伝子)
8.<欠番>
9.ノエン
高屋邸
財界に繋がりのある央都有数の富豪、高屋文総(たかやふみふさ)の所有する屋敷。
ターミナル7
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
戦闘方法
・銃火器、格闘がメイン(素手の場合はPIが多数)
・結界やトラップなどの工作(結界は度を越えない程度)
・超人性能(人智を超越した存在/但し普通に死ぬし致命傷は負う)
<<語録>>
―――――shape ver―――――
-主要人物fourSIDE-
[風月契]<<<PI>>>
本編の主人公。数年前に世界規模で大事件を引き起こし首都を壊滅状態にさせた
"黒衣の少女"に瓜二つ。(但し契はどちらかというと白い)
/
適応力と異常なまでに生存能力が高くただの少女とは思わせない不可解さがある。
どんな状況でも物怖じせず、常に冷静な判断力で最適の選択をする。
武器に関しては一般人なので素人同然だが吸収力はそれなりにある。
相手を上回る発想を持つが、人間性を押し殺せないので躊躇してタイミングを
逃す内面的弱さを見せる一面も。不死ではなく、生存能力が極めて高いだけなので
普通に怪我もすれば致命傷を負うことも少なからずある。だが、環境を応用して
生還するなど無意識の内に生き残る手段を取っている。
{在住:央都住宅街(白土台)}
[黒煙(ヘイイェン)]<<<暗殺者>>>
東方の暗殺者。金銭ではない特別な対価を報酬として契約する。
超人的な身体能力を有しており、"黒衣の少女"の再来と噂されている。
/
暗殺のプロであり、基本雇用者の命令に従うが独断も多い。特に戦闘で
躊躇うことは一切ないが即断しがちであり、多少強情。そのため、
任務達成に少しばかりの支障が出てもその後に有用であるならば勝手に標的を
変更するなど強行することも屡。ただ、エゴイストではなく結果的に
雇用者の期待以上の成果を達成している。何事も即決してしまうので
迷いという概念とは無縁と見られがちだが内心では結構逡巡している。
また、無闇な殺生を避け、他者との関わりも一線を引いている。
{在住:央都東方城下・隠れ小屋}
[ドレッド・バージ]<<<復讐者>>>
大量殺戮を繰り返した囚人。多重人格者であり、殺人鬼としての人格"猩紅"が
目覚めると破壊衝動に駆られる。基本的には理知的で賢しいが猩紅状態では
まともな会話も儘ならない。礼儀を弁える一方で猩紅の影響を受けてか、好戦的。
自分が許容できない存在を排除しようとする極端なエゴイストでもある。
/
銃撃戦から素手での近接格闘までこなし、弱点という弱点はあまりない。
ネイトニッキーから教わった爆弾の技術で爆発を演出することが多い。
大抵の場所に過去或いは事前に仕掛けた"罠"を利用して敵を追い詰める。
指揮的な頭脳戦を得意とするが自ら動くタイプで囮となって誘引する。
{在住:央都スラム街(廃墟)}
[フリード・アウィン・ブルーイッシュ]<<<解放者>>>
かつて国境紛争が頻発していた頃、東連合遠征で北極圏へ派遣された
小隊に所属していた無名の兵士は激しい最前線に送り込まれ他の兵士が
生還できぬ中、只1人帰還する。幾度も生還するその生存能力は
高く評価された一方で彼は死神として忌み嫌われるようになった。
凍てつく凍土を駆け、荒廃した戦場を行く一人の兵士は
戦争の終結と同時に帰るべき居場所を失った。軍部に切り捨てられた彼は
あらゆる記録を抹消され、存在しない人間となる。
無法の傭兵集団"蒼の戦列"を組織したルドルフ・ブルーイッシュは
彷徨う彼を発見し、無期的な契約を交わすことで存在意義を与え、
フリードという名を授けた。しかし数年足らずの内にルドルフは突如失踪し、
ルドルフからブルーイッシュの名を襲名したフリードは蒼の戦列を率いることになる。
国境紛争当初からの革命派だったルドルフが行方知らずとなった為、蒼の戦列は
その殆どのメンバーが離散し、残った数名を連れフリードは国際的主柱となりつつある
央都へと向かった。そこで脱獄してきたドレッドと遭遇し蒼の戦列は壊滅。
ドレッドと激戦を交えたが、麗の介入によって双方とも退く。
常に冷静でいて、無表情(感情の希薄化)であり、映える碧眼から
冷徹なイメージが定着し"凍てる碧眼"の異名で呼ばれることも屡。
しかし、実際は感情的になりづらいだけで人間性がないわけではない。
/
碧眼であることに軽度のコンプレックスを抱いているため普段は
なるべく素顔を隠している。小銃を携行しており、主に戦闘では殴打の為、用いる。
{外観はスプリングフィールド銃に近く、鉄色にカラーリングされた銀製。
(正確には外装部分に真鍮が混在する)最大射程は銃弾によっては狙撃可能なほどだが
基本有効射程は短い。用途が銃器としてではないので特別頑丈に作られている。}
他に後部に鐶の付いた小刀を所持しているが、刃の部分が極端に短小なので
普通の切断目的では使用できない。形状や刃の様子から彫刻刀に類似し、銀製である。
超人的な黒煙や"異常"な契、策略家のドレッドと違い単純に技巧的であるフリードは
洗練されたセンスによってあらゆる戦況を打破する可能性を秘める。
:無名の兵士~極北戦線の死神
:消された過去~蒼の戦列へ
:央都来着~紅の邂逅
{在住:央都六番街特待宿舎}
-Sub-
[ネイトニッキー]
ドレッドの元相棒。同じスラム地方のダウンタウン出身で
ドレッド等と共に大規模なテロを起こした。主に爆発物を扱う。
[紫雲麗]
調停を司る傍観者。
[的宮一世(まとみやいちせ)]
教会から独立した"社の群"の一員。普段は配達員を装っているが教会の動向を探るべく
聖堂に潜入する密偵の役割を担う。
=設定の改新=
構成:序幕→(外伝)→央都編→(EX)→契編→外界編…
~世界観の構築~
最低限の要素として、央都及びそれに関連する事象は残す。
<怨嗟の狭間で~聖戦に集う>
近代化が進む大国の一方で時代に取り残される発展途上国、
更には小国の紛争が終わらぬまま、長い冷戦の睨み合いが続く世界。
圧政で強大な一国となった帝国が着々と大戦の準備を推し進める中、
国民の不信は募り、叛乱を決起させるまでに至った。しかし、反乱はすぐさま鎮圧され
お互いに手の内を探りつつ表面的な外交で取り繕う偽りの平和は未だ変わらない。
当時存在していた宗教組織で取り分け大きな権力を保持していたイエルイアス教団が
軍縮を行った国々に対し、武力の完全放棄を促し、徹底的な戦争根絶を開始した。
それに賛同する者も多く、率先して武力からの解放運動を統べる共和国連盟の誕生は
戦争の終結と永遠の平和を齎す希望とされたが一部の強硬派や過激派から反感を買い
打倒共和国のため、各地で頻繁に内乱が起きた。それを皮切りに教団が回収した
武器の類を極秘で帝国に流通させていたことで帝国軍の進撃が始まる。
帝国軍は瞬く間に隣国を制圧すると、最大の敵である王国に対し、
二方向からの大規模作戦による攻略の一手として連合遠征を行った。
東連合遠征と称して召集された傭兵には自国の軍隊を除き、多様な兵力が集った。
そこには教団で戦争根絶を謳った教祖の派遣した一軍の姿もあった。
<革命の夜明け~黒衣の少女>
王国は窮地に陥ったが西端紛争を経て強大となった王宮兵団の参上により、劣勢を覆す。
各地の義勇軍も集い、王国が徐々に戦場を制していくと帝国は一時的ながら
撤退せざるを得なくなった。結果的に遠征作戦は失敗に終わった。
<終わりの刻~央都開発計画>
<央都の簡約>
外界から隔絶された巨大都市。大半はビル街である。
人口は現実の東京より少し上程度。二十三区くらいの微細ではないが
区分けされているため密度はあまり高くない。
寧ろ面積と比較すると無人の箇所も点在する。
<<削減/変更点>>
・殺人鬼"猩紅"は不要(ドレッドに合併)
・商会はなし メンバーはサブに降格
・V9の規模を縮小
・組織を修正・削除
・マヴェリックなど排除
・司法教会は外界編後半で
《中央都市》
一章の舞台。
《外界(列車~聖堂教会)》
二章の舞台。
主に教会一派との敵対や情勢を描くので列車などの
交通を用いて各地を転々とすることになる。
《lifeless city》
三章の舞台。外界の廃墟となった都市部。死の街とも呼ばれ、
人気のないゴーストタウンと化している。契はここで封印されていた
謎の高度知性AIと出会い、新たな戦いへ導かれる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【PLAN】
・かつて交わした契と麗の約束
・霧中連続失踪事件の犯人とは
・謎の刺客ヘイズと猩紅の魔手
・央都に潜むベネラブルナインの陰謀
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【追記/記録用】
[田部郡司]
中央本局(総合統括本部)の一部署で、治安に関わる刑事調査を行う"中央保安部"
の創設者。田部郡司は偽名であり、本名や素性は誰にも公開されていない。
中央保安部は央都で新設したばかりなのでまだ田部一人しかいないが
昔の伝手で交友関係は広い。最近、白土台中心に起こる連続失踪事件を
厄介払いで押し付けられ昔ながらの聞き込みとデータの推論によって犯人を追跡する。
一見すると常識人だが実は変人。優れた打算が返って裏目に出ることも多々ある。
[ハーミス]
教会から派遣された巡見神父。穏健派の代表でもあり、
教会内部では支持する修道士も多数いる。本来は巡見神父という役職はないが
ハーミス自らの志願により各地を巡察する特別的な立場にいる。
央都の視察も兼ねて来訪するが、ヘイズの独断先行によって警戒が厳重になり
一時的に捕虜となる。
[ヘイズ]
央都の使者一団に追行する法外使徒。議会が察知していた使徒とは別に
命令違反を犯してまで央都へ来着する。途中、不審な行動に気付いた使徒に
阻まれるが深奥に潜む感情に突き動かされ排除して央都に進入する。
後に霧中連続失踪事件の犯人として容疑を掛けられるが同時期に脱獄していた
ドレッド(猩紅)の暴走によって難を逃れる。
[オプスキュリテ]
ハーミス派(穏健派)に属する使徒。元々は暗殺者であり、組織に捨てられたことで
居場所を失うも、布教の為巡礼を行っていたハーミスと出会い保護される。
それに恩義を感じ、過激派の台頭を抑止する手伝いをしていた。
[ミストマン]
"メイズ"と他称される霧中連続失踪事件の犯人。
その正体はベネラブルナインの一人である壱位木賊が用意した
隻眼の盗人であり、央都で自然発生する霧と手製の霧散ガスを利用して
拉致を決行していた。結果的にメイズ自身も壱位木賊の"実験"に付き合わされた
被害者で、議会は今回の件を皮切りに壱位木賊を永久追放した。
(犯行は議会の面々は風波を除いて全員が承知していた)
[ウェイル・ウィアード(Wail Weird)]
制法教会(司法教会の一派)の大聖堂を司祭する聖賢神官。
司法教会の最高位枢機卿であるカーディナルに次ぐ実力者で制法教会の権を握る。
しかし、教会の思惑とは別に単独行動も多く、その目的の一つに
ベネラブルナイン議長"アマランス"の抹殺とあり、何かしらの因縁があるようだ。
[浅葉空也]
白土台近辺の寂れた古本屋の店番をする傍ら、人知れず便利屋を営むハッカー。
<教会の成り立ちと構成>
教会はその役割や主な統率者によって三つに大別される。
一つは司法教会で、政治などに連関し最も勢力が大きい。
次いで、制法教会は法案(教会理念)の維持や保持に注力する司法教会の一派で
活動的には副次的な存在である。基本的に従来の布教を含め、
教徒の獲得と教えの公布においては各所の聖堂を奉る聖堂教会が担当する。
教会はイエルイアス教団の後継であるが、教団発足当初までは
宗教組織は無神論者の登用が目立ち、陰ながら撲滅されていた。
辛うじて、都の大帝から公認を受けて、教派として旗を揚げた教団が誕生したことで
現在に教会が存続する結果となった。しかし、教祖の背信的行為によって
失墜した教団は残存した教徒を散り散りに潜伏させるので精一杯で、
教団自体の壊滅を招く。信用の回復は見込めないと思い立ち、
新たに教会(司法教会)として一つの国家を作ることで教皇軍という勢力を保有し、
内外の制圧に成功する。
―――――Colder(人物三版)―――――
~Character~
[風月契]
-Venerable 9-
[アマランス]
[アスワルド]
[風波]
[六合]
[三部]
[壱位木賊]
[パイロープ]
[アルコーズ]
[ミッシングナイン]
[テイント・アージス]
[ジオマスク]
[レヴ・レムレース]
[紫雲麗]
-辰星商会-
中東を本拠地とする連邦諸国を主体に表向きは交易業として確立している。
[神迅疾]
辰星商会の会長にして初代V9メンバー。央都事変を経てV9崩壊後は
炎傅に会長の座を譲り、外界で隠居する。司法教会が表立って活動しているため
フェアクロフから重要人物としてマークされている迅疾は身動きが取れず
一切の指揮権を炎傅に託す。オーディールの(偽りの)崩御の報せを受け、
再興した央都へ来着し、再び辰星商会に戻るがジオマスクに乗っ取られ、
結果的にジオマスクの密かな交渉によって
契約先の離反した央国騎士団の後ろ盾となって支援することに。
[滄炎傅]
[玄]
[ジェントル]
[クインクエ]
-マヴェリック-
独立した特殊組織。主に暗殺などを請け負い、裏世界で実績を重ねる。
[ナヴァ・アシュトー]
[ギムバート・ワイズェン]
[ベイグ・サウザンド]
[ジェド・オーカー]
[イーサリアル]
[サーウェン・ディスター]
-央国騎士団-
央都の治安維持機関。一般的には央都本局と認知されている。
[ワシリー・フォマ]
[シャムロック・アッシャー]
騎士団団長。騎士団の名が硬派であることを嫌い、騎士団としての本分は
レティアに一任している。
[レティア・レッドフォッグ]
騎士団副長。ミスツの後継者ではあるが実親ではない。
[プレトス・メーアハイト]
騎士団の参謀にして央都総合司令。司法教会の一件以後、騎士団の叛乱を指揮した
張本人でかつての西端紛争で戦功を立てた第十七師団を連れ、本局を占拠する。
[キノル・カムクール]
現第十七師団長。軍部の統合指揮官でもあるが以前の戦争を知らないため
浅慮な采配が多い。しかしながら逸早く部隊を再編した手腕は高く評価されている。
[ツェマク・ミガッド]
旧第十七師団長。当時の騎士団の全権を任され西端紛争の早期終結に一躍した。
現在は退役したが騎士団の叛乱によってシャムロックが助言を求めた。
[ミレ・アルフ]
旅団長。
[アコード・エイク]
連隊長。
[グレア・ハンドレッド]
大隊長。
[アルリ・ヒュー]
-司法教会(Judicial Church)-
外界で勢力を拡大させている世界的な宗教一派。大国の立法にも関与し、
法の番人として各地に教皇軍(教会の修道士など)を駐留させている。
[オーディール・ユーカー]
司法教会の法王猊下。影の教皇と呼ばれ、表舞台に現れることが滅多になく、
常に仮面と鎧を着用している。
[フェアクロフ]
司法教会の執行官。
[レシェ・フロウズ]
法王の側近。親衛隊長でもあり、オーディールが最も信頼を置く存在。
[ノクティルカ]
女神の代行者として崇拝される聖女。
[カーディナル]
司法教会の枢機卿。V9発足当初にアマランスから勧誘を受け、教会を離反。
[サイア・キュアノス]
女帝の称号を持つ次期聖女候補。V9崩壊後にオーディールの計らいで新生V9へ加入。
[オプスキュリテ]
教会の使徒(修道女)。
[ベルテ]
教会の執行者。
[ミウネ]
大聖堂の神父。
[ヘイズ]
教会の法外使徒。法王の独立権限である不法遂行に従い、
法的処置を無効とする唯一の存在。(但し勅命によるものでなければならない)
有能であるものの反逆的で以前は一時的だが独断で断罪を行使していた。
-その他-
[猩紅]
央都を徘徊する殺人鬼。
[黒煙(ヘイイェン)]
東方の暗殺者。
[ダレット・デファー]
央都在住のスナイパー。央国軍に雇われ東連合遠征に参加。
[ドレッド・バージ]
囚人。西端紛争中に無断で国境を通過し開発当初の第三都市へ渡る。
そのとき既に前科二犯だったが投獄されるような重刑に至らない微々たるものだった。
第三都市を訪れた理由は明らかではないが、道中の寂れた聖堂で
司法教会の密会を目撃し、一部分ながらも計画を知ったことで執行者に追われる。
極地まで追いやられた所で抑制していたかつての自分が再び目覚め執行者たちを惨殺。
マヴェリックの部隊員の一人が現場に居合わせたことからナヴァ・アシュトーに
伝達がなされ、警戒人物としてリストアップされる。
その後度々破壊衝動に駆られ、各地を放浪しては行く先で大規模な破壊行為や
大量虐殺を行い、国家に敵対する犯罪者の汚名を被り、
ナヴァ・アシュトーが派遣された。アシュトーと対峙し、捕縛。
地下監獄に収監され、
[フリード・アウィン・ブルーイッシュ]
碧眼の傭兵。
[イズ・ユーヘイト]
[リボルト・ワース]
スコッター(無断居住者)のリーダー。
[ウェイク・アザー]
ダレットを敵視するフリーランスのスナイパー。
-民間-
[鳳玄]
[鳳天羽]
[鳳千代]
[須之尊]
[杜若文目]
[白桐茉莉]
[浅黄三貴子]
[メシル・コイアック]
[ミスツ・レッドフォッグ]
=Words=
<第三都市>
第二の首都である央都に対し、それより外界に存在する第三の首都。
(但し、首都と明示してはいない)央都完成より前に開拓され、規模も央都より広大。
隔絶された央都と違い、自由交易が盛んな巨大都市となった。
<十二憲章>
―Scenario―
-Main Battle-
ボス構成の場合、基本的に1~3話分で1シリーズ {アニメ的位置付け}
N00「残夜」対猩紅(プロローグ) {先行放送,一話}
N01「ノーチェ」対猩紅①
N02「密契」対猩紅②
N03「ラヴァンデュラ」インターバル
N04「幽冥」対アスワルド、黒煙編
N05「ヴァントーズ 前編」対イーサリアル(アスワルド、黒煙編)
N06「ヴァントーズ 後編」対カーディナル(アスワルド、黒煙編)
N06.5「禊月」対アスワルド、イーサリアル {完結編}
N07「暗澹の視地平」央都事変編 序幕~辰星商会暗躍 対ジェントル
N08「影の胤裔」央都事変編 マヴェリック介入~教会の示唆 対ベイグ
N09「死の黒橡」央都事変編 V9との対峙~央都の真実 対テイント
N10「白群の列」央都事変編 狙撃対決~氷雨の死闘 対パイロープ {神回予定}
N11「禍殃暁星」央都事変編 屋上決戦~崩壊までのカウントダウン 対アルコーズ
N12「リアリティフラット」{1クール終着?}
N12.5「rarity pair」{単品} 対サーウェン
N12.9「再契約」{2クール目開始,零話}
N13「lost veritable」央都壊滅後~外界進出 対ミッシングナイン
N14「viability 0」第三都市移住~生存確率0%の戦い 対ギムバート
N15「first victim」篭城事件~人質作戦 対クインクエ
N16「congeal frontier」聖堂襲撃~フリード召還 対フリード
N17「verge on death」残党集結~ドレッド脱獄 対ドレッド
N18「exist eleven」タワー占拠~新生V9誕生 対レムレース
N18.5「afterward」央都のその後(央都復興計画)
N19「Rencounter」教徒と騎士編 教会の台頭~騎士団の反逆 対ミウネ
N20「紅の蒼氓」教徒と騎士編 猩紅再び~ドレッド暴走 対アコード
N21「サリディ -Saridey-」教徒と騎士編 残留者~アマランス帰還 対炎傅
N22「盈虧」教徒と騎士編 闇夜の潜入~霧中の激戦 対ヘイズ
N23「」教徒と騎士編 本局制圧~地下鉄突破 対ベルテ、グレア
N24「」教徒と騎士編 密航~氷上の決闘 対レシェ
―――――Blacker(改変版)―――――
nigritude blackness
.refine Characters
-Main-
[風月契]
本編の主人公。
約16歳。外見は14歳前後で、比較的小柄。
髪はポニーテールができる位の長さで髪の色が光度によって若干変色する。
(暗晦だと薄い白髪、薄明かりだと青白く、燦然だと淡い銀灰色に近似的で、
通常は黒に近い薄い白っぽい灰色) 瞳は黒。
暗色系を基調とした服装を好み、遠出をするときなどは短めのケープを羽織る。
-味方-
[鳳玄]
猩紅事件の後失踪する。(以降はシュエンが登場)
アマランスが復帰した後、シュエンと入れ替わりで再び鳳家へ帰来する。
[鳳天羽]
以前はショートオンリーだったが最近ではサイドテールが主体。
ファッションに疎く、動きやすい軽装(ジャージ等)を好むスパッツ派。
[鳳千代]
不思議系ツインテ幼女。
[須之尊]
成年だが何処と無く子供っぽい節がある学長代理。邸宅は昔ながらの大屋敷。
倭を嗜み、ほとんど着物姿。
[杜若文目]
平凡でいて普遍的な女学生。良く言えば優等生。
[白桐茉莉]
炯眼をもつ賢しい先輩。図書を信頼する古風な人格者だが最新機器に弱いわけではない。
[浅黄三貴子]
白土台に豪邸を構える現役お嬢様。
[シャムロック・アッシャー]
西端紛争で活躍した将校。軍部解体に伴い退役したものの様々な面で軍人としての
技量は現在でも評価が高い。軍から退いた後、特殊保安機構に所属し、
央都に治安調査の目的で訪れた際に、
市長であるワシリー・フォマから特別保安総監になってくれるよう懇願され
滞在期間を延長し、央都の実情を観察した結果、承諾する。
[ダレット・デファー]
天然なトラブル体質の運び屋。各地を転々と流浪し、東連合遠征に従軍したりと
その経歴は異様である。普通の運送業者を始めたつもりがスナイパーとしての
実力を買われてボディガードになったりと計画が破綻しやすい。
[メシル・コイアック]
まだ少女ながら金工の才能を有する現代の錬金術師。物理演算を用いた
高度情報技術の応用と機械的手法に拘らない職人の精巧な手作業を両立し
金属に関する加工などにおいて優れた結果を残す。ただ何年も引きこもって
製作や開発に明け暮れているため社交性に乏しく偏った思想を持つ。
金髪眼鏡娘。(作業用の伊達眼鏡なので視力が悪いわけではない)
[リーシュ・アル・ナアシュ]△
ワシリー・フォマの姪。央都の看板役として宣伝代表となったりするが
本人は生粋のハッカーで設備が充実しているからとの理由だけで央都に在住する。
[リズ・マグダレン]↑
無免許の薬剤師。白土台のボロアパートに住み、惰性な日常を送っている
残念系女子だが天然気質でどこか危なっかしい雰囲気から擁護する者も多く人望は厚い。
[ロゼット・ウィンター]×
非常勤教師。
-中立-
[黒煙(ヘイイェン)]
V9や央都直属など多様な組織から多重工作員として
派遣されている裏世界では有名な特殊諜報員。
[ワシリー・フォマ]
央都市長。当初はお飾りで任命されていた名ばかりの要人だったが
央都事変を経て、正式な市長に就任する。
[アマランス]
V9最高議長。央都事変がV9にとって結果的に失敗に終わり責任の追及と
役目の満了を迎え、自ら姿を消す。ジオマスクの台頭により失脚したカーディナルを
補うべくV9崩壊を指揮するイズと合流し、フリードの協力を得て復権する。
[イズ・ユーヘイト]
旧V9メンバーの一人。央都創設の関係者で素性は不明だが驚異的な情報網を
所有している。黒煙を陰ながら支援したり、後述のドレッド・バージ脱獄を
手助けしたりとV9の行き過ぎた計画を阻止(修正)すべく行動する。
制御し難いドレッドを見切り、フリードを保護し望みを叶える代わりに
専属の傭兵として契約を交わす。
[ジオマスク]
新生V9の一人。央都へ特別補佐官として着任しワシリー不在の際に市長を代行する。
隠れた野心家で、V9を利用して裏で別の計画を進行させている。
[フリード・アウィン・ブルーイッシュ]
"碧眼の亡霊"と称される名もなき傭兵。フリード・アウィン・ブルーイッシュとは
偽名であり、実名は当人も知らない。西端紛争で雇用されるまでは
まったくの無名で、実戦経験も殆どなかったが送り込まれた最前線の戦場で
激戦を行く小隊の中、ただ一人生き残った。しかし組織側は使い捨ての駒として
利用しただけで生還するとは思っておらず、全ての記録が抹消される。
故に亡霊といわれ、関わると疫病神(死神)のように碌な事が起こらないので
色々な組織から嫌厭されている。碧眼であることが最大の特徴なので
普段はカラーコンタクトで碧眼を隠している。
常に銃刀法違反すれすれの銘無しの刀剣を帯刀しているものの
本来はライフルの扱いに長けている。
同じイレギュラーであるドレッドが好戦的なのに対し、
戦闘に飽いており常に安住を求めている。
常人より平均体温が低く、周囲に僅かな冷気を纏っている。そのことからも
亡霊であることが強調され冷酷な人間といった印象を受けるが人格的には紳士である。
暴走したドレッドの動きに追従したり、全力の黒煙を軽くあしらうなど
戦闘自体は消極的だが実力は相当なもので
本人にしてみれば不服だが各所で高い評価を得ている。
基本的に砂漠の放浪者のような格好をしており、不審者扱いされることも屡。
[ミスツ・レッドフォッグ]
"ヘイズ九式世界"の著者。イズと同じく旧V9の一人でワシリーの旧友でもある。
[紫雲麗]
新生V9最後の一人。番人といわれており、独断指揮権を所有する特別な存在。
滅多に議会にも顔を出さず、素性を知る者は誰もいない。
-敵対者-
[猩紅]
央都の旧市街に出没すると噂された謎の殺人鬼。近頃は周知となった事件性と
廃墟区画の封鎖から人の出入りが滅多にない旧市街を離れ、
夜間に表通りを這いずるらしい。赤々とした破れたコートを重ね着しており、
黒い羽の付いた帽子を被り、風貌は血に染まった怪人である。
主な活動時間は深夜で、央都近郊で時折発生する濃霧に紛れて行動する。
それ以外では目立たないようホームレスを装って旧市街付近を放浪している。
その際の人格はまるで別人のようで、温厚だが一度殺人鬼として徘徊すると
狂気に満ちた残虐性を顕にする。得物は巨大な矛と鉄製の杖で
基本的には刺突ではなく薙刀のように扱う。
杖は小型の銃器が内蔵された仕込杖だが防御や牽制程度に使われる。
群れるのを好まず、どの組織にも味方しない。逆にその行動性から、
敵は多く、逃亡と隠遁、そして殺戮を日常的に繰り返している。
[アスワルド]
暗殺者の刺客であるイーサリアルとカーディナルを連れ、契を襲撃した黒衣の人物。
[カーディナル]
アスワルドの配下。実際はアマランスの半身ともいえる謎の多い黒衣の刺客。
アマランスが去った後、新生V9を率いる最高議長となる。
[テイント・アージス]
V9直属の私兵部隊"IV"の隊長。組織解体後は新生V9のメンバーになる。
風波の後釜と認知されているがIVが離散した以後、連絡が途絶している。
新生V9では主に傍観の範疇を超越した実動に関する事態を担当する。
[ナヴァ・アシュトー]
独立特殊組織"マヴェリック"を組織した人物。アスワルドやIVの失態から
計画修正を余儀なくされたアマランスが契約を交わし雇い入れた。
マヴェリック崩壊後、新生V9として招かれる。
当初はV9をクライアントの一つに過ぎないと考えていたがマヴェリック再建のため
新生V9の一員となって暗躍する。
[ドレッド・バージ]
第十七話「verge on death」で初登場。
本編では暗躍が多く、外伝『lost another day』ではメインキャラクターの一人となる。
V9の計画で予測されていないイレギュラーな存在で黒煙も警戒する危険人物。
東連合遠征で実績を挙げた元傭兵であり、独立特殊組織"マヴェリック"の
主要メンバー、ナヴァ・アシュトーによって孤島の監獄に幽閉される。
その後、V9の介入が目立つ央都事変の進行を危惧した
イズ・ユーヘイトの助けを借りて脱獄する。
当初は央都に観光という名目で赴いたが猩紅と遭遇し、
猩紅と死闘を演じた契に興味が湧く。
シャムロックやダレットに対して明らかな敵意を向けるが
契に関しては遠まわしに忠告したりと完全に敵対しているわけではない。
V9とは協力関係にないが新生V9の作戦に加わるなど自分が
関心を持つ事柄には協力する姿勢を見せる。
[玄(シュエン)]
鳳玄と同じ風体をした謎の人物。炎傅と共に央都を来訪し、千代を拉致する。
本名はアーテル・ヴェア・アリアスで鳳家の母、鳳雪美その人。
[滄炎傅(ツァン・イェンフー)]
V9の一人である神迅疾の片腕。V9の傍観者として表立って動けない迅疾に代わり
辰星商会を取り仕切る。後に神迅疾の後釜で新生V9の一員となる。
責任感があり、実に事務的で立場上、V9よりも辰星商会を優先して考慮する。
[ジェド・オーカー]
新生V9の代表代理。V9では上下関係は薄く、権限に大差はないが、
新しい議長のカーディナルは寡黙で傍観を優先するため
ジェドが主立った活動を指揮する。
[サイア・キュアノス]
新生V9の一人。契を異常に敵視する自称、"女王"。富豪の一人娘である事以外は
秘匿されており、新生V9の中でも勝気で傲慢な態度が表れている。
[レヴ・レムレース]
新生V9の一人。元々は数合わせで加入したが、実は追放された元央都市長で
外界の異邦人を統べ、央都乗っ取り計画を陰で企てる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
~用語~
《世界観》
世界の中央に位置する世界規模の第二首都、"央都"が中心となった時代。
多国籍国家として発展し続ける央都へ諸方から盛んに交流が行われ、
民間の住宅街、白土台が完成し都市として急速に開発された。
<央都>
<中央連邦政府>
<西端紛争>
<東連合遠征>
<マヴェリック>
独立特殊組織。
<央都事変>
<辰星商会>
<アイレス(A-Iless)>
央都のあらゆる情報を管理する中枢コンピュータ。
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
―構成―
・央都
第一区画:都市部(居住区)
第二区画:繁華街
第三区画:白土台隣接地
第四区画:廃墟
中央区画:セントラルタワー
・地下都市
地下鉄ライン:
交差水路:
監獄:
・外界
大海:
無人島:
SSS
EP01:「フォビアの近影」
アストラフォビアの新聞配達員、トム・グライス。彼は正直に教会で懺悔するかの如くささやかに密告した。それは雷雨吹き荒ぶ酷い一日だった。
EP02:「朝凪夕に関する普天観測資料」
V9を創始した人物、朝凪夕。世界を傍観することで深淵を掌握し、行く末に干渉するベネラブルナインとは一体なぜ誕生したのか。
EP03:「灰色の虚像」
かつて央都創立当時、街中を震撼させた世紀の大泥棒"ロサード"。しかし、被害者に訊ねれば皆、盗品などないと言う。では、その男は何を盗んだのだ。
EP04:「定例調査報告会」
SS
『西端紛争』
それはまだ央都が作られる前の話。大規模な戦争は終わり、
局地的な冷戦へ移行した近代の戦場は最前線と後方では激しい大差があった。
再び始まってもおかしくない膠着した緊張状態を維持したまま
前線の部隊は孤立していき、一方的な駐留も止むを得ない中、
世界の中央国境から西端に位置する無名の小国に
停戦条約を無視した連合国家の駐留軍が侵攻し、占拠を始めた。
それから、後に最後の紛争とも呼ばれた局地的な大戦が、たった一団が発端で勃発した。
密かに軍備増強を図っていた連合国家は他国からの指摘でそれが意図的な
進軍であったと訴えを受け、諸国から反感を買った。中央連邦政府はこれに対し、
駐留軍の実情調査を行うべく調査隊を派遣したがその途上で連絡が途絶える。
そして当時、シャムロック・アッシャーが所属していた軍部の特殊作戦部隊が
緊急召集され西端へ赴いた。それほどまでに切迫していた列国があり、
大国に関知される前に事を片付ける必要があった。
特殊作戦部隊は西端の小国へ辿り着くとそこに駐留軍の姿はなく
無人のテントが残っていただけだった。報告のため帰還した部隊が
ちょうど西端から国境を越えようとした所で大きな爆発音が周囲に轟いた。
遠目に人口の少ない小都市が見え、焼け焦げているようだった。
部隊長のロイエル・ユーカーは隊を二班に分け、一方に偵察を命じた。
その中にはシャムロックの姿もあった。現地に到着したシャムロックは
凄惨な光景を目撃する。そして確信したのだ、戦争はまだ続いていると。
厄介なことにその小都市は末端とはいえ、大国の一部分であったために
大きな戦争に発展するのは時間の問題だった。被害を最小限に留める為
連邦政府は西端領域内でのみ局地的な紛争を認可し、一時的な紛争が起こった。
紛争を反対する意見が多数だったがそれでも戦争を望む声もあった。
たとえここで無理に停戦してもいつかまた同じように戦争が起きる、そう危惧した
連邦政府の判断は強ち間違いではなかった。現に西端紛争は規模こそ小さいものの
戦場は凄まじく荒れた。
『東連合遠征』
西端紛争とほぼ同時期に東側で連合国家とそれに従軍する部隊が北上しつつ
一大勢力である帝国領へ攻め入った。
S
『Another Lost Day』
―――――黒の残影(初期設定)―――――
【概要】
現在。多国籍の人口を抱える独立した国家"中央都市"、
通称央都は第二の首都として機能している。
そんな央都へ最近引っ越して来た不思議な少女、風月契は
零細な生徒数の伊那伎学園へ転入し個性的な人物たちとの交流を通して
不可思議な事件に巻き込まれていく。
~主要登場人物~★はヴァントーズ候補(初期ver)
風月契★
主人公に相当する少女。幼い頃に両親が失踪し、消息を絶つ。その後、
孤児院に預けられていたが玄が来訪したとき、彼の提案で養子となる。
但し保護者代わりの親戚として養っているため姓はそのままである。
サーカス団の一員として手伝いをする内にアクロバティックな動作を
体得し、持ち前の資質も相俟って非常に身軽。
ただ玄の計らいで裏方の仕事を専任するので公演に出演したことはない。
周囲にいる武術の達人の影響を受け、戦闘能力に秀でている。
最大の特徴は物怖じしない人格で常に冷静でいて怜悧である。
-鳳一家-
鳳玄
ブランクレイルの団長代理(副団長)。病で他界した母の代わりに
男手一つで一家を支える大らかな人物。
意外に手先が器用で手品などを得意とし、派手なパフォーマンスより
洗練された技術を重視する。海外で日本武芸の達人として招かれた際に
マルティスと知り合い、ブランクレイルを設立する。
鳳紫雲★{天羽と千代も資格者}
鳳家長男。秀才で物事を覚えるのが早い。サーカス団期待のホープだが
線が細く女々しい部分もある美青年でよく女性と間違えられる。
天羽とは逆に背が高いことがコンプレックス(平均より多少ある程度)
家事全般から、スポーツや勉学も卒なくこなす。几帳面でちょっと神経質。
物事を客観的に捉えるので人物の中では突っ込み役に回ることが多い。
鳳天羽
バランス感覚に才能を発揮し、綱渡りなどで活躍する。
全体的に、スポーツに関しては優秀で活動的な性格も相俟って明朗快活。
平均より背丈が低いことがコンプレックスでナイスバディな女性に憧れている。
鳳千代
サーカス団では演劇などの補佐を担当する。
-白土台の住人-
須之尊
伊那伎学園の学園長。代理、ではあるが実質的に学園を取り締まっている。
極めて少ない生徒数よりも更に少ない教員不足のため自身が教壇に立つことも屡。
杜若文目
伊那伎学園の女子生徒。
実は赤い瞳で幼少期に周囲から忌み嫌われたためそれを隠すべく
カラーコンタクトで黒い眼に似せている。猩紅に襲われた際に
赤い目が開眼し、反射的に猩紅を怯ませた。
白桐茉莉★
伊那伎学園高等学科の才女先輩。
浅黄三貴子
大富豪のお嬢様。お家の莫大な遺産によって優雅な日々を過ごす一方で
庶民的な生活に憧憬を抱く典型ツンデレ娘。猩紅事件の後、
ダレットと専属契約を取り付けるが
ダレットの自由奔放な人格で正確に履行されたことはない。
[リズ・マグダレン]
白土台のボロアパートで暮らす薬剤師。
-央都関連人物-
鬼伏葵
央都警察署に勤務する敏腕刑事。特殊捜査課課長で、検挙率ナンバーワンを誇る。
猩紅によって不可思議な犯罪が続発している央都へ自ら志願して異動した。
目的はもちろん猩紅の逮捕である。
猩紅
央都を騒がせる謎の殺人鬼。大量の火薬を用いた火災で相手を追い詰める過激さと
巧緻な暗殺により、仕留める。その技量の高さは裏の業界で依頼されるほどで
場合によっては嘱託殺人も請け負う。央都・香港エリアで辰星商会と結託し、
大量虐殺を遂行、葵から目を付けられ追われる身となるが央都・中央エリアに
潜伏してホームレスに変装していた所、天羽に介抱される。
シャムロックなどといった危険人物との接触を避け、廃墟を寝床にしていた。
基本的には平常で寡黙だが理知はある。しかし、一度狂気に満たされると
殺意の塊となり、破壊の衝動に従い、行動する。殺人鬼に有るまじき
血の赤色を毛嫌いしており、爆傷及び一点的な暗殺を好む傾向にある。
得物はワイヤーロープや針状のもの、爆発物など。
[ワシリー・フォマ]
央都のお飾り市長。課題である共通言語の模索の傍ら多言語学習教室を開講している。
お飾りと呼ばれているもののその手腕は確かで多忙である業務を手早く済ませている。
[リーシュ・アル・ナアシュ]★
ワシリーの遠戚に当たる女子。央都のあらゆるサービスを運営・管理し、
ナビゲートする通信係。ハッキング関連の技術に長け、
わざと足跡を残しつつ悪戯(欠点を改善したり)するのが趣味。
[シャムロック・アッシャー]
元軍人、元SPなどといった偏った経歴を持つある種のスペシャリスト。
強面グラサンな白人だが見た目とは裏腹に紳士で珈琲愛好家。
本来はリーシュの役目だがワシリーから央都の案内人を任される。
外見と相違して禁煙で禁酒という生真面目な一面を持つが
シガレットチョコを銜えていたりと軍人時代の名残は散見する。
[ダレット・デファー]★
その筋では有名な運び屋。以前はスナイパーの傭兵として各地を遍歴していた。
現在は運送業の傍ら、スペシャルボディガード(護衛対象に付き添うのではなく
障害を予め排除して安全を確保する)の仕事をしている。
[メシル・コイアック]★
末期のヤンデレ少女。極度の人見知りだが見知った相手には好意を覚え、
極端なアプローチを取る。自称、錬金術師で独自に編み出した金属加工技術を
用いて近似的な日本刀を製造できる。猩紅事件によって契を愛顧し、四式叢雨を託した。
技術的には彫金に近く、予め作成した設計図に沿って製作する。
[ノウェン・ウェネ]
央都開発計画の主導者の一人。
[マルティス・アーバーン]
ブランクレイルの団長。国際活動で巡業し、位置が確定的な玄と違い、
専ら外国で開演を行っているため所在は常に不明。
主にアードゥルとティシュリーを連れ、三人のみで各地を興行するが
マルティス自身のポテンシャルが優れているため彼一人でも十分なショーになる。
アスワルドとしてV9に従う一方で央都に抵抗していたが鳳家が関わったことで
玄たちを守るため独断行動を取り、アマランスに見限られて黒煙に始末を依頼される。
一度は黒煙から逃れたが最後の公演直後に黒煙の手に掛かる。
[エルール・ルナエ]
ブランクレイル団員の一人。初回公演以来の旧知である
尊の頼みで伊那伎学園の講師も担当する。
[ティール・パレムハート]
ブランクレイル団員の一人。
[アードゥル・クワルナフ]
ブランクレイル団員の一人。
[ティシュリー・モルダード]
ブランクレイル団員の一人。
-外界の人物-
黒煙★
アーテル・ラウスやシャンディーニといった偽名を使う黒衣の殺し屋。
実際に殺し屋であるかは定かではなく、商人であったり、義勇兵であったりと様々。
また、個人ではなく複数の総称であるという噂も。
黒衣のフードに罅割れた仮面を着け、素顔は見えず仮面の内側に巻かれた布によって
声色も低くくぐもるため、素性の特定は難しい。西洋剣や日本刀、
銃器など多彩な武器を使いこなし、動作は独自の太極拳をベースとする。
[アスワルド]
ヴァントーズの後継者を狙う得体の知れない人物。V9(特にアマランス)の指示に従う。
当初はマルティスが変装した姿だったが、V9の管理下を離れて独断行動を
取ったことをきっかけにアマランスが新たに仕立て上げる。
[イーサリアル(サリアル・E・ウェルター)]
アスワルドによって送り込まれた刺客の一人。巧みに小銃やライフルを使いこなし
近接格闘に織り込むトリッキーな戦法を得意とし、単独戦闘に秀でる。
その正体はアードゥルであり、かつて西端紛争で暗躍した元傭兵である。
[カーディナル]
アスワルドによって送り込まれた刺客。基本的にアスワルドに忠実な
イーサリアルと違い、アマランスに忠誠を誓う。
-その他-
[テイント・アージス]
インタービジブルのチームリーダー。ハンドガンとナイフを常備し、
あらゆる局面に対応する判断力を持ち合わせたサバイバルのプロ。
階級は中佐だがインタービジブルはV9直下の特殊部隊なのでさほど意味はない。
[フェル・ファイナー]
インタービジブルの一員。担当は通信工作兵で電子妨害を得意とする。
[バリッド・ベアリッド]
インタービジブルの一員。主にベイパーの操縦を担当する。
[ベイグ・ベイカント]
インタービジブルの一員。チームの突撃戦闘員。
シャムロックは元いた部隊の隊長であり、退役した現在でも尊敬している。
[アーティ・ベスネッド]
インタービジブルをサポートするオペレーター。
[バイル・ビルレント]
犯罪集団"no shadows"の統帥。表向きは大企業の取締役。
[クインクエ]
"no shadows"の実動部隊を指揮する元囚人の大男。
[レネ]
"no shadows"の諜報員。内部偵察が得意で偽装工作に長ける。
[アマランス]
V9の一人。その中でも特に権限の高い人物で評議会議長を務める。
国家紛争を引き起こした首謀者(アスワルド)に協力し、
央都設立を適したタイミングで完遂させた。
神迅疾
V9の一人。雑技のプロフェッショナルで老獪な御仁。
マルティスに曲芸を教えた師匠でもある。V9とは別に
辰星商会の会長を兼任し、武器の密売を取り仕切る。
風波
V9の一人。軍属を転々とし、元空軍少尉、海軍中佐、
陸軍で一時的だが准尉の階級を与えられた。
最終的には混成連隊を指揮する特級少将として大規模遠征に参加した。
退役後に隠居していたが軍部の情報将校からベネラブル9に勧誘される。
以前の経験を活かし、個別にインタービジブルの指揮権を有する。
六合
V9の一人でありながら玄等に協力する老人。玄とは旧知の仲で玄は大先生と呼ぶ。
三部
V9の一人。教授と称される伊那伎学園の教頭。普段は冴えない中年を装っているが
その実、ベネラブル9一の資産家で権限もそれなりに高い。
財力に物を言わせた圧倒的物量作戦を得意とする。単なる俗物ではない
良識ある温厚な人柄(善行を自発するわけではない)だが相当な酒乱らしい。
壱位木賊
V9の一人で高名な技術者。後にバイルと内通していたことが発覚し、追放される。
[パイロープ]
V9の一人で実動担当。本来は傍観するだけで直接干渉しないのがルールだが
調和の名目で介入する場合に最前線で指揮を行う。非常に好戦的で暑苦しい男。
[アルコーズ]
V9の一人で諜報担当。忍者のように素早い密偵で六合のCMX12は元々は
アルコーズの所有物であり、その諜報能力は極めて高い。
[ミッシングナイン]
Mr.Mと呼ばれるV9の傍観者。ヴァントーズの城"セクスプルアラル"の番人。
-サブキャラクター-
南崎秀人
紫雲の友人で伊那伎学園の数少ない男子生徒。
向笠平太郎
鬼伏の部下。刑事なのに何故か伊那伎学園の教師も兼任している。
―用語―
《世界観》
かつて諸国の間で大規模な首都侵攻が繰り返された。後に国家紛争と呼ばれる
それによって国々の境界では不可侵の掟が暗黙に侵犯され、表向きは
終戦した現在になっても未だ見えない冷戦が続いていた。
それから数年が経った頃、
中央都市の誕生により世界は新たな一歩を踏み出し、諸方の同盟国家は互いを
尊重して先の国家紛争の二の舞にはならずに平穏を享受していた。
しかし、再び暗躍を始めたベネラブル9が介入したことで
央都を中心に不可解な事件が起き始める。
<央都>
中央都市。その在所は主に日本であるが各地に分所都市部という縮小化された
第二、第三などの央都が存在する(その場合はその地域の呼称に由来)が
作中では"始原都市"とも呼ばれる中央都市、央都を舞台とする。
明確に央都と定義されているのは始原都市である日本区域の首都だけで
その他は例えばアメリカ方面では首都を補うべく開発された"ニュータウンズ"(仮称)
などと呼ばれ、央都(中央都市)と呼称されることはない。
<国家紛争>
央都が誕生していない頃の近代社会の見えざる紛争として勃発した国境のいざこざ。
対外的には国境で頻発する内乱として処理されたが実際は
積年の不信と領国の変遷により一部の過激派が発起して戦端を開いた。
紛争の大部分が国境線で行われるため、国民にとっては余り現実感のない戦乱となり、
多くの国家では事後的に紛争が発生したことを隠匿している。
<央国>
現在の央都中心を本拠地とした連合勢力"央国軍"擁する国家。
国家紛争以降は央都となり、一時的に使用されただけの名称である。
<伊那伎学園>
央都末端にある教育施設の一つで、中でも特異な場所。教職員や生徒数が極めて少なく、
まともな学校としては機能していないが央都自体が学業を優先した国家構造では
ないので基本的に学校やそれに類する施設は殆ど存在しない。
<白土台>
央都の台地一帯にある住宅街。央都では住宅地が限定された範囲にしか無いため
基本的に住民の殆どはこの白土台に住んでいる。
<ブランクレイル(Blankrail)>
鳳玄とマルティス・アーバーンが率いる新興サーカス団。
舞台芸術の中でも演劇的な要素を取り入れ、単なる曲芸の見世物だけではない。
<no shadows>
特定の所在を持たない複数の集団が連合した犯罪組織。
複雑な組織形態で構成され、実体が存在しないが全体を統括する首魁はバイルであり、
その旗下で指揮されるが通常は命令を通さず各自が独断する。
<暗黒の災禍>
契約の予言に描かれた、いつか来る終焉の日に起こる大いなる災い。
予言には不明な欠落が多く、災いが災害とは限らず、全貌も判明していない。
<ヴァントーズ>
6人の候補から選出される暗黒の災禍の救世主。
<ベネラブル9(Venerable Nine)>
九名の傍観者で構成される古来から歴史の裏側で世界を傍観してきた評議会。
絶対なる盟約の下、世界を監視し、
均衡と力の分散のため各国の軍などに陰ながら協力する。
会議は広大な会議室で円卓のモニター越しに行われ、素顔は滅多に表れない。
<インタービジブル(Inter Visible)>
通称、特殊諜報第四部隊(IV)。部隊コールは611。
警察などでは対処できない事件に関与し、V9の指令によって出動する。
本来は央都の緊急対策班に属するがV9の管轄下にあるのでV9の私兵ともいえる。
<ベアリアス(Various)>
央都警察署(シャムロックの監視下)に配備された新型強襲用装甲車。
これの七式と呼ばれる別種がno shadowsでも使われている。
<CMX12(シーエムエックストゥエルブ)>
六合が保有する汎用小型航空機。主に情報収集を行う。
<ベイパー(Vapor 922)>
IVが使用する高性能急襲戦闘機。
<四式叢雨(ししきむらさめ)>
メシルが作った作品の中でも自信作にして唯一の真剣。
真剣ではあるが人を斬るために非ず生命以外の物体を切断する用途で使用される。
<八色天国(やくさあまくに)>
四式叢雨の完成形。削ったため刀身は更に細身となったが刃こぼれしない程の
硬度を誇る。中枢の結晶部分は光に反射して時に八つの輝きを見せる。
=物語=
-first phase-
Prologue「残夜」
第一話「ノーチェ」
第二話「密契」
第三話「ラヴァンデュラ」
第四話「幽冥」
第五話「ヴァントーズ 前編」
第六話「ヴァントーズ 後編」
Another Episode「禊月」
-second phase-
第七話「暗澹の視地平」
第八話「影の胤裔」
第九話「死の黒橡」
第十話「白群の列」
第十一話「禍殃暁星」
第十二話「リアリティフラット」
Special Episode「rarity pair」
Epilogue「再契約」
-third phase-
第十三話「lost veritable」
第十四話「viability 0」
第十五話「ファースト・ビクティム」
第十六話「congeal frontier」
第十七話「verge on death」
第十八話「exist eleven」
Extra Episode「afterward」
―――――
『構成』
1stphaseでは猩紅や黒煙、イーサリアルなどといった未知の敵に対し
交戦するアクションを、央都を主軸に繰り広げ、
2ndphaseでは央都以外の外界を舞台に、3rdphase以降では新説が描かれる。
補完要素として各所に外伝を挿入し、全8話構成で一章となる。
活劇が基本とされるが定まったジャンルはなく、第一に契(及びクロ)の
キャラクターそのものの確立や定着を優先するため時にはミステリーなシナリオもある。
また、超能力や幻想的な実現を表現するのではなく現実の範囲内で
起こることなので各々限界が設定される。
―――...