【書評】アフターコロナのマーケティング戦略 最重要ポイント40|選ばれるサービスを作るために必要なポイントまとめ
こんにちは。まっすんです。
日本を代表するマーケターである西口さん、足立さんの著書「アフターコロナのマーケティング戦略 最重要ポイント40」を読みました。
こちらのnoteで以下の2つを書きたいと思います。
①本に書かれている内容のまとめ
②この時代に選ばれるサービス・商品を作るために必要なポイント
この本に書かれていることは、一貫していて「時代を追うのではなくて、時代で変わっていく『顧客心理の変化』を追うこと」、「who(誰に)、what(何を)、how(どのように)届けるのか、顧客視点で戦略を考える」ということです。
現在、デジタルマーケティング、SNSでのバズ、KPI設定に対して「それって違うのでは?」という投げかけで、本質的な内容に迫ってくれるのでとてもわかりやすかったです。
選ばれるサービス・商品を作るためには必ずwho、whatから考えていく
選ばれるサービス・商品を作るためにはwho(誰に)、what(何を)をまず考えていく必要があります。これは、P&Gでも活用されているフレームワークと言われていますね!なぜなら、顧客は『不=job』に対してサービス・商品を購入するからです。
よくありがちなwho(誰に)設定(クレンジングジェルを販売する企業)
・30代、女性
・子供が2人いて、働いている
・好きな雑誌は**
・よく見るメディアは**
・旦那はメーカー勤務で、世帯年収800万円
ターゲット属性を決める方法です。これは間違いではないかもしれませんが、以下の理由で不足していると考えています。
・想定しているターゲットは実在していなくて、想像である点
・販売ターゲットを絞り込み過ぎてしまう点
重要なのは、『2人いて、働いている女性は、洗顔(スキンケア)に対して、どんな不(満)を抱えているか』ということ。その不(job)に対して、サービス・商品を購入(hire)しているので、不(満)を明確にしていきましょう。
事例:Oisix(オイシックス)を購入する顧客の不は『時短、美味しい野菜』
インターネットを通じて、カットミールを提供しているOisixを例に考えてみます。
who(誰に):野菜を切ることが面倒なお客様、手間かけずに美味しい野菜を食べたいお客様、レシピを毎日考えるのが面倒なお客様
what(何を):美味しい食材をご家庭に届ける、簡単に調理ができる、時間
のように考えられます。
事例:Mr.Cheesecakeを購入するお客様の不は『充実した一日を送りたい』
今、SNSでも話題のMr.Cheesecakeの場合です。
who(誰に):(コロナで)毎日退屈なお客様、平凡な時間が嫌だ
what(何を):至福の時間
実際、下記の記事でMr.Cheesecakeを立ち上げた田村さんはお客様に「時間」を提供しているとおっしゃっております。
参照
who(誰に)が決まったら、what(何を)を考える
whatとは、どんなニーズやインサイトを持つ具体的な顧客に、競合から得られない独自性のある便益です。
独自性(POD)の考え方は石井さんの記事が参考になりますのでご紹介します。(参照:https://note.com/141ishii/n/na578fec5ef84#ptMhp)
WHOとWHATを起点にして、その人の生活習慣、仕事習慣、価値観、タッチポイント、メディア習慣からどのルートで伝えたらいいかを考えていくことがとても大切
商品開発、戦略は企業側の「想像」「仮説」で考えてはいけない常に顧客起点でアイデア、独自性、便益を考えていくこと
実在する顧客から商品アイデア、独自性、便益を考えていきましょう。
従来品や類似品と何が違うのか、どこに独自の価値があるのか、それをいかに顧客に伝えてわかってもらうのかということを考えながら、モノやサービスをつくらないと、いくら差別化された素晴らしい特徴があったとしても、顧客には響きません
選ばれるサービス・商品を考えるための必要要素は2つです。
(1)プロダクトアイデア:サービス自体の独自性、便益
(2)コミニュケーションアイデア:(1)の伝え方
もっとも重要なのは「プロダクトアイデア」です。
つまり、他社にはない選ばれる独自性があって、顧客の不満を解決する(便益)があること重要。
作り手としてよい製品やサービスをつくるのは当然で、具体的な特定の顧客に、独自性のある価値=便益を伝えて認知してもらえるようにすることが出発点なのです
「良い商品=売れる」と考える人は多いですが、必ずしもそれは正しいとは言えません。顧客をみながら、who、whatを明確にして価値を提供していきたいです!
新規顧客獲得、ロイヤル顧客育成 どっちも必要
CRMの観点で、「売上の80%はロイヤル顧客20%から成り立っている」などと言われます。だから、ロイヤル顧客を育てれば良いと勘違いしてしまいます。
ある一定数はどんなことをしても離反してしまいます、継続的な成長をするためには新規顧客の獲得、顧客領域を広げるということがとても大切です。
自社の状況を把握するために顧客9セグマップで顧客分類をして、自社の顧客はどこに属するのかを考えてみましょう。
通販に関しては以下の要素で顧客分類することもおすすめです
・購入回数
・購入金額
・在籍日数(初回購入日から現在までの経過日数)
・休眠日数(最終購入日から現在までの経過日数)
簡単に受注データから集計できるので、分析してみてください。
ロイヤル顧客を大切にしながら、同時に、それ以外の顧客に働きかけることは必ずしも便益に背反することではありません。1つのセグメントに絞り込むのではなく、複数のセグメントそれぞれに、適したアプローチをしていく必要があります。
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