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ワインの魅力は意外なところにあった

今まで「どうしてもワインを飲みたい気持ち」は、あまりなかった。
ワインとの付き合い方が間違っていたわけだ。

フランスワインの講座に参加することによって、ワイン業界に興味を持てるようになったことに驚いている。僕はトップクラスのワイン産地であるイタリア・ピエモンテで生まれて育てられた。両親も食事のときに必ずワイン一杯を飲んでいた記憶がある。一方僕はというと、飲むより食べる方だった。

そんな僕が今年の8月から「マダムフィガロジャポン」でワイン文化やお酒、イタリア人にとってのワインなどの連載を書かせていただくことになった。
人間とワインは恋愛のような関係だ。それぞれの地域で守られ続けている文化と地理の間から、この愛は深まっていく。ワインを最高に楽しめる理由は、香りと色からその国の旅が始まることだ。

今回のワイン講座はソーヴィニョン・ブラン4種類を飲み比べだった。

飲む前から、不思議なことにフランスの旅に夢中になっていた。今回は4種類の中でフランス2種類、イタリア1種類、ニュージーランド1種類。フランス、イタリア、ニュージーランドはブドウ品種を通すことで、「ワイン」という一つの共通点となる。使われているブドウは同じだけど、地域によってさまざまな特色を持ったワインへと生まれ変わるのだ。

人間に合わせて、ブドウからワインを作る話ではない。ブドウを大切にして最高の状態に育てるために、自然に囲まれたブドウの「おうち」を作る。天候や土、川の温度、風などはブドウの「おうち」になる。人間のようにブドウも心地よい場所が大事だと感じた。ワイナリーが作ったワインではなく、その地域のこだわりの説明を聞きながら、目を閉じると川の音が聴こえてくるような感覚になった。ここから、ブドウの魅力が現れたのだ。
参加した「フィガロワインクラブ」では、地域の話が細かく、地図を見て説明を聞きながらワインの冒険が始まった。知らないうちに、食事も出ていた!

ソーヴィニヨン・ブランと言いながら、エリアによってこんなに変わるんだと聞いた後に飲み比べてみたら「本当だ!想像以上に変わっているんだ!」と衝撃を受けた。この理由でワインは生き物のように感じるようになった。「ワインをもっと知りたい!」と思ったのは人生で初めてだった。

ワインの魅力は何だろうとずっと思っていたけど、40歳でやっとわかってきた。ワインは、飲むのがメインではない!自分から遠い場所で育てられたブドウをワインにし、ボトルを開ける瞬間、大切な共通点が現れてくる。社会的なルールと国籍がリセットされて、世界一の空間とワインが新しい自分を引き出してくれるのだ。

ワインの魅力と楽しさはずっとワイン自体に探していたけど、どうりで見つからなかったわけだ。その理由は地域にあったのだから。今までは、地元であるピエモンテのワインであれば、思い出がたくさんで家族の一員のようになるけど、そこから離れると何か足りないように感じていた。でも、人生初のワイン講座に参加して、いろんな話を聞けば聞くほど、ピエモンテから離れても飲みたくなる。テイスティングが始まると、静かな空間は一瞬でカラフルに変わって、日本で話しているはずなのに、それぞれのワインの地域に飛ばされる感覚がだんだん大きくなるのだ。

世界を知ると、自然に楽しさが倍になる。そして、幸せになる!ワインを通して世界を盛り上げる道具は、「ワインとその料理」と気がついた。これからは、お家のリビングからワインに乗って世界を旅しよう!

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マッシ|エッセイスト・ライター
みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。