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【詩】小粋な地蔵
道の傍らになぜか化粧をした
お地蔵さまがまつられている。
まつられているとは言っても
別にお堂があるわけではなく
いつも雨ざらしになっている。
それでも綺麗な顔でいるのは
心ある人たちがお地蔵さまの
お世話を毎日しているからで
お化粧顔は絶えたことがない。
この化粧顔のお地蔵さまには
むかしからの言い伝えがある。
月をまたがぬ三七二十一日間
寅の刻にお地蔵さまの御前で
「おん、かーかーかびさんま
えい、そわか」という真言を
一心不乱にとなえると恋愛が
成就するというもので、その
お礼の印が化粧なのだと言う。