【詩】命を賭ける
隣の車線の車がスピードを上げるのを見ては
負けじとスピードを上げている。
コンビニで一品だけ買うのも何だからと
ついつい余計な物を買っている。
焼き鳥屋でテーブルの上が寂しいからと
ついつい盛り合わせなんぞを頼んでしまう。
勝つまで寝らんぞと意地になって
ついついスマホ相手のゲームを繰り返す。
出す物はしっかり出しておこうと
ついついトイレに長居してしまう。
ウォーキングで人が前を歩いていると
ついつい抜かしてやろうとペースを上げる。
やるからには毎日更新しようと
寝る間を惜しんでブログを書いている。
相手のちょっとした言いぐさが気に障り
ついついムキになって突っかかってしまう。
ちょっと離れればゆっくり車を駐められる場所があるのに
ついつい入口近くの窮屈な場所に駐めている。
一円二円を儲けるために
必死にアンケートに答えている。
無駄を省こうと必死になって
無駄に時間を費やしている。
オレは何でこんなくだらないことに
命を賭けているんだろう。