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【詩】健康診断センター

健康診断センターは多くの人で
ごった返している。そこで人は
名前が呼ばれるのを待っている。
そして呼ばれた順番に受診者は
採尿するためトイレに移動する。

その診断項目が同じである限り
どの場所であってもひとつ前で
呼ばれる人の名前は同じなのだ。
その名前を聞くのは初めてだが
何度も聞いているうちに昔から
知っている名のような気がして
いつの間にか愛着を感じている。

いったん愛着を感じてしまうと
その人に親近感を抱いてしまう。
そしてその親近感はだんだんと
安心感に変っていき、いつしか
この人のうしろだから大丈夫だ
という気にまでなっているのだ。
最後の診断が終ってもその人の
余韻が残っていて無意識の内に
その名を呼んでいることがある。

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