無表情な面接官
かつてある企業の面接官にぼくは
「君はこういう仕事向きじゃない。
他の仕事を探したほうがいい」と
無表情な顔で言われたことがある。
「向きや不向きはやってみないと
わからないじゃないですか?」と
ぼくが言うと、無表情な面接官は
「追って連絡するので」と言って
サッサとぼくを追返したのだった。
不採用だったのは言うまでもない。
その後ぼくは別の企業ではあるが
不向きだと言われた仕事に就いた。
あれから四十数年経ったわけだが
会社は変わったものの相変わらず
ぼくはこういう仕事に就いている。
別にしがみついているのではなく
他の仕事に就こうとしてもなぜか
自然にこの仕事に戻って行くのだ。
多くの人がぼくに言う「あなたは
ホントにこの仕事が向いてますね」
無表情な面接官様、四十数年後の
ぼくはこういう評価を受けている。
やってみないとわかりませんよね。