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【詩】ぼくの夏
大きく開いた空の下を
夏、きみと二人で歩いていく
静かな風は汗をぬぐって
蝉の輝きは時を止める
遠くで子供達が野球をやっている
カビの生えた思い出が日にさらされ
今にも飛び出しそうなぼくの幼さを
きみは笑って見つめている
そうだこの夏、海へ行こう
忘れてきたふるさとの海へ
きみと二人で子供になって
忘れてきたふるさとの海へ
お祭りの夜、二人で浴衣着て
いっしょに金魚すくいやろうよ
幼い頃の想い出が
ぼくの夏を駆け巡る
一足早いぼくの夏を
きみは笑って見つめている
(1978年6月作)