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雪の朝(2005年12月18日の日記)
昨日は夕方から断続的に雪が降っていた。夜が深まるにつれて、吹雪だし、寒さはだんだん増していった。
日記を更新したあとに窓の外を見てみると、すでに前の公園は真っ白になっていた。天気予報で、朝方は冷え込むと言っていたので、朝はもっとひどい状況になっているだろう。
ということで、朝は確実に大雪が積もることが予想された。
そのため、早い段階から、今日のJR通勤を覚悟していた。いつもより1時間早く起きるため、目覚まし時計を1時間早目にセットする。とりあえず、防寒用のトレーナーと手袋を用意しておく。JRの時刻表をチェックする。以上のことをやってから、ぼくは床に就いた。
床に入ってからも、なかなか寝付かれない。風の音が気になるのだ。時折、突風も吹いているようだ。その風に雪が乗って、すでにあたりは数センチ積もっているのではないだろうか。
白い息を吐きながら、雪の中を歩く自分の姿を想像しながら、寝付けない自分にいらだっていた。とはいえ、いつしか眠ってしまった。
さて、朝になった。目覚ましの音と同時に跳び起きたぼくが最初にやったことは、窓の外の確認だった。
真っ先に目に飛び込んできたのは、前の公園の風景だった。昨夜一面真っ白だった公園だが、所々地面が見えているではないか。
さらに窓の真下の道路を見てみると、歩道の隅のほうに雪がある程度で、車道にはどこにも雪はなかった。そこを走っている車も、チェーンの音をさせることもなく、普通に走っている。
ということで、大雪の予想は、完全に外れたのだった。
いうまでもなく、ぼくは再び布団の中に潜り込んだ。あとは、いつもの時間まで寝て、いつものように出勤準備をし、いつもの時間に家を出た。
家を出て、車に乗り込んだ時、ラジオで
『都市高速が雪のために不通になっている』
と言っていた。
だが、道はまったく混んでなかった。さすが日曜日である。所々に残った雪を眺めながら、ぼくはのんびりと会社に向かったのだった。
会社に着いてみると、ここもあまり雪が積もっていない。ただ、ぼくが車を駐めるところは、午前中には日が当たらない。そのせいで、あたり一面真っ白とまではいかないが、若干雪が残っていた。
ぼくはそこを転ばないように注意して歩いていた。ふと足下を見ると、これである。
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言うまでもなく、鳥の足跡だ。写真ではわからないと思うが、一つの足跡が2,3センチくらいだったから、きっと小さな野鳥のものだろう。
ぼくは何か貴重なものを見たような気がして嬉しくなり、それをさっそくカメラに納めて、みんなに見せて回った。
みな一様に「あっ、かわいい」と言った。
ところが、一人だけ口ではそう言いながらも、複雑な顔をしていた人がいた。ぼくと同い年のパートさんである。
なぜ複雑な顔をしたのか?
ぼくにはわかる。