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【詩】また雨だ

大山椒魚のような形をした
真っ黒で巨大な雲がゆっくりと
ゆっくりと東に向かっている。
ああ、こりゃまた雨が降るな。
ぼくは心の中のスクリーンに
すでに雨を降らせている。
と思う間もなく車の窓に
一個二個三個、大粒の雨が
ぶち当たる。ぶち当たる。
四個五個六個、そして無数
何度も何度もぶち当たる。
雨は窓に当たって砕け
バチバチという雨音に乗って
車体は左右に揺れている。

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