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【詩】この町

あの日は雨が降っていた。
字足らずのスーツを着て
字余りのコートを羽織って
ぼくはこの町を出たんだ。
この町の何もかもが古く思え
見知らぬ新しい町を求めて
ぼくはあの日旅立ったんだ。

数年してぼくはわかった。
町に新しいも古いもないってね。
決して古くなかったんだ。
ただ自分の中にあるこの町が
古く存在していただけなんだ。
だからぼくはこの町に戻ってきた。
そして今もこの町に住んでいる。

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