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出雲大社遠征①

2年前(2020年)のちょうどこの時期に島根県の出雲大社へ行った。その時のことを書こうと思う。例のウイルスの発生や自粛などで騒がしくしていたが、7月になって暑くなると国全体が「もう大丈夫なんじゃね?」という雰囲気になって、Go Toトラベルなるキャンペーンが始まった。 

Go Toトラベルだからというわけではないが、我慢していた数か月を取り戻したいと思っていた。そして、ちょうどバイクを新しく買い替えたばかりだったので、バイク旅にしようと思った。

ただし、それを決めたのはかなり急だった。私はいつも急に決めることが多い。なかなか決まらずにどこに行こうかとずっとグーグルマップを見ていた。行ったことのない場所は数多くあれど、しっくりくるところが見つからなかった。1泊2日で行けるところと考えて、出雲大社に決めたのは出発前日の22時のことであった。


8:30 自宅を出発した。たっぷり寝てゆっくり目のスタートだ。バイクでの移動はかなり体力を使うので充電が必要なのだ。1日目は島根の松江を目指す。2日目に出雲大社を目指す。自宅から松江までは約300㎞だ。久しぶりのツーリングだったので、高速は補助的に使ってなるべく下道を楽しもうと思った。

まずは姫路まで高速で行ってそれから北上すればよいと考え、自宅近くの入り口から高速道路に乗った。本線へ入ったはいいが車が予想以上の行列でなかなか進まない。誰もが自粛疲れを癒すために、Go Toトラベルを利用するために出かけていた。進みがあまりにも遅すぎて一般道を走る方が速く移動できた。「お金を払って一般道よりも時間がかかるなんて」とガッカリしたので1区間で高速を降りた。

9時ごろ 高速を降りてガストに入った。本当はもっと進んだところでモーニングをとりたかったが、お腹が空いたので社会学の入門書を読みながらモーニングを食べた。

12時半ごろ 姫路に着いた。まだまだ松江は遠い。

13:45 兵庫県宍粟市にある道の駅播磨いちのみやでだし巻き定食を食べた。

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メインのおかずにだし巻きが鎮座している。この餡のかかっただし巻きがご飯とよく合うのだ。

14時半ごろ ゆっくりと食事をとり、ルートを検索すると行程が大幅に遅れていることに気が付いた。少しのんびりとし過ぎたか。予定を変更し、松江まで高速道路で向かうことにした。

私の乗る250㏄のバイクでも速度的には80㎞/hから100㎞/h当たりでの巡航は問題ない。ただ、バイクで長時間の高速走行になってくると風が身体にあたり続けるので、体力が奪われる。風に押される頭部を保持するために首が痛くなってくる。もちろんヘルメットの重さもある。

また、バイクのアクセルはグリップを手前側に捻り続けないといけないので、手首が疲れる。高速道路には信号などの停止する理由が無いためアクセルを捻りっぱなしになるからだ。普段の信号待ちは意外と休息になっているということに気が付いた。加えて、途中から雨が降ってきたため視界が悪くなることもストレスになった。

17時ごろ 中国自動車道と米子自動車を経由して松江に到着した。100㎞/hで走りながら風を受け続けることは想像以上に疲れる。とにかく腹が減ったのでローソンに入ってからあげクンレッドを食べた。しかし、松江に着いたはいいが宿をまだとっていない。からあげクンを食べながらいくつかのゲストハウスに電話をした。

私は基本的には貧乏旅行をモットーしている。中でも宿泊にお金をかけるなら食べ物にお金を使いたいと思うので、いつもゲストハウスやユースホステルなどの格安な宿を探す。しかもそちらの方が他の客との会話が生まれやすい。

いくつかゲストハウスに電話をしたが、どこも埋まっているそう。恐るべしGo Toトラベルの力だ。その後、ゲストハウスは諦め、なんとか素泊まりのカプセルホテルをとることができた。コミュニケーションは期待できないが、まぁ綺麗なところで寝られるだけよいと思った。からあげクンを食べると松江市内にあるそのカプセルホテルへすぐ向かった。

18時ごろ カプセルホテルに到着した。素泊まりで4000円くらいだった。私はGo Toトラベルの仕組みもよく知らなかったし、高い宿やホテルしか使えないと思っていたが、このカプセルホテルも後で手続きをすればGo Toトラベルが適用されてお金が返ってくるという説明があった。少し嬉しくなったが手続きが面倒くさいのでまぁいいやと思った。私は自分のカプセル(部屋?)に荷物を置いたら、解き放たれた逃走中のハンターのように市街地へ繰り出した。

19時ごろ さびれた商店街らしきところを歩いていると「台湾マッサージ」という看板を見つけた。かれこれ8時間くらいバイクに乗りっぱなしだったので、身体がバキバキだった。台湾マッサージには行ったことが無かったので突撃した。

暗い階段を2階に上がると、その台湾マッサージはある。入ると誰もいないが奥から台湾のおばちゃんが出てきた。「イラッシャイマセ~」と台湾訛りの日本語で話す。メニュー表を見るとリンパオイルコース30分5000円、60分10000円だった。私は30分5000円のコースを注文した。一万札しか持っていなかったのでそれを渡すと、お釣りがくるのかと思ったらなぜか自動的に60分10000円のコースになってしまった。あまり日本語がわからないのか、そういう詐欺まがいのビジネスなのかわからないが、抵抗はやめて60分ゆっくりすることにした。

「コレ二キガエテ」と言われて紙パンツを渡された。着替えると全裸に局部ががギリギリ隠れる大きさの紙パンツの状態になった。それでオイルを塗られてマッサージが始まった。マッサージは素人レベルで気持ちいいという感覚があまりない。これなら身近な素人の人にお願いする方が上手いのではないかというレベルだ。

さらに、マッサージ中ずっと鼻水をすすっている。「例のウイルスではないか?」と少し怖くなった。だが、おばちゃんは私がそのことにふれるより前に「コレハビエンダカラダイジョウブ」という説明をした。そうならばよいが、施術中も時折手を止めてティッシュで鼻をかんでいた。そして、途中で急に現れた身内なのか知り合いなのかわからない台湾のオッサンとずっと私語をしながら施術した。

21時半 気持ちいいのかどうかよくわからないマッサージを受けた後、適当に街をぶらぶらと歩いた。Go Toトラベルのせいか、人が溢れ返っている、そうはいっても自分もその一人なのではあるが。

お腹が空いたのでどこかで食事をとろうと思った。なにか海鮮が食べたいと思ったが1人で入れそうな感じのところが見つからない。駅の近くに立っていた警備員さんに聞くとオススメの居酒屋を教えてくれたのでそこに行くことにした。

「炉端かば」という居酒屋に着いた。山陰地方で多く展開するチェーン店らしいが関西では見たことが無い。名前もおもしろい。三ツ矢サイダーを飲みながら、海鮮丼とイカの天ぷらと馬刺しを食べた。

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23時 シャワーをしてから、カプセルの中で寝た。カプセルは狭いが、窮屈というわけではない。むしろ広すぎる部屋よりも落ち着く。

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続く

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