Mrs. GREEN APPLE『ライラック』の感想文
いわゆる神曲に出会いました。
どれくらいの神曲かというと、ここ二年以上NOTEを動かしていなかった僕が、ミセスのライブにも行ったことも無い僕が、突如パソコンを立ち上げて感想文を書きたくなるほどの魅力が詰まっほどの神曲なんですね。
稚拙な文章ですが、どうか温かい目で見てください。
第一印象と楽曲のテーマ
第一印象は疾走感と爆発力…!!
新鮮だけど、懐かしく、どこかミセスの原点を感じさせる一曲という印象でした!
よく引き合いに出されている青と夏は、「夏が始まった合図がした」という詞の通り、青春初期のみずみずしさ溢れる曲です。
一方でライラックは、「全て懸けた あの夏も」「あの頃の夏を覚えていようぜ」という詩が印象的で青春の後半戦…でも大人としてはまだまだ未完成というイメージを受けました。
“夏”の解釈が、ミセスやファンの成長と共に少し大人になっているんですね
私事ですが、高校の文化祭で、青と夏を題材にした舞台をクラスで作った思い出があります。
そして大学4年生として、社会のスタートライン手前に立つ自分としてどストライクなメッセージソングでした。
曲の核になるのは、一音一音が弾けるようなイントロの超高速ギターリフ。爽やかで強い。
だけど、怖いもの知らずではなく、内側に葛藤や真剣さを秘めたイメージを受けます。
「これまで負った傷に目を向けた上で、僕は僕自身を愛してる」
という楽曲の全体的なメッセージを、イントロの、たった10数秒のリフだけで伝えてしまえるのが流石ミセス。
忘却バッテリー
話は変わりますが、ライラックは高校野球を題材にしたアニメ、忘却バッテリーの主題歌にもなっている楽曲です。
高校野球とのタイアップ曲と言えば
熱湯甲子園2014テーマ曲の『オモイダマ』 (SUPER EIGHT)
第96回 センバツ MBS公式テーマ曲の『太陽』 (My Hair is Bad)
が個人的に大好きなんですが
「オモイダマ 今 空へ駆け上った」
「泥だらけのグランド、聴こえたブラスバンド」
のように野球を連想させる言葉が散りばめられていることが多いですよね。
他にもOfficial 髭男 dismの『宿命』
「切れないバッテリー 魂の限り」という詩に出てくるバッテリーは、電池を意味するバッテリーと、野球用語のバッテリー(ピッチャー&キャッチャー)のダブルミーニングになっているのは有名ですよね。
ちなみにバッテリーという言葉は、ラテン語のバットゥエレ(意味:打つ、攻撃する)に語源を持ち、野球道具のバットやバトル(戦い)の語源にもなっているそうです。深い…。
じゃあライラックに野球用語はあるのかという話ですけど、無いんです。
ただ!!サビに野球のエッセンスが入った音
「青に似たすっぱい春とライラック
君を待つよ ここでね」
のここでね
の「デン デン デン」の音、ちょっと注目して聴いてみてください。
野球っぽくないですか?(伝われ)
私は甲子園に響き渡るブラスバンドの重厚感、塁を蹴るような疾走感を感じました。野球っぽいですよね…??(伝わった)
野球に関する歌詞はひとまず置いておいて、
忘却バッテリーのエッセンスは音として、曲に落とし込まれています。
「思い出の宝庫
古いものは棚の奥に
埃を被っているのに
誇りが光って見えるように」
これは、野球をあきらめようと、グローブを奥底に眠らせていた藤堂葵くんや千早瞬平くんが、やっぱり野球を諦められずに、再び探してしまうシーンと重なります。
「色褪せはしない 忘れられないな
今日を生きるために」
「あの頃の青を覚えていようぜ
苦味が重なっても 光ってる」
忘却バッテリーのテーマである
「忘れる」「覚える」
にまつわるフレーズも落とし込まれています。
忘却バッテリーはがっつりした野球漫画というよりも、野球を題材にした人間ドラマなので、疾走感がありつつも、葛藤や、劣等感を抱えたメッセージソングがぴったりですね。
メッセージがいいよねって話を最後にして終わろうと思います
「ワサワサする胸 朝方の疎ましさ
ズラして乗る 急行電車」
青春時代は特に、周りがキラキラしていて疎外感を感じたり、自分に自信が持てなかったり、一歩を踏み込む勇気が持てないことってあると思うんです。そんなリアルで内に秘めた劣等感を表していますよね。
「雨が降る その後に緑が育つように 意味のない事は無いと信じて 進もうか」
「割に合わない疵も
認めてあげようぜ 僕は僕自身を 愛してる」
子供のように無鉄砲なポジティブではなく
これから先出会う傷を覚悟した上で希望を歌っているので、前向きな歌詞に説得力が乗るんですね。
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