
ささやかに。
小さなこと。些細なこと。
でも、それによって気持ちは大きく変わることってあるような気がする。
3つほど些細な変化をもたらした、先週のこと。
髪の色を、栗色に。
数ヶ月間、美容院に行っていなかった。
ゆとりもなく、ちょっと億劫で。
でも、「さあ、出かけよう」という瞬間。いつも鏡を見て、根元の髪の色が、毛先と比べて差が出てきていることが気になっていた。
私の髪は、色をほんの少し明るく染めるだけで、ぐんぐん明るくなっていってしまうのだ。
“暗めの栗色”。
綺麗に全体が染まっている。
建物の中にいると、黒に近い、落ち着いた焦げ茶色で
外に出ると、艶のある焦げ茶色。美味しそうな栗のようで、大満足だ。
根本、数センチ。
出かけるたびに毎回気になっていたところを気にしなくて済むということは、こんなにも気持ちを穏やかにしてくれるのだと、改めて感じた。
待ち受け画面を、秋に。
私はブランドの『アフタヌーンティー』が昔から好きで
紅茶はもちろん、雑貨も食器もよくお店でチェックしている。
さらに、ホームページにて
毎月4枚ほどの壁紙が新しく登場し、ダウンロードできるのだ。
その中でお気に入りの画像があれば、スマホの待受画面を変えている。
昨日まで、夏らしさ全開の7月の壁紙。
“海の中で泳ぐ人魚の水彩画タッチのもの”にしていたけれど
ちょっと秋めいてきたので、雰囲気を変えようと思った。
数年前に何かのアプリで保存した、
“楽譜”、“カスミソウ”、“リボン”、“鶴の手芸用ハサミ”などが無造作に置かれた、冒頭の画像だ。
私の好きなものがギュギュッと詰め込まれている。
夏を終えた、待受画面。
時間を見るたびに、ふふっと笑みがこぼれる。
BGMを、部屋に。
最近、机に向かうことが多くなったので、部屋の中に音楽を流すことにしている。
といっても
知っている音楽だと口ずさんでしまったり、意識がそちらに向いてしまう。
…なかなか難しい。
作業用のBGMを、色々と試してみた。
今、私に合っているなと思ったのは
ピアノがメインのもの。
ハープやギターなど、静かめでアコースティックなもの。
鳥の声や虫の声など、外の空気や生き物の気配を少しだけ感じられるもの。
あとは
ディズニーのパーク内で流れている音楽だったり
昔好きだったゲームの音楽だったり
気分によって変えるのも楽しかった。
オーケストラや、歌声が入っていると
耳が拾う音が多すぎて、集中できない時があると思ったけれど
例えばジブリなどのサウンドトラックを聴いていたら
実際は見ていないのに「あ、今あのシーンだ」などと、音楽だけで作品の情景が浮かぶのだから、すごいなと感動した。
集中できなくても
なんだか1人の時間も楽しくて、生き生きとしていたような気がする。
それにしても
部屋の中で常にBGMが流れているというのは、BGMがない時に比べたらなんとも優雅で
一気に空間が洗練されたような感じがした。
ハンディータイプの扇風機を手元に置き、優しい微風を浴びながら
ふと窓の外に目をやる。
青い空がのぞいていて
太陽の光が、机の三分の一ほどを占め、斜めに差している。
蝉の声がいつの間にか聞こえなくなって
夏休みを終えた子供達の声も聞こえない、静かな午後。
こんなに些細なことで、微笑む時間が生まれるのだと思うと、
そう感じられたこと自体がなんだか嬉しくて
心のQOLが、ささやかに上がったような気がした。
毎日色々あるけれど、だからこそ。
小さなことでも、気分転換は大事だ。
残暑の厳しい、夏の終わりの静かな部屋にて
そんなことを思った。
2024.9.9