76.ぺトリコール
私の言葉一つで
一体どれだけの情動を引き起こせるだろうか
気化した心と共に
ふわりと浮いた
傾く柱の上っ面手を繋いだ電線
送りたい気持ちが溢れても
いつも受け取ってばかり
雨粒が沁みる靴の爪先
変色 アスファルトが滲んで
信号待ち 排気ガス
不快な暗闇が鼻につく
道端フェンスに這う雑草
諦めきれないよな そうだよな
どこに帰ればいいのって
私と同じようなにおいがして
だからまた吸って吐くように
私の言葉一つで
一体どれだけの情動を引き起こせるだろうか
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