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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

過去を受け入れる難しさを教えてくれるゲーム、OMORI

評判の良いゲームなのは知っていましたが、私にとってもまさかここまで印象深いものとなるとは予想外でした。

ゲームが終わってから1年以上経っても、時々はあのキャラクター達を思い出し「しあわせに暮らしているかな…」と考えてしまいます。ゲームのキャラクターなのに。
それほどまでにインパクトのある作品でした。

OMORI
ドット絵のコマンド式ホラーRPG
プレイ時間:20〜30時間
プラットホーム:PS4、Steam、Xbox、Switch

このゲームの注意点と、気に入るだろうなという方
*泣きたいとき、見事な伏線、シナリオ重視のゲームを探しているとき、おすすめします。
*戦闘はコマンド式、難しくありません。強敵もレベルさえ上げれば基本倒せます。
*序盤、まったりを通り越してかったるさを感じる人もいるかと思いますが、中盤までいけばシナリオの良さが上回ってくるはずです。
*ホラー表現はおどろおどろしい雰囲気、画面の暗さに赤の表現などがあります。
ジャンプスケア系はあります。多くはないらしいですが、私はびっくりしました。
モンスターも可愛いものが主ですが、異様な化け物も出てきます。
*このゲームは鬱、引きこもり、死の精神的表現、狂気の表現も多々ありますので、心が弱っている時に遊ぶことはおすすめしません。
序盤は平気でも後半はかなりしんどいです。途中で休憩を挟む人もいます。
*逆にシナリオより戦闘やゲームシステムが重要という方には向きません。


【注意!】若干ネタバレありの感想です。
*いつか遊んでみようと思った方は、ネタバレを絶対に見ないことを強く、強く、勧めます。
*この感想文、公式トレーラーも避けたほうが、驚き楽しめるかもしれません。(この感想文のネタバレ度は10%前後だと思われます)




ワンクッション置きます。


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あらすじ

優しく奇妙で暖かな「とある場所」から目覚めた主人公は、この世界で冒険を始めます。ちょっと乱暴だったり、喧嘩しちゃったりするけどお友達はみんな仲良し。
今日もみんなで楽しく冒険。
ーーーー見たくないものから目を逸らして。


↑Swich版のトレーラー。
OMORIの明るい世界が主なので怖くないと思います。後半若干ホラーあり。

↑初期トレーラー。
こちらの方がOMORIの狂気が描かれていると思います。
ホラー表現、不協和音の音楽がありますので要注意です。


自分の過去と向き合うことはとても難しい

自分を許すことはもっと難しい。
このゲームはずっとそれをテーマにしていたような気がします。

辛い現実に立ち向かわないといけなかったとき、逃げたくなるのは仕方がないことだと思います。
まして、それが子供だったなら。

「過去から逃げるな」と頭の片隅にあるからこそ、恐怖が実態となって追いかけてくるのだと思います。
あのホラー演出の数々。
私は何度も「こわ…っ」となりました。恐らく主人公はもっと怖かったでしょう。



主人公の安全地帯は、私の安全地帯でもあった

この奇妙で暖かな場所。
初めは変に優しい場所だな、と思っていました。
童話のような、そんなところ。
ストーリーが気になる序盤はちょっと急いで進めていました。

ですが。
中盤、ゲームが進み、ホラー演出が過激になり、そして人間関係の歪みを叩きつけられたとき。
冷え切った言葉を聞いて、
ああ、もう、どうにもならないんだと諦めたとき。

あの場所、あのやさしい「お友達」のみんなを思い出し、帰りたいとさえ思いました。

この私の心境の変化は主人公とシンクロしていたと思います。あの生ぬるい世界に閉じこもっていたいと、そうじわじわ思いさせるシナリオは本当にすごい、の一言です。

でも、いつかはちゃんと向き合わなきゃいけない。
主人公も薄々とわかっていたのかもしれないし、心がもう限界だったのかもしれません。
それが綻びとなり、至る所で『真実』がちらちらと顔を覗かせたのだと思います。



過去から逃げるのか、抱え込むのか

『真実』を知ったとき、私は愕然としました。
予想以上に酷かった。
真実を知る過程、
点と点をプレイヤーに結ばせ、プレイヤー自身に予想させ、最後に答えを出す。
この演出は鳥肌が立つほど見事で、地獄へとゆっくり落とされました。

ですが…本当にただただ悲しい。やるせない。どうやったってもう…過去に戻れない。
あの時に戻れたら、もし違う行動をしていたら。
そしたら全然違うことになっていたのに。

これはゲームだけでなく、私たちの現実でも多々あることでしょう。
抱え込んで生きていくか、なかったことにしてその過去から逃げて生きていくか。…でも、逃げても追いかけてきたら?
正解はないとは思います。が、このゲームはそんな辛い現実を突きつけてくる作品でした。



大丈夫。きっとうまくいく…

終盤の終盤は、ボロッボロ泣いていました。
あまりに泣きすぎて画面が見えなくなるくらいで。
薄ら見えた彼の言葉は、ナイフのように心を抉っていきました。
あれが彼の本音で、自分への評価でしょう。
…つらい。そんなにまで苦しんで、もがいて。
開発者の方に鬱病経験者がいるのでしょうか?
それくらいリアルでした。

私は、幸せになってほしいと願います……が、難しいでしょう。
それでも。
私は、彼と彼の友達を抱きしめたい。
そして、少しでも穏やかな気持ちで笑顔を見せてくれることを願ってやみません。


【ネタバレありの感想文は後ほど書きたいと思います】

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