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奏心声音㉓

僕を応援する誰かのために 
毎朝目覚めて 必死に生きているんだと思う
だから僕は毎日頑張れるんだと思う

僕自身 全くの他人で構成された家族の中で育ち
何の血のつながりもない父と母にたくさんの愛をもらって生きてきた
それでもかなり幸せで
本当の家族の中で育った友人たちよりも 恵まれた生活をしてきたように思う
そんな経験があるからだろうか

この少女と出会い
声を持たない少女と 家族になることに何のためらいもなかった

なぜこの少女と出会ったのか これが運命だったのか
この少女との出会いで僕は何か変われるんだろうか

薄暗い部屋の中で 天井を眺めながらそんなことを考えながら眠りにつく
そんな毎日が続いていた

どんなに考えても どんなに悩んでも 
また朝がやってきてこの腕の中にすっぽりと収まってしまう
小さな少女のために生きようと思う

にっこりとほほ笑んでくれる
その笑顔のために

最近の少女は一輪車に興味があるようだ
学校の授業で授業で一輪車に乗る機会があるらしい
もちろん自宅にはそんなものはないのだが
放課後に遅くまで友達と一輪車の練習をしている

そんな少女のために今年のクリスマスに
一輪車をプレゼントしよう
そんなことを考えながら

また夜がやってくる
守るものがありことは生きる力になる
守るものがあるから朝が来る

僕の両親もそんな気持ちだったんだろうか


秋の夜
静かに月を見上げながら 今夜はそんなことを考える

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kotokoto
頂いたチップで 沢山の素敵な本に出会って 自分の思想を鍛えたいと思います そして素敵な本をみんなに紹介出来たらいいなと思っ