
Photo by
mioarty
奏心声音⑥
最近お絵描きにハマっている少女のために
色鉛筆を買ってみた
僕が知っているのは24色くらいだが
画材屋に行くと驚くほどの数の色が並んでいた
200色 色鉛筆……
一体どんな色があるのか少女と覗き込む
ひときわ少女は青色に興味があるらしく
目を輝かせて 手話で伝えてくる
晴れた空は 綺麗な青色
雨の日の空はくすんだ青色
季節によっても空の色は微妙に違うと
そして海の色もまた
季節によって色んな色味があるのだと
水溜まり
涙
雫
青色だけでも色んな表情のある色があるのだなと僕は感心しながら少女の話を聞いていた
もちろん少女の誕生日も近いから
僕は 46色という色鉛筆を購入する予定で
手に取ろうとすると
笑顔でそれを静止する
そしてたった1本
勿忘草 という青色を手に取る

きっとこれから週末になる度に
この画材屋に通うことになりそうだ
音がない世界でも
相手も気持ちを伝える方法はいくらでもある
少女はこれから
たくさんの色で僕に 色んな物語を伝えてくれるんだろう
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