#14 私がタイに移住しなかった理由〜バンコク編①〜
前回:#12 私がタイに移住しなかった理由〜チェンマイ編②〜
チェンマイから逃げるように飛行機に乗ってバンコクへ。
のんびりしたチェンマイと比べて、バンコクは真逆の印象を持ちました。
バンコクに着いて整備された都会的な空港からタクシーで街中に移動すると、降りた場所では六本木の高架下のような熱気を感じました。
車から降りると、人、人、人。車と排気ガスの熱風で思わずクラクラしてしまいます。
バンコクといえば旅人たちの多くが紀行している雑多な街並みを想像しますが、10年前の風景はもう古い。
バンコクは人も街もすごい勢いで成長している大都会でした。
バンコクという都市は王宮や寺院が数多くあるチャオプラヤー川沿岸と、たくさんのコンドミニアムやショッピングセンターが乱立するワッタナー区方面で二分されています。
「深夜特急」でバックパッカー達が集ったカオサンロードは完全なる観光地に。(コロナの現在は若者が集まる夜の街として賑わっているそうです)
電車がとおるエリアはどんどん開発が進み、銀座にも負けない勢い。街ぐるみでの高級感あるエリアになっています。
通常大都会といえば東京やロンドン、ニューヨークを思い浮かべますが、私の中で大都会といえばドバイ、バンコク、北京や上海の方がイメージが強いです。
前者が成熟しきった衰退の一途をたどる都会と評するなら、後者はこれからも爆発的に活気付いていく都会。
タケノコみたいにニョキニョキ成長していく都会。
この感覚は、日本で暮らしているだけでは絶対感じられなかったと思いました。
世界は同じ時代を生きていない。
アフリカも東南アジアも中東も、経済と人間性という面を考えればまったく違うフェーズにあります。
日本人が高度成長期時代の「出世欲世代」から「さとり世代」なんて言われるようになったように、住む世界そのものが違うから人生観も違うんだなと。
身を以て感じることができたのはこの生活をしてよかったと思えたことの1つです。
バンコクでの生活について話を戻します。
家賃はおよそ6〜9万円。外食はチェンマイの1.2〜1.5倍くらい。
これは東京から福岡へ引っ越した時に感じた金銭感覚とまったく同じでした。
必要なものはなんでもあるし、必要以上のものもたくさんある。
物欲がなくなるようなチェンマイの街とは正反対で、バンコクはあれもこれもと欲しくなってしまうような熱気にあふれています。
その上でバンコクはクリエイターにとってすごく魅力的な場所でした。
今「アートの都は?」と聞かれればベルリン、ニューヨーク、そしてバンコクを思い浮かべます。(フランスやオランダはアートじゃなくて芸術の都だと思っている)
街中にたくさんの美術館やギャラリーがあるのはもちろんですが、若手作家の台頭が著しい。
特に古くからあるタイの絵画にさまざまな手法を取り入れて、独自の芸術文化がどんどん開花しているのを感じました。
また建築家が一度は行ってみたくなるような建築物もたくさんあります。
バンコクではたくさんのカフェや施設が多様な業種とコラボレーションしていて、街自体が現代アートの最先端を行っています。
街づくりに関わっている官僚や会社がすごいのでしょうか。古い町並みを生かした再開発と、振り切って未来的な都市設計。今後どうなっていくのかすごく気になる都会でした。
次回はそんな魅力的な都市・バンコクに、なぜ私が移住しなかったのかを綴っていきます。
続く…
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数ヶ月ずつ滞在して「どの国に住みたいか」を考える自由研究をしているフリーランスの考察・感想です。このnoteは移住計画の頭の中を綴っています。よろしくお願いします。