見出し画像

私だけのダイエット(後半)

何をするにも育児という突発タスクが壁となり挫折してきた産後ダイエット。
食事記録も筋トレもままならない日々の中、いつもぼんやり眺めているネットニュースの中でダイエット記事を見かけた。

ダイエット母さん、20kgの脂肪をちぎり捨ててみた。』(にーよん著)

こちらの書籍を抜粋して紹介している記事だったのだが、状況が自分と似ていたために、立ち篭める暗雲が割れて光が差し込んだような心境だった。

5人ものお子さんを産み育てる間に、ATMのタッチパネルの台にお腹が乗るほどになっていたという著者のにーよんさんが、20kgもの減量に成功したポイントが書かれている。
これを連載している記事で、私はその中の“チリツモ筋トレ”に目が留まった。
5児の母であるわけで、私よりもはるかに時間に追われた過酷な育児なのだが、隙間の時間にドローインを行うというチリツモ筋トレである。

1回でも良い、とにかくできる時にやる。
これは私の折れかけた心を見事に修復してくれる方法だった。

そこから私は、家事の合間に「今できるな」と思ったら、その場で筋トレするようになった。
30分もヨガマットの上にいることは難しいが、「今できるな」という瞬間はけっこうたくさんあるものなのだ。
特に、キッチンに立っている時間はチャンスが多い。

キッチンのスペースは細長いという間取りが多いのではないだろうか。
我が家もそのタイプで、両手を大きく振り回せば必ず換気扇やら電子レンジにガツンとぶつかる。
なので、狭いスペースでもできる筋トレやストレッチだけにしている。
ドローインは最適だ。息を吐くだけなので、その場に立っているのと変わらない姿勢である。
スクワットも良い。縦にしか動かないので、これも省スペースで済む。
肩甲骨を意識して肩をグルグル回したり、片脚を真横に上げ下げして腿の外側を鍛えたり、股関節をほぐすように片脚ずつ回すのもできる。
他にも、踵上げや両手を後方に引いて捻る二の腕エクササイズ、腰から上を捻ったりアキレス腱を伸ばすストレッチ等々。

「今だ!」という瞬間は色々ある。
煮込み中の鍋をもうひと煮立ちさせる間。
見ていなければならない揚げ物調理中。
レンジの残り時間の15秒程。
調理が一段落した後の数分の空白。
子供が纏わり付いてさえいなければ動けるのだ。
数分、数秒しかないかもしれないが、首回りをほぐすには十分だし、3回でもスクワットできればゼロとは全く違ってくる。
まさにチリツモである。

著者のにーよんさんは、他に食事の工夫などもあるが、全てを真似することはできないので、とにかく自分にできることだけを取り入れるしかない。
学校の長期休暇で子供が家にいると、昼食まで子供向けになってしまうので、ダイエットメニューは諦めなければならない。せいぜい自分だけご飯の量を減らすとか、その程度だ。
タンパク質と野菜を必ず入れる。それ以上は突き詰めない。
余裕のある時に『まごわやさしい』の食材を意識してみる。

食事作りも運動も、時間的に「しんどい」と感じるレベルだと続かない。
もちろん、自分自身のことに使える時間が自由に取れてストイックに究められる人は、そのまま突き進んでもらいたい。
しかし我々は育児中で、女性である。
子供のことで膨大な時間を消費し、月経周期にも振り回される。
何かの記事で見かけたのだが、男性と同じレベルで筋肉をつけようと思ったら、女性は男性の7倍(うろ覚え)トレーニングが必要になるとのこと。
狩るものと産み育てるもの、生物としての役割を考えると仕方がないことだ。
だからこそ、自分に合ったダイエットの手段を探したい。
それに、目標も人それぞれである。何kg減量する、お腹を凹ませる、ヒップアップ等々。
世の中にはダイエット本が溢れているが、その通りに出来なくて挫折した経験は幾度となくある。
自分にできることを見つけてカスタマイズして、日々の生活に取り込む。自分だけの続けられるダイエットに、ゆるく長く取り組んでいく。
これが私が辿り着いた答えである。

  1. 隙間の時間にチリツモ筋トレ

  2. 食事はタンパク質と野菜を必ず入れることだけ意識、余裕があれば『まごわやさしい』

  3. 目標はまずとにかくお腹を凹ませること

  4. 生理前など怠い時は食事も筋トレも無理しない

これは昨年の秋頃から何となく頭に置いて続けてきたことだが、残念ながら体重・体脂肪などの数字は劇的に変わってはいない。
しかし嬉しい変化があった。
第一子を出産してから年2回のペースでギックリ腰になるほど腰に爆弾を抱えていた私が、この冬全く腰を痛めずに春を迎えたのだ。
ストレッチとスクワットの効果が出ている。

0か100で考えるとやってない部類に入るかもしれないが、1でもやり続ければ腰を痛めない体が手に入るのだ。
やってて良かった。心からそう思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?