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93.コンセプトの教科書【細田高広】読書感想文
「そんなにみんながおすすめするのであれば、、!」
この本は、複数人のインフルエンサーさんに紹介されており、
一視聴者として、自分も影響され購入に至りました。
購入前に書店でパラパラと読んだ時、
誰でも知っている企業のコンセプトを分解した内容が書かれており、
わりと入りやすかった、というのが第一印象でした。
この本さすが、たくさんの人が紹介するだけあって、
めちゃめちゃいい本です。
今後、起業したり、自社のプロダクトを販売したりする際は、
必ず読むべき本だと思います。
またそうではなくても、今一度自分の会社や商材を見つめ直すことができたり、就職前の学生は社会のサービスに対しての見方が大きく変わるきっかけになると思います。
そしてかなり内容が濃いので、本記事でまとめるのは3つにさせていただきます。
他の箇所が気になる方は、ぜひ購入して読んでみてください。
■インサイト型
経営戦略やマーケティングプランを考える際の枠組みで、3C分析という言葉があります。
Customer (顧客)
Competitor (競合)
Company (自社)
これらの最後にConceptという4つ目のCを配置した4Cとすることで、ストーリーを形成できることについて記載されています。
1 昔々あるところに、××で困っている生活者がいました。
2 しかし、世界中の誰も助けることができません。
3 そこで、⚪︎⚪︎は自らの特殊な力を使って手を差し伸べました。
4 つまり、□□という解決策によってユーザーは救われたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1716684726621-LyXs7Z355q.png?width=1200)
特に、「カスタマーインサイト:困っていることは言葉にならない」ということが大きな学びでした。
私たちが言語化できるのは「ニーズ」であり、認識の5%程度のみが意識できていることだそうです。
本当に求めているインサイトは隠れた95%の部分となります。
このインサイトを引き出すために、発見や共感を提供して、
「言われたらそうかも!」を引き出すしかありません。
4C分析のファーストステップだけで、かなり深いと感じました。
またこの事例の一つとして、ファーストテイクというyoutubeチャンネルを取り上げています。
いったいファーストテイクはどのようなインサイトを求めて、コンセプトを打ち立てたのか。
気になる方はぜひ手に取って読んでみてください。
■ビジョン型
先ほどのインサイト型の場合、顧客の考えに依存しており、
革命的、イノベーティブなんて表現とは縁が遠いです。
一方で、新しい視点があって共感が得られないものも、すばらしい影響をもたらしているのも事実です。
このように未来目線でコンセプトをつくる際には、ミッションやビジョンが大事になります。
MISSIONとは組織が担い続ける社会的使命
VISIONとは組織が目指すべき理想の未来
この2つに加えてコンセプトを時系列で並べるとこのようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1716685681270-wFnyPHmaFY.png?width=1200)
ストーリー化してみましょう。
①MISSION そもそも私たちは「」ために立ち上がった。
②VISION いつか「」ことを目指す。
③CONCEPT そのためにいま「」のだ。
未来目線で物語る人として、大統領などの政治家、熱意ある経営者が思いつくのではないでしょうか。
その中の一人で、本書ではイーロン・マスクの事例を挙げております。
スペースXという米国宇宙開発起業でロケットを打ち上げたストーリーはかなり面白かったので、気になる方は読んでみてください!
物理学の法則と矛盾しない限り、想像できることは実現できる。
究極のビジョンを掲げるにあたり基盤となるイーロンマスクの考えです。
かっこいいですね…
■統合
インサイト型とビジョン型ではコンセプトのストーリー設計の手法が違いましたが、「どちらか」ではなく「どちらも」考えるべきものです。
図1と図2を足してみましょう。↓の感じになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1716686240478-poXJQOPoAl.png?width=1200)
コンセプトは顧客のインサイトに応えるものとして、そして組織やチームのビジョンを叶える一歩目として、2つの目的のために設計されるもの
いろいろな企業がコンセプトを1つとって、かなりキャッチーに外部にアウトプットされていますが、これだけ緻密に設計されていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
私に取って強い驚きは2つの側面を持ち合わせていることでした。
ニーズやインサイトに対しての重要性が圧倒的に強いと思っていましたが、
ビジョン型のように、大きな目的を叶える「最初の一歩」としても機能するのです。
重ねてですが、自分の企業や扱う商材は今一度どのようなコンセプトを位置付けることができそうか、考え直してみようと思います。
まとめ
正直内容がとても濃い本です。
全部で6章ありますが、そのうちの2章分のみをこのnoteで書かせていただきました。
本は大量の図が使われているため、感覚的に理解しやすく、
また皆さんが知っている多くの企業の事例を取り扱っているため、わかりやすいです。
加えて、自分の手を動かして、コンセプトメイキングする箇所もあります。
超いい本です!私自身も何度も読み返したい本となりました。
学びとなる本を少しでもお探しの方、ぜひ手に取ってみてください。