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『ニューヨークの魔法のかかり方』



『ニューヨークの魔法のかかり方』 岡田光世


▶︎あらすじ

世界一孤独な街、ニューヨーク。ひとりぼっちでも、哀しみをたくさん抱えていても、なぜ、子どもみたいに人懐こくて、お節介なのだろう――。いつもユーモアを忘れず、あったかい。だから毎日が、なんだか楽しそう。息苦しい人間関係に疲れていたら、ニューヨークの日常をちょっとのぞいてみませんか。

今回はエッセイとともに初めて、海外でも日本でもすぐ使える、とっておきのコミュニケーション術を伝授!

世界は魔法でみちている。ほんの少しの勇気で、かくれた魔法は動きだす。(Amazonより)


▶︎感想

大好きなシリーズの8作目。

今回も(行ったことないけれども)ニューヨークの空気感と、ウィットや人間味に溢れたフレーズで楽しませてくれた。


Don’t mention it. (どういたしまして)

I’m still standing. (なんとかやっているよ)

It will come back to me tenfold. ((喜びは)十倍になって、自分に返ってくる)

I like it. (私、それ、好き)


『ビルからもらった指輪のあと』や『ミラノ、そして東京の、とけない魔法』など、素敵なエピソードがたくさんあったけど、今回一番心が掴まれたのが『ブロードウェイをめざす仲間たち』だった。

このエピソードだけ、人物たちの著者との関係性もわからないし、全体から浮いてる感じもする(過去のシリーズ作品で東日本大震災について触れていたものはあったけれども)。

でも、このエピソードが必要だったんだろうし、書かずにはいられなかったんだろう。今作で一番印象的な文章で最後が締められている。


”志帆はときどき、ふと思う。

妹と自分が助かったこともわからないまま、母は亡くなったのだろうか。

名のごとく、志を立て、帆を上げ、海を越えた向こう側で、仲間たちに支えられ、志帆は今、力強く生きている。”


次でいよいよシリーズラスト。最後まで楽しみきりたい。

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