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『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』

初めて読む作家のチョイスとしては多分間違った。

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『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』東山彰良


如何にモテるか――それだけをこの胸に問い続けて、今日まで生きてきた。この本の主成分は、これまで恋に関して沈黙するしかなかった有象無象たちの涙なのだ。
「有象くん」と「無象くん」というフツーの男子大学生をはじめ、女の子たちをめぐりもろもろ事件が起きる春夏秋冬のエピソードが綴られる連作短編集。「イケメンくん」に「二番手くん」「ダンベル先輩」「抜け目なっちゃん」、「都合良男先輩」などキャラクターを強調された登場人物たちの悲喜こもごもが描かれる青春ストーリー。(Amazonより)


最近読んだ朝井リョウのエッセイ『時をかけるゆとり』じゃないけど、最高にくだらない読書体験だった。何回か声出して笑ってしまった。

アホだなーって思いながらも、どこか他人事に思えない、自分の大学生時代にも似たような考えや行動をしてしまったんじゃないかと若干の苦味を含んでいる。

特に最終章で有象が女子に「LINE教えて」って言われたことを「実印を貸してくれ」って言われたのと同義と捉えてしまうとこがなんともおかしくて、でもなぜかわかってしまう切なさもあった。

前例はあるのかもしれないけど、キャラクターの特徴をそのまま名字にするって単純なようで画期的だった。ストレスなくスイスイ読める。けど名前的に途中まで主役二人は双子だと思ってしまっっていた。。

本人たちは真剣だけど傍から見ればアホな話ばっかりで、でもどこか哲学的というか文学的なものを感じさせるところは、森見登美彦作品に通じるものがあった。

そしてなんだかんだ言って、タイトルが大多数の男子大学生を簡潔明瞭に表していて秀逸すぎる。

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