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『しょぼい喫茶店の本』


『しょぼい喫茶店の本』池田達也

就職できなくても生きる! !
東京・新井薬師に実在する「しょぼい喫茶店」(という名前の喫茶店)が出来るまで、と出来てからのエモすぎる実話。(Amazonより)


色々挫折はしてるけどなんかトントン拍子に進んでいくなって思ってたら、しっかり調子に乗って失敗して、V字回復はしないけど現在進行形でやり直していく様子に好感を持てた。

その中で著者が自分には飛び抜けたものはないけど、できる限りのことで周りを円滑に回していく姿、店というよりはコミュニティを守っていくという姿勢が良かった。

”この喫茶店で一発逆転はできない。それはわかっている。わかっているけれど、それでも僕とおりんさんは、いつか魔法が起こるんじゃないかと本気で信じている。そう信じてサイコロを振り続けること。魔法が起こるまで、地道で泥臭くて、お世辞にもシンデレラストーリーとは言えない日々を、毎日毎日繰り返すこと。それが優秀な経営者じゃない僕とおりんさんにできることなんだと思う。”

そして最終章の「グルーヴはひとりじゃ生まれない」というタイトルと下の文章に、ずっと自分が思っていたことへの共通項と、これからの生き方への新しい提案のようなものを感じた。

”お店を始めるまでは、何にも縛られない自由こそが幸せなんだと思っていたし、それを確保できるだけのお金があればいいと思っていた。でも、今はそうじゃない。僕は、自分自身の自由を放棄して得られるものでしか大切な物を守ることができない。だけど、そのことで僕以外の誰かが幸せになるのなら、それは僕にとっても幸せなことだ。”


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