風の色 シロクマ文芸部
風の色を伺おうと私は外に出た。
しかし何も見えない。視覚を刺激するものは何もない。そこに視覚は必要なかった。
だから私は聴覚を研ぎ澄まそうとした。ノイズなのか何なのか分からない音が次々と聞こえてくる。
ブウィーン
スーッ
ゴーッ
トゥルトゥルトゥル
どれも当てはまるようで当てはまらない。いや、当てはまらないようで当てはまる。「色」を探しに来たのに「音」を拾う自分。
でも、音を追えば色が見つけられる気がした。私なりの「風の色」を探しに今日も出かけてみようと思う。かなり至難の業ではあるけれど。
風の色空飛び回る
鳥たちの黒白茶色まだらのインク
風の色深まる夕べ子供たち
焼き芋ほうばり深く息吐く
風の色がただ見たかっただけなのに
なぜか私はオランダにいる
風の色どんな色なの教えてよ
私は今日もパソコンに聞く
風の色つかもうとして手を伸ばし
ふと振り返る指輪のない今日
小牧部長、この度もよろしくお願いいたします。
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