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未経験から3ヶ月で作り出した本がまもなく発売される。
3ヶ月前まで本を作った経験なんてなかった。
本当になにも知らなかった。本の作法も、どうやって作られていくのかも、InDesignの使い方さえも。
本のデザインを依頼してもらえたことが心の底から嬉しい一方で、果たして本当に作ることができるのか、役割を果たせるのか、不安も大きかった。
プロジェクトに加わるか悩んでいた時に想像したのは、自分が制作に携わらなかった方の未来だった。
発売したその本を手にする瞬間、100%、間違いなく悔しい。そうに違いないのだ。大好きなブランドの大好きな人が書く、今最も読みたい本。
一緒に作りましょう!と声をかけてもらえたのに手にしたその本には携わっていない未来。「他の誰かが作った」ということよりも「自分はなぜやらない選択をしたのか。」という悔しさが胸を締め付けるだろうことは容易に想像できた。
そんなことは耐えられない。
間違いなく死ぬときに後悔するやつだ。
だから、覚悟を決めた。
そして、絶対に最高なものにするとだけ誓った。
仕事と寝食以外のほぼ全ての時間を本作りのための勉強と制作に注ぎ込んだ。分からないことだらけな中で、先人がノウハウを記してくれた本たちとインターネットに随分と助けられた。
勉強して得た新たな知識をすぐに使うことも、解けない疑問に悩む時間さえも楽しくてしかたがなかった。
ほんの少しだけでも、0.01mmでも良いものにできるように。いつもいつもいつもいつも、そればかりを考えていた。
おかしな時間まで制作を続け、挙げ句の果てに著者からは「ほどほどにして欲しい。」と心配された。
完全に狂気だった。
サカナクションの山口一郎さんは、かつてこんなことを言った。
みんな「本気」だから「狂気」でなければ上に行けない。
— 山口 一郎 (@SAKANAICHIRO) October 30, 2017
そうだ。未経験の僕が人様に手に取っていただける本を作るには、本気ではダメなのだ。狂気でなければ。そんなことを考えていた。
著者の木村さん、ALL YOURS、そして出版元の青山ブックセンターの看板を背負う本が、中途半端なものであってはいけない。
それをずっと思いつづけていた。
経験があるかないかじゃない。
出来るか出来ないかでもない。
結局は、やるかやらないかだ。
「やれないこと」を「やれるようにする」のは
自分の覚悟でしかない。
やればいいんだ。やればできるんだ。
覚悟の先に素晴らしいチームがあり、出会いがあり、3ヶ月をかけて、少しずつ少しずつ作ってきた本がようやく来週発売になる。
一人でも多くの人に読んで欲しい。
自分の気持ちばかりを書いたけれど、内容がとても素晴らしいから。一言で言えば、生き方が変わる本だと思う。
そして、余裕があれば、少しだけデザインにも目を向けて欲しい。
もうすぐ、自分が制作に携わった方の未来がやってくる。
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トークイベントもよかったら。