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外食で体作りが出来る店/食とまなびのブログ

筋肉食堂に行ってみた。
正直言って、色物だと思っていた。
奇をてらった美味しくない料理を食べ、低い満足感で店を後にするのかもしれないと思っていた。

であればなぜ行くのか。
それは、店舗を展開出来ている理由が気になったから。
そして、あるクライアントが似たような店を検討中だったから。

私の思い込みは良い意味で裏切られた。

渋谷店に行った。
店名のネオンもカラフルでメタリックなイメージ。
なんだかひと昔前のイメージ。
着席するとお水やお茶ではなく、プロテインが出てきた。
さすが筋肉食堂!(笑)
おもしろいと思った。
そしてこれが人生初のプロテインとなる。これで最後かもしれないが。

スタッフもみんな筋肉質でいい体をしている。
お客さんもいい体。
やっぱりみんな鍛えているのだろう。
お客さんも鍛えている人が来る店なのだろう。
なぜか黒いTシャツ比率が高い。筋肉マンは黒が好きなのか。
私のぷっくりしたお腹が恥ずかしく感じる。
いや、これは入店後に沸き起こった感情ではなく、入店前から実は感じていたのだろうと思う。
この店にいる全ての人から、なんだか私の体形を馬鹿にされているような被害妄想が沸き起こる。
『なんだあいつ、あんな腹して恥ずかしくないのか』
『お前の来るところじゃないよ』


メニューはやはり筋肉を意識されたものになっているようで、たんぱく質である肉が中心のメニューとなっている。
赤身肉のステーキやハンバーグ、チキンステーキ。
付け合わせはもちろんブロッコリー。
夜メニューにあるアルコールも表記の仕方が“糖質カットビール”や“低糖質カクテル”など筋肉を意識したもの。
ふむふむ。
なるほど。
面白いラインナップだし、打ち出し方だなぁと感心する。


土曜日日曜日はランチセットはやっていないらしい。
お昼ご飯のつもりで行った私は、つい。
“ご飯はついてないのですか?”と聞いてしまった。
その瞬間思った。
“あ!変な質問をしてしまったかも”
“ここに来る人は炭水化物なんか食べないのか?”
ここでもまた“馬鹿にされる?”と被害妄想が出てきた。

もちろん店員さんは私をバカにすることもなく、土日はご飯は別になっていて・・・と説明してくれた。
白米、玄米、キャベツと選べるらしい。
キャベツ・・・。

変な意地なのか、なぜかは自分自身よくわからないが、結局、炭水化物を頼むのはやめた。
ハンバーグ200gだけを注文。
パン粉は使ってないらしい。徹底している。
ご飯はよろしいのですか?と確認される。
自分から“ご飯はついてないの?”と聞いていたにも関わらず、
“おいおい!おまえはご飯食べるだろ!無理するな!”と言われているように感じる・・・。

うーん。
こんなに被害妄想が出てくるとは。
こんなにも劣等感を感じるとは。
自分自身が意外だし、非常に興味深い自分の中の感情だ。
しかしまぁ、実は・・・。
『ハンバーグ食べて、足りなければハシゴで牛丼食べに行こう』と考えていたのだから始末が悪い。

やっぱり筋肉とは無縁のぜい肉ばかりの立派な中年としては、この店にいること自体に居心地の悪さを強く感じていた。


あまり期待していないハンバーグ200gが来るまでの間。

プロテインを一気飲みした。
なぜかちょっとだけ勇気を出して。
なぜか一気飲みすべきと感じながら飲んだ。
意外にも甘い。へー、まずくないぞ。いや、そこそこうまいなぁ。

店内を見渡す。
テイクアウトや冷凍発送の打ち出しも多い。昼時だからだろうが、ウーバーからの注文も頻繁に入ってきている。
店舗数を増やしているのは伊達ではなく、ニーズがあるのだなぁと感じる。

たしかに、筋肉というだけでなく、体作りという面から見てもこの店は使えるかもしれない。
そりゃ、東京という巨大なマーケットであっても、筋肉ムキムキの人だけで複数店舗が成り立つほど飲食業は甘くない。
一般的な人、でも体作りに興味がある人はものすごい人数いるはずで、そういった人は外食に罪悪感を感じながら日々暮らしているのかもしれない。

だとしたら、この業態・・・。

東京以外でも、少し工夫すれば・・・。


ハンバーグが来た。
アツアツに熱せられた鉄板の上にもやし、その上に丸型のハンバーグ(結構まん丸)、付け合わせはやっぱりブロッコリー、そしてヤングコーンとトマト。

どれどれ・・・。

ハンバーグに箸を入れた。
柔らかい!
これが第一印象。一般的なハンバーグより柔らかい。
そして、中が赤い。
ほぼレア。肉汁が溢れてくる。
鉄板の上にのっている焼くための黒い丸いもの。これで好みに焼き上げるのだな。

意外にも(すみません)うまい。

なるほど。
体作りにこだわる人達、体作りマニアに指示されるお店だからこそ、美味しくて、満足感があり、それでいて体が作れる工夫がここかしこにある。
やっぱり小手先だけではない。ちゃんと美味しい、満足感の高いものがあった。

また行くか?と聞かれれば。うーん、不明。

しかし、この店には可能性をすごく感じる。
体を気にしている人、食べるものを気にしている人は老若男女たくさんいる。
そういったニーズに答える外食店舗は意外にも少ないように思う。

私のように劣等感に苛まれる要素を排除していけば非常に面白い業態になるのではないだろうか。そして、それは筋肉マンには出来ず、私だからこそ出来る。


みなさんの意見を聞きたい。
私が知らないだけで、こういったニーズに応える店はあるのだろうか。
筋肉、体作りをしている人が通う店。そういった人のニーズに応える店。
あればそこにも行ってみたい。
さらに研究し、どこかで私の考える“体作りの店”をやってみようと思う。


以上。


感謝します。

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工藤昌幸
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