夜明け前、誰もいない、鳥や亀もいない静かな朝、みんなどこにいるの
日の出が遅く、日の入りが早い。11月神無月は、こうした季節。昔、裏日本に住んだことがあって、地元の人は、この時期を特に、裏日本の象徴的な時季と少し哀しげな表現で話していた。これがあるから、発展しないような意味合いか。
確かに、裏日本は、人は少ない、活気はない。あと少しすれば雪が降り出す。ちょうどクリスマスの頃、他所から来た人間には、ホワイト・クリスマスなんて喜んでいた。地元の人は、やっかいもの来た、冬将軍なんて気持ちで諦めの表情だった。
どんよりした暗い日々、愉しいものではない。
そして正月が来る。裏日本といえど、ずっと雪もぐれではない。街中では、雪かきもし、道路の隅に黒くなった雪が積み上げられ、溝で流されていく。
今朝の、この亀池という名のため池、表面は、風もなく、波もない。いつもと違う。いつもは、鳥、鷺とか鴨、亀が堤防の法面を這っていたりする。もう活動している。人間と同じ。夜明けとともに動き出す。夜行性とか関係ないみたい。どっかで寝ているかじっと夜明けを待っている。
人間も動物も同じなのだ。
人間は、意識があるとか、集団で目的のため団結してトップの指示で効果的、作戦を理解して動くとか言っている。ほんとうだろうか。
空を飛ぶ鳥たち、水面で同一方向に組織的と思える形で進む鴨たちを見ると、人間が勝手にそう思っているだけのように思える。
だんだん明るくなるのが遅くなる日々、自然の状況が変わるのを目の当たりに見て、今朝そう思った。
人間の世の中、国会の動き、小室さん夫婦、原油価格、環境問題などいろいろニュースで流れる。静かに思えば、なんてことはない。
嗚呼、静かでいい。
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