10月30 日(月)「培養肉・培養魚について考える」
今日の豊田は終日快晴。
朝方の最低気温は8℃、日中の最高気温は22℃。
朝は、半袖では少々寒かった位で10℃割れでしたが、日中は湿度も低くてとっても清々しい一日でしたねぇ。秋だ。
先週末からは二十四節気・霜降の次項、七十二候の「霎時施(こさめときどきふる)」(小雨が時々降る時期)となっています。そう言えば最近は終日雨が降るコトは少なく、パラリと雨が降っているような気もします。でも、この間は雷鳴轟いていましたが(笑)。さて、
先週金曜日は客人対応で多忙となってしまい、スキップしてしまい、失礼致しました。
先週木曜日には「有害鳥獣・キョン」について書きましたが、本日は先週金曜日に更新するハズだった「培養肉・培養魚について考える」をお届けしたいと思います(冒頭の図はコチラから拝借しました)。
ココ数年で、「代替肉」が流行って(?)ますね。
コレは人口増加に家畜供給量が追い付かず、家畜飼養の為の畜産産業に係る森林破壊・温室効果ガス排出・水資源大量消費など環境負荷が大き過ぎるコト、動物福祉・脱動物搾取の流れ等もあり、主としてSDGsの観点から家畜肉→代替肉シフトが進んでいるようです。
一口に代替肉と言っても、実は「植物性原料由来の肉の食感に近いモノ」と「元々の動物の細胞を培養して作る培養肉」の2種類があるようです。
ココ数年で話題になっているのは、ドチラかと言うと前者であって、既にBeyond MeatやImpossible Foods等のメジャーな企業も出て来ているし、大手食肉メジャーや日本でも大手食品会社も代替肉食品を売り出し始めていて(ソイミート等)、スーパーやファストフードでも時々見掛けるようになって来てますね。
一方、培養肉の方はどうかと言うと、植物性原料由来のモノに比べればまだまだ出遅れ感がある状況であり、矢張り生産規模とコストの問題、ルール作り等がボトルネックになっているようです。ただ、生産技術の発達と大量生産化(消費者意識の変化によって培養肉が世間的に受け入れられ始めたコト?)もあって、シンガポールでは2020年に培養鶏肉の販売が承認されたりもしていて、徐々に一般化(と言うトコロ迄は行ってはいないと思いますが)しつつあるようです。
また植物由来のモノと同様に、世界各地で培養肉産業(?)に参入する企業も増えて来ているようなので、恐らくホントに一般化して行くのも時間の問題なのかな、とも思います。
更に言えば、鶏肉や牛肉のみならず、甲殻類や魚類等への広がりもあるようなので、当然培養魚が一般化して行くのも、もしかしたら時間の問題なのではないか、とも思えます(現時点では培養肉よりも更に出遅れ感はありますが)。
ただ、培養魚の可能性について言えば、①関サバ等ブランド魚の量産、②シーラカンス等稀少魚種の魚肉生産、③「筋肉はヒラメで脂はマグロ」等全く新しい魚肉の生産、等コレ迄の魚食を変えていくコトも考えられるようです(←コレらはながさき一生さんの「魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養」の受け売りです)。
また、培養魚の出現により、コレ迄の天然魚/養殖魚の位置付けも変化してくるコトが予想されるとのコトで、以下のような棲み分けになるのでは?と(コレも上述受け売り)。
・天然魚…多種多様なサカナを味わい易く、旬を楽しむコトが出来る
・養殖魚…消費者ニーズの高いサカナを一匹丸々安定供給するコトが出来る
・培養魚…消費者ニーズの高いサカナの一定部位を安定供給するコトが出来る
コレはなるほど!でしたね。恐らく、今後培養魚の研究・普及が進むに連れて、上述のような棲み分けになって行きそうな気がします。
個人的な考えを言わせて貰えば、前にも「遺伝子組み換え食品・ゲノム編集魚等について考える」でお伝えした通り、人間が神の領域に手を突っ込み過ぎと言うか、自然のモノに手を加えて人間の各種の欲望に応えるべく操作する、と言うのは少々ヤリ過ぎ感があるし、コワい気がするのですよね。
確かに、人口増大問題もあってSDGs観点からは已むを得ないコトなのかも知れないけれども、ホントにソコ迄やっちゃって良いの?と言う素朴な疑問が拭い切れないカンジがしてしまうのですよ。
従い、ソレはソレとして認識はするものの、自分がコレからやろうと思っているお店に於いては、多分培養肉も培養魚も使わず、出来るだけ天然の魚、天然のお肉を提供するようにしたいな、と考えています(養殖魚の位置付けは少々難しいけれども…)。
と言うコトで、本日はこれにて。
明日は「未利用魚・ミドリフサアンコウ」についてお届けしたいと思います。