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2025年2月13日(木)「調味料・みりん」
今日の東京は曇りがちな晴れ、強風。
朝方の最低気温は2℃弱、日中の最高気温は11℃。今日は元々春一番が吹くかもとの予想であったにも拘らず、意に反して(?)西高東低の天気図の通り、強い北風が吹き荒び(20~30m)、大荒れの天気でしたね。予報だと、土曜日辺りには春一番が吹きそうなカンジになってます。
今日からは二十四節気・立春の末項、七十二候の「魚上氷(うおこおりをいずる)」(氷の間から魚が飛び跳ねる時季)。今週の寒波も漸く緩みつつあるようで、そろそろ魚も飛び跳ねるのかな?さて、
昨日は「内臓料理(魚)・スルメイカの肝を使った料理」についてお伝えしましたが、今日は「調味料・みりん」についてお届けしたいと思います(冒頭写真はコチラから拝借しました)。
みりん。
醤油・味噌・酒等と並んで日本料理には欠かせない調味料の一つですね。ソレは今や誰も疑うコトも出来ない、疑うコトすらもしない事実なのだと思います。以前「醗酵食品・三河のみりん」でも書いたので、詳細はソチラに譲るとして、みりんが調味料として一般的に和食の調理に使用されるようになったのは、ナンと戦後からなのだと言うコト(江戸時代からうなぎのタレなんかには調合されてたみたいなので、飽く迄も一般的に使われたのが、と言う意味です)。こりゃあ、ビックリですよね。
ただ、みりん自体は古くから存在していて、室町時代や江戸時代の記録にもあるホドです。が、ソレは調味料としてではなく、嗜好品としてのお酒として。要は甘い、デザート酒的な存在であり、砂糖が安価ではなかった昔にしてみれば、甘くて旨く、酔っ払えもする高級嗜好品であったのだと思われます。現に、今でもみりんメーカーの中には調味料としてのみりん以外でも、飲むみりんを製造・販売しているトコロもありますからね。
以前、角谷文治郎商店の「三州柳かげ」を飲んだコトありますが、正にコレは米のリキュールってカンジでしたね。みりんに自家製焼酎を加えたモノで、ややビターなカンジがありますが、飲んだ後に甘い余韻が残る。立派な甘口高級酒です。
少々ハナシが横に逸れたので、調味料としてのみりんのコトを。
大雑把に分けると、みりん関係は造り方や価格等によって以下3つの分類に分けられるかと。
みりん風調味料:水飴・ブドウ糖・化学調味料などで造る。「食品」扱い(←酒ではないので、ハラル対策にはなるらしい)。
本みりん[工業的製法で造られる比較的安価なモノ]:もち米・米麹・醸造用アルコール・水飴が原材料。2~3ヶ月掛けて造る。
本みりん[昔乍らの製法で造られる高級品]:もち米・米麹・本格焼酎が原材料。1年以上掛けて熟成。
価格的にも1→3の順で高くなって行くワケですが、小売価格で言うと1.が1ℓで350~400円程度、2.は1ℓで500~1,000円位、3.は1ℓ換算(殆ど1ℓで売ってないので)で1,500~2,000円位でしょうか。原材料のもち米なんかが有機だったりすると、更に価格は上がって行きます。
コスト的なコトを考えると、1.が良いのでしょうが、コレはある意味化学的に造られたニセモノ(?)でもあるので(スミマセン…)、使うんなら本格的に造られた2.か3.の「本みりん」が望ましいですわねぇ。勿論、3.が、更に言えば有機・無農薬原材料使用のモノ良いに決まってますが。
大手メーカーとしては、「タカラ本みりん」の宝酒造・「マンジョウ本みりん」のキッコーマンが両巨頭で、アトは「純米本みりん」のミツカン・「日の出本みりん」のキング醸造等が有名ドコロでしょうか(その殆どは2.のカテゴリーですかね)。
3.を造ってるトコロとしては、地元愛知県の「三州三河みりん」の角谷文治郎商店・「九重櫻」の九重味醂・「愛櫻」の杉浦味醂・「福来純本みりん」の白扇酒造等でしょうか。
個人的には、値段は高いモノの昔から使ってるし、地元でみりん造りにマジメに取り組む角谷文治郎商店の「三州三河みりん」がイチ推しだなぁ。でも、お安くはないので2.のモノとの併用し、ココぞとと言う場面で3.のモノを使うと言うのが現実的対応になるのかな、と考えています。
明日は「調理器具・鰹節削り器」について書いて行きたいと思います。