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アカデミー賞ノミネート資格に「多様性」の条件が課せられる

数ある映画賞の中でもっとも権威あるものの一つであり、毎年受賞作品が世界中の注目を大きく集めるアカデミー賞ですが、ここ最近はたびたびその白人男性優位の傾向が批判されるなど、その保守的な一面も見えていました。

そんな中、この数年でアカデミー会員や受賞作品に多様性を持たせようという動きもあり、受賞作品の選考を行う映画芸術科学アカデミーが、数日前にある発表をしました。

その発表とは、アカデミー賞の中で最も名誉ある「作品賞」のノミネート資格を得る条件として、一定割合以上の人種的・性的マイノリティが関わっていなくてはならないということ。

Deadlineの記事によると、

・人種的・性的マイノリティとして少なくとも一人のアジア系、ヒスパニック系、アフリカ系、ネイティブアメリカン、中東系、ハワイ系もしくは太平洋諸島にルーツを持つ人々、またはそのほかの人種的マイノリティを、主演、または重要な役柄、あるいは製作、マーケティングの重要なポジションに起用すること。
・加えて、女性、LGBTQ、人種的マイノリティ、または障がいをもったの人たちを、メインではない役柄の少なくとも30%で起用すること。
・マイノリティの人々をめぐるストーリーラインを含めること。
・マイノリティをクリエイティブ面での責任者または部門長として起用すること。

などのガイドラインが設けられて、そのうちの半分をクリアすることが必要とのことです。

次のアカデミー賞授賞式(第93回)は、コロナウイルス感染症の影響でこれまでよりも遅い開催(2021年4月25日)となり、その分審査対象も2020年1月1日以降、2021年2月28日までに公開された作品に拡大されましたが、上記ガイドラインは影響を受けないそうですが、その次の94回、95回から作品賞の候補に上るにあたりマイノリティのインクルージョン・フォームといった書式の提出が課され、2024年の第96回から本格的に上記ガイドラインが必須となるようです。

これがどういう形で見えるようになっていくのか、楽しみですね。ちなみにこのガイドラインが課されるのは作品賞のノミネート条件だけで、他の各賞のノミネートについては影響がないそうです。もちろんマイノリティたちにも等しく機会が与えられるようになることがベストなのは言うまでもありませんが。

#海外映画 #アカデミー賞 #マイノリティ #映画