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腫れ物綺譚
今回は昔の文章を上げたいと思います。これは大学に入ってすぐ作ったホームページのエッセイで、その時期の他の文章に比べてこういうものこそ「地に足がついていて」良いと、美術批評家の杉田敦さんが感想のメールをくださったのでした。記録を見ると、掲載は1998年7月27日。だから22年前の夏。僕は19歳でした。
いま考えるとこの文章は、日々のツイートによってできていった「生活について書く」スタイルの原点です。たぶんこれ以前に、自分の身体的経験を生々しく書いたものはなかった。杉田さんはそこを正確に指し示したのだと思います。その当時、もっと知的に装った文章に比べ、これをピックアップするというのがどういう意味なのか、19歳の僕にはよくわかりませんでした。
というわけで、原点回帰として読み直してみました。いまの文体より自己諧謔が強い感じがあります。ここから成長した面もあるし、失ったものもあるなと思います。いまこれを読み直すことで、何かを少し取り戻せるのかもしれません。
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