見出し画像

不快を快に転化する(信濃毎日新聞連載7)

信濃毎日新聞での連載「思索のノート」の第7回です。2020年9月の文章。ここで言及される「次の小説」とは、「オーバーヒート」のことです。


ストレスがあった方が実はいいのかもしれない。

人間にとって元々すべての刺激は不快なのであって、それを快に転換することで生きている。あらゆる楽しみは実は元々苦痛なのだ。というのをレオ・ベルサーニという思想家が精神分析理論を背景として言っているのだが、これは仏教的でもあるだろう。

ここから先は

1,443字

¥ 200

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?