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新・モビリティビジネス論[無人配車サービス]

#自動運転 #電気自動車 #人工知能 #コネクティッド #IoT
様々な技術的ブレイクスルーが起きモビリティにビジネスモデルの変革が起きつつあります。そこで、新・モビリティビジネス論は、新しいモビリティビジネスを図解し考察するマガジンです。
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無人配車サービス

完全自動運転が実現すれば、現在の配車サービスがガラリと変わる可能性があります。今まで、ドライバーがやっていたこと、お迎え、移動、支払い、すべてが自動化されA地点からB地点への快適な移動を提供できる為、世界中で躍起になって投資をしています。どのようなビジネスモデルを描けるのでしょうか。

● 利用者層の大幅な増

まずは、誰が乗客になり得るでしょうか。全自動化されることにより、利便性が高まり、現在、タクシーや配車サービスを利用している個人、ビジネスマンなどに留まらず、過疎地で暮らす高齢者ドライバー不足でタクシーが行き届かない地域での利用者が増える可能性があります。また、路線バスや電車とは違い、配車位置と目的地を自由に選べるため、利用者にとっての利便性は高くなると思われます。

● 均一なサービスを大規模に提供が可能

さて、現在一般的に利用されているタクシーのビジネスモデルと見比べるとどのような違いが見えてくるでしょうか。

当たり前ですが、現在のタクシーでは、事業者がドライバーを雇い、乗客に移動というサービスを提供しています。ドライバーの育成をする必要がありますし、サービスの質を評価する必要があります。また、タクシー事業者が大規模なサービス展開をしたいと思っても、雇用できるドライバーの人数により制限されるかもしれません。タクシー事業者にとって、ドライバーは会社の顔であり、その質によりサービスの良しあしが決まるといっても過言ではないかと思います。
一方で、無人配車サービス事業者は、同じシステムの車をコピーすることができるので、均一で大規模な事業展開が可能になります。また、ドライバーを雇う必要がないので、事業者は純粋に、無人配車サービスのシステム改善に注力することができます。

● ドライバーのクレーム対応は不必要

ドライバーを雇わないという点に関しては、ウーバーをはじめとする配車サービスも同じです。

しかし、配車サービスにとって、乗客だけでなくドライバーもカスタマーであり、ドライバーのへの対応はとても気を使う部分になります。また、ドライバーが乗客を殺害するといった事件も起こったり、ドライバーの質をコントロールすることは非常に重要で、下手をすると事業廃止に追い込まれるリスクを内包しています。
一方で、完全に無人になれば、そういったドライバー乗客間の問題や、ドライバー育成を気にする必要がなくなり、無人配車サービス事業者にとっては、非常に荷が楽になります。

● 車両提供者は脇役へ、保守・点検事業者が付加価値を生む

自動車メーカーは、主役から脇役へと変わる可能性があります。車両の提供者は、自動運転車の運用には直接触れなくなるため、移動に関するノウハウやデータを取得できなくなります。その為、量産ビジネスの自動車メーカーより、無人配車サービス事業者の方が、交通や移動を牛耳ることになり、自動車メーカーは移動というフィールドの主役から脇役へと変わってしまうかもしれません。
一方で、直接無人配車サービスと関わることができる保守・点検を行う事業者が付加価値を生む可能性が高いと思われます。無人サービスを運用するためのノウハウがたまり、プラスアルファで乗客への付加価値を提供できる可能性を持っています。

現実化条件

では、これを実現するために何が必要になるのでしょうか。

無人タクシーを可能にするには、非常に高度な技術を安全に、セキュアに扱う必要があり、それが大前提になります。また、ハードウェア、ソフトウェア共に開発要素が多くなればなるほど、開発費、車両代が膨らみサービス収入による収益化が難しくなる可能性があります。タクシーで1000円かかるところを無人タクシーだと3000円かかってしまうのであれば、当然ビジネスは難航するでしょう。
また、法規制の緩和や社会的受容性など、「無人」と「人間」がどのように関わっていくべきか真剣に考えていく必要があります。トロッコ問題をはじめとする倫理的な問題や、安心して利用できるシステムの構築は、時間がかかるものかもしれません。

最後に

良いところ
● 利用者層の大幅な増
● 均一なサービスを大規模に提供が可能
● ドライバーのクレーム対応は不必要
● 車両提供者は脇役へ。保守・点検事業者が付加価値を生む

今後の課題
▲ 技術の成熟
▲ 収益化に向けた開発・運用コスト減
▲ 法規制の緩和

配送サービスを無人化することでのベネフィットは上にあげたものだけではなく、多くの可能性を秘めています。技術的な課題や、本当に現実的なサービス料で提供できるかどうかは、まだまだ未知数な部分もありますが、無人配車サービスが実現されれば、人の「移動」の概念をも変えるかもしれません。

まとめは、以下より
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